希蝶さん のコメント
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第480号 2023.9.19発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…9月7日に行われたジャニーズ事務所の記者会見は、異常としか言いようのないものだった。しかもその異常性を誰一人自覚することもなく、ひたすらジャニー喜多川やジャニーズ事務所を「悪」として排斥する動きが続いている。そこには常識も良識も正気も存在しないのに、誰もが「正義」を背負っていると思い上がっている。今回はその記者会見の異常さを記録として残そう。
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…この原稿を書いているのは9月18日。敬老の日だが、老いをどう敬ったらいいのかわからない。今朝、わたしのスマホには、ある高齢者からの長文メールが送られてきた。「コロナ論」は「三文漫画」だとか、「すべての現象は地下水脈で繋がっている」「昆虫食と日本の養鶏畜産業の崩壊を俯瞰視すべき」だとかの陰謀論が書き連ねてある上に、3カ月前に送られてきたメールとまったく同じコピペ文だったので、困惑をこえて疲れてしまった。老化による認知能力の衰えが、脳を陰謀論に染まらせるのだろう。将来は自分にも起き得ることと考えて、自分の老いをものすごい高圧で見せつけてくる存在を、ちょっとだけ優しめの目つきで眺めることを、敬老の日の過ごし方としたい。さて、本日は、最近ウオッチしている、ものすごい高圧の老人についてリポートする。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…日本近海の水産物を根こそぎ乱獲、処理水放出した福島への迷惑電話などなど…中国人の民族性が直ることってある?民主主義には奴隷制度が必須なの?ワクチンの件等を考えると福島の処理水は本当に安全なのか?とモヤモヤするけど、先生はどう考える?サウナを利用したことはある?性加害にあったことがある身からすると、ジャニーズの被害者には同情してしまうが?『おぼっちゃまくん』の最高作品は!?もし先生が好きな女性アイドルが社長から強制わいせつを受けていても許せる?阪神タイガースの「アレ」についてどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第509回「ジャニーズ記者会見の狂気」
2. しゃべらせてクリ!・第436回「感涙・血涙・空涙? 親子で大号泣ぶぁ~いやいやい!の巻【前編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第303回「似非ホシュ老害列伝~日本保守党」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第509回「ジャニーズ記者会見の狂気」 9月7日に行われたジャニーズ事務所の記者会見は、異常としか言いようのないものだった。
しかもその異常性を誰一人自覚することもなく、ひたすらジャニー喜多川やジャニーズ事務所を「悪」として排斥する動きが続いている。そこには常識も良識も正気も存在しないのに、誰もが「正義」を背負っていると思い上がっている。
今回はその記者会見の異常さを記録として残そう。
記者会見の質疑応答で出た質問のレベルの低さには、思わず耳を疑った。
最初に質問をしたTBS「報道特集」の村瀬健介は、開口一番こう言った。
「半世紀以上の長期にわたって、数百人の少年に対して性被害が行われたという、史上空前の加害行為ということになると思うんですけれども」
ジャニー喜多川のしたことが、 史上空前の加害行為!?
報道特集は、ウクライナ戦争を扱っていないのか?
ウクライナ当局によれば、 これまでに少なくとも1万9000人のウクライナ人の子供たちがロシア支配地域およびロシア本土に連れ去られ、そのうち帰還できた子供はわずか400人足らずだという。 国際刑事裁判所(ICC)はこれを戦争犯罪として、プーチンに逮捕状を出している。
ジャニー喜多川が、子供を一人でも強制連行したか!?
だが、この記者会見ではこんなデタラメな誹謗中傷でも何でも言いたい放題で、ひたすら故人を吊し上げるのみだった。
そしてジャニーズ側も、ひたすら記者たちに同調してジャニー喜多川をどこまでも悪者に仕立て上げることで、許しを乞おうと決めていたらしい。
新社長となった東山紀之は、いつも「ジャニーさん」と言っていたはずなのに、この会見では「喜多川氏」と言い続けた。そして、そのことを指摘して「ジャニーさんへの想い」を問う質問が出ると、こう答えたのだ。
「喜多川氏に関しては、エンターテイメントというのは人を幸せにするためにあるもので、それはそうじゃなかったと」
「沢山の人を巻き込んで迷惑をかけて、結果あの方は誰も幸せにしなかったなと。なので喜多川氏と呼ばせていただくことになりました。」
ジャニー喜多川が作り上げたエンターテインメントは間違いなく多くのファンを幸せにしたはずだし、東山自身もその作品のひとつだったはずだ。
ところが東山は「あの方は誰も幸せにしなかった」と決めつけ、もうそんな人を「ジャニーさん」とは呼びたくないから、距離を置いて「喜多川氏」と呼ぶことにしたと言ったのである。
これはジャニー喜多川と共に、自分自身をも完全否定するものだった。
東山がここまでベタ折れしたのを見て、取材側は「水に落ちた犬は叩け」とばかりにますます図に乗った。
ユーチューブで発言しているという本間龍とかいう作家は、「ジャニーズ事務所」の名称を変更しないという件について、こんなことまで言ってのけたのだった。
「ジャニーズ事務所と言えばジャニー喜多川氏の作った会社で、その方が下手をすると40年、50年、数百人、数千人の人々を不幸のどん底に叩き落としてきたという状況の中で、その方の名前を今後も頭に乗っけていくというのは、あまりにも常識外れだと思います。あえて言うと『ヒトラー株式会社』『スターリン株式会社』なんて無いわけですよね。それに匹敵するほどの犯罪を犯したというご自覚が足りないのではないかと思うのですがいかがでしょうか」
ジャニー喜多川が、ヒトラーやスターリンに匹敵する犯罪をした!?
ジャニーがいつ、600万人のユダヤ人を虐殺したホロコーストに匹敵するようなことをした?
ジャニーがいつ、1000万人を虐殺したといわれる大粛清に匹敵するようなことをした!?
こんな暴言を吐く馬鹿が、平気で記者会見の場に入り込めることが信じられない。ここまで来ると、いくらなんでも単なる名誉毀損だ。
ところがなんと、この暴言に対しても東山は 「おっしゃる通りでございます」 と答えた。ジャニー喜多川はヒトラーやスターリンに匹敵する悪事を成したと認めてしまったのだ。しかも東山はその後さらに 「本当に人類史上最も愚かな事件だと思います」 とまで言った!
ここまで故人の名誉を踏みにじっていいのだろうか!?
もしかしたら、質問した方もされた方も、ヒトラーやスターリンが何をしたのかという知識すらなく、ただ漠然と「極悪人の代名詞」としか思っていないレベルだったのかもしれないが。
そしてさらに仰天したのが、東山の 「今回は法を超えて、救済、補償というものが必要だなと思っています」 という発言だった。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
よしりん先生の意外な一面が見られて、良かったです。
あまりうまく感想がまとまらないのですが、才能と狂気が紙一重だというくだりに感じさせられるものがありました。
モーツァルトだけではなく、ゴッホなども生前は理解されずに、狂人扱いされたわけですよね。
王様に捧ぐ薬指というドラマがありましたが、ヒロインの境遇がジャニーズのタレントに似ていると思いました。
一般の認識では、美貌とか美男ならあれこれ得だろうと思ってしまうのですが、あのドラマを見て、認識が改まりました。
とりわけ拔きん出た、傑出した才能がなくても、ある程度の要領の良さと、社交性があれば、社会ではなんとなく暮らしてゆけるのかも知れない、ジャニーズたたきをしているマスコミとか、識者なども附和雷同で、和の精神で同じような意見を言っていれば地位も名誉も安泰だ、そんな感じなのでしょう。
つまらない、くだらない世の中だ、と思います。なお、わたしの周囲ではジャニーズ問題は口の端にもあがらず、先日試しにしてみたのですが、すぐに別の話題にかわっていました。
ヒトラーだ、スターリンだとのたまう記者もいるみたいですが、実状はそんなようなものなのではないのでしょうか?
そんなところです、チェブリンさんも、大須賀さんもお疲れ様でした。ではでは。
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