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希蝶さん のコメント

l 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第292回「男系男子限定の国・ヨルダンとリヒテンシュタインの現実」
 世界には、日本やかつての支那や朝鮮の王朝だけではなく、いろいろな君主国があるのでしょうけれども、文化や歴史の問題を無視して語ってはいけないのだな、と思いました。

 ヨルダンは、イラクにかつてあった王国や、サウジアラビア建国前に存在したヒジャーズ王国(ですよね?)と同じ一族が建てた国で、よしりん先生がたびたび語られる「アラビアのロレンス」に出てくる登場人物がかかわっている国だったはずです。また、私がいつだか「愛子様サイト」にあげた、「サウジの王女の駆け落ち銃殺刑」の話(去年のいまごろでしたよね?)などを見ても、男系社会がゆきわたっていて、日本の参考にはできないと思います。むしろ、「前車の轍を踏む」ようなことのないように、では?

 ヨーロッパの場合、「封建制」があって、「封土」を上位の君主から授与されることで領主の支配が確立するわけで、たとえば(学校で習っていたらすみません…)イングランドの場合は、フランスのバイキング由来の(実は、ロシヤもバイキングから生まれた国です)ノルマンディ半島の貴族、その後、フランス西部のアキテーヌ地方の同じくフランス貴族の所領との合同王国で、百年戦争などでフランス側の領土をすべて失ったという史実があります。ドイツ統一の母体となったプロイセンや、チェコやハンガリーを支配していたオーストリアなどの場合もそのはず(長くなるので省きますが)。そして、ヨーロッパには、キリスト教で「離婚は禁止」となっているということも忘れてはいけないのかも知れないです(「婚姻の無効」は可能なのですが…ある意味、ごまかしですね)
 ついでに話をするのですが、スペインとフランス国境に存在する「アンドラ」という国では、フランス大統領と、スペイン(厳密にいうと、カタロニア)のウルヘルの司祭が共同の歴代の「アンドラ公」なのだそうです。こみいった話なので、これ以上説明しませんが(先にあげた、「封土」に関連する話です)、こういう文脈で、リヒテンシュタイン大公の話を見ないと、日本の事例と対比できぬのではないか、と思います。
 日頃、オーストリアのハプスブルク家を参照すべきだ、と主張している身ではあるのですが…。あれだって、(第一次大戦のきっかけとなった、サライェヴォ事件のフランツ・フェルディナント夫妻の例でもわかるのですが)男尊女卑です。

 なんだか、かたっ苦しい話になりますが、その土地にしか通用しないこと、そして、男女の出生を人間が左右することはできない、そんなことをしたら、(これも前にあげたかな?)性転換のような話になるぞ、お魚の中には成長とともに雄・牝が交替するのもいますが、そんなふうに人間がなっていいのだろうか、という意見を述べて、しめさせていただきます。

 Q&Aのことで、もう少しだけ。
 たしかに、登場人物への感情移入はあるのかも。私も小説とかドラマとかでも、なりきって読む場合もあるから。つまり、好きになれない主人公だったら、その話を読むのが苦痛になってしまうのかも。『鬼滅の刃』の主人公の場合も、「もしあのとき、弟妹たちを連れて炭をうりに行っていたら」とか、「もし、知り合いの老人の家で一泊していなかったら」とか想像するのです。アニメの方は前シリーズ以来ご無沙汰になってしまったのですが、あれこそ、「人間の勇気」とか、「理不さ」に立ち向かってゆく話だろうと、今でも思うのですが…。

 ということで、これからSPA!とか、FLASHも購入です。次号配信とともに楽しみです。
No.125
11ヶ月前
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第469号 2023.5.16発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…一体なぜ自称保守派は、天皇陛下のご意思を平気で無視できるのか?その原因は明らかである。連中の目的が、「天皇陛下のご意向を叶えること」ではないからだ!さらにいえば連中は、本当は「皇位の安定継承」も目的とはしていない。もっといえば、「男系男子継承」ですら、真の目的ではないのである。では、何を目的としているかというと、それはただひとつ。「自分がマウントを取りたい」ただ、これだけなのだ!ただただ議論でマウントを取って、偉そうな顔をしたいだけなのだ! ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…日本以外で、王位継承を「男系男子」に限定している立憲君主制の国は、中東のヨルダン、欧州のリヒテンシュタイン公国だ。一体どんな国で、どのように王位の安定継承を維持してきたのか?じっくり調べてみたところ、日本の皇室とではなにからなにまで違いがありすぎ! 実情も文化も背景もまったく違うのに、日本の皇室に無理やり当てはめて、男系維持が可能であるかのように言っているのだ。この幼稚さ、不誠実さ、あまりにも凄まじい。 ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…尖っていると思ったロックミュージシャン、格闘家、芸人などがコロナ脳だった時に失望してしまうのは何故?映画や漫画等を観て「これは泣いた!」という作品はある?坂本龍馬の評価が変わってきていることをどう見る?少年誌で描く際に性的表現で苦労したことはある?井上達夫氏との『ザ・議論!』のような対話をまたやってほしい!公開中の『すずめの戸締り』が登場人物がマスクをしているバージョンに差し替える!?外国人の地方参政権、移民の受け入れについて今はどう考えている?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第498回「マウントを取りたいだけの男系派」 2. しゃべらせてクリ!・第425回「ぽっくん叫ぶ!みなしゃん、ついて来なしゃ~い!の巻【後編】」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第292回「男系男子限定の国・ヨルダンとリヒテンシュタインの現実」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第498回「マウントを取りたいだけの男系派」  7月23日(日)13時から開催される、公論イベントSpecial「愛子さまを皇太子に」の参加者募集が今週19日、正午からスタートする。  ゲストに 菅野志桜里氏、矢部万紀子氏 を迎えて4時間の大議論を行う他、様々な企画を用意して、愛子さまに皇太子になっていただくための一大応援イベントを繰り広げる予定である。  入場無料だが、事前の申し込みが必要なのでぜひ早めに応募してほしい。  わしは10年近く前、宮内庁からの呼び出しを受け、宮内庁長官と官房審議官と会談をした。  それまでわしは、天皇(現・上皇)陛下が女性・女系天皇を認め、愛子さまを次の皇太子にしたいというご意思をお持ちだということについて、90%くらいの確信を持っていた。   それがこの時の会談で、宮内庁側がわしの主張と完全に同調していて、ツーカーで意思疎通ができたことから、確信は100%に変わったのだった。  ただしそのことについては、わしはその後、ごく限られた人にしか明かさないようにしてきた。  しかし先日、ついにその禁を説き、SPA!5月2・9日合併号掲載のゴーマニズム宣言『愛子天皇論』でこれを描いた。  わしは宮内庁側からは特に口止めもされなかったので、すぐに誰に話しても別に構わなかったのだが、10年近くの間、この件をどう扱うべきか、ものすごく悩んできたのである。  宮内庁長官と話して、天皇陛下のご本心がわかったと言えば、いかにも強力な武器を手にした感じにはなるだろう。それはまさに「錦の御旗」を掲げているのと同じようなことになる。  だが、わしはそこで躊躇を感じた。もしこのことを公開したら、どんな反応が返ってくるだろうかと考えたのだ。   まず、必ず「作り話だ」と言ってくる者がいるだろう。  では、そこで宮内庁側との会談が本当にあったことの証拠として、宮内庁長官の名刺を公開するか?  いくらなんでも、人の名刺で自分の発言の信用性を担保しようなんて、あまりにみっともなくてわしにはとてもできないし、 「宮内庁お墨付き」を振りかざすなんてことは、完全にわしの美学に反する。  この会談の席では、わしは 「これは皇后陛下の御本です」 として一冊の本をいただいているが、それを公表するわけにもいかなかった。   その本には皇后陛下が貼られた 「付箋」 が何枚もついていて、そのページを見れば、皇后陛下が何をお考えかが推察できるようになっており、それは「女性天皇」を示唆しているとしか思えないものだった。  高森明勅氏の忠告によれば、皇后陛下が勝手にそんなことをできるわけはないので、その推察できるご意思は、 そのまま天皇陛下のご意思である ということだった。その翌日にも、高森氏はわしの仕事場を訪れ、御本の付箋ページのコピーを取っていった。  この本を見せびらかせば、立派な「錦の御旗」になるかもしれないのだが、それでは「権威主義」であり、そうはできないとわしは思った。  わしは迷った結果、これは一般公開できることではなく、ごく限られた人にだけ、内々に明かすしかないと判断した。   当時のゴー宣道場の設営隊員には、開場前に集合をかけて話し、今後の道場の役割がものすごく大きくなることを知らせた。  そして、 尊皇心があって力になってくれるかもしれないと見込んだ政治家には、個別に会って話していった。   野田佳彦元首相 は、すごく熱心に聞いてくれて、生前退位の際には非常に尽力し、引き続き皇統問題にも力を入れているが、いかんせん野党が弱体化しすぎてしまって事態を動かせない。   石破茂氏 には、安倍政権下では冷遇されていたとはいえ、与党の有力議員としてかなり期待したのだが、結果は全然だった。  さらには、少しは影響力があるかと思って、 田原総一朗氏 にまでこの話をして、その一部は対談本『日本人なら知っておきたい天皇論』(SB新書)にも掲載された。だが、それだけだった。  今年2月に行った『オドレら正気か?in奈良』では、ネット非公開で会場のみの 「密教」として話したのだが、最大限でも、これくらいの内輪だけの話にしておくべきだと、この時点では思っていた。  ところが、この「密教」の話を聞いたのか、「世界のゴー宣ファンサイト」の カレーせんべい氏が興奮して、そんなことがあるんなら、これを全部公開してしまえばすべて決着じゃないかと言い出した。  おそらくカレー氏には、 「承詔必謹」 という感覚があったのだろう。  戦争最末期の昭和20年(1945)8月に至っても、軍には強硬な抗戦派が存在し、政府は意見を集約することができず、天皇の「御聖断」を仰いだ。  そして昭和天皇はポツダム宣言受諾という決断を下し、自ら「終戦の詔勅」を読み上げた。  その「玉音放送」の放送を聞くや、それまで強硬に戦争継続を主張していた軍人たちも、一斉に武器を下ろした。一部の軍人は、天皇の意思に反してでも徹底抗戦せよと唱えたが、それが叶わないと知ると割腹して果てた。   天皇の「詔」を承ったら、必ず謹んで従う…「承詔必謹」とは、それほどまでに当時の日本人、特に軍人にとっては絶対とされていたことなのだ。  だからこそカレー氏は、日本の「保守」を名乗るような者なら、愛子皇太子の実現が天皇の大御心だと知れば、それに従うはずだと思ったのかもしれない。  しかし残念ながら、今どきの自称保守なんて、「承詔必謹」が読めるかどうかすら怪しい。   現在の日本人、特に自称保守なんて、天皇が何を考えていようが、何を望んでいようが、そんなことは知ったこっちゃないとしか思っていないのだ。  たとえ、いま天皇陛下が「愛子を皇太子にしたい」というご意向を直接「玉音放送」で表明したところで、自称保守派は一斉に無視するか、あるいは「憲法4条違反」として天皇陛下をバッシングするのは目に見えている。   現に、上皇陛下が生前退位のご意向を明かされた「平成の玉音放送」の際には、自称保守は陛下のご意思を一斉に完全に無視して、「死ぬまで天皇をやるべきだ」と平然と言い放った し、 天皇が自身の進退について表明することは「国政に関する権能」ではなく、憲法違反には当たらないにもかかわらず「憲法4条違反」を主張する者も数多くいたのである。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!