na85さん のコメント
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第39号 2013.5.28発行
「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、AKB48ブームから現代社会を掘り下げる(本当は新参ヲタの応援記!?)「今週のAKB48」、よしりんの愛用品を紹介していく「今週の一品」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】 ※「慰安婦正当化の意図ない」「旧日本兵の慰安婦問題を正当化しようという意図は毛頭ない」「慰安婦を利用した日本は悪かったんです」「日本は過去の過ちを反省し、慰安婦の方々に謝罪とおわびをしなければならない」…完全に後退した橋下徹の発言。日本も反省するから他の国々も反省しようという「心中作戦」は、果たして国際政治の場で通用するのか? ※慰安婦問題に関して、「女性の尊厳を傷つける」という言葉の前に沈黙する女性が大多数の中、作家・泉美木蘭さんが勇気ある論考を寄稿!橋下発言批判こそ、“女性をひとくくりにする女性蔑視”を孕んでいる!自称保守派のヘタレ達よ、刮目せよ! ※「よしりん漫画宝庫」は“大衆志向”小林よしのりが描く動物漫画を紹介中!ペットに選んだ動物はなんと…アメリカンバイソン、バッファロー!!“大衆志向”のはずが、やっぱり異形のキャラが暴走を始める!『忠牛ばっふぁ郎』が見せる新たな展開とは!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第41回「結局、河野談話に撤退した橋下徹」 2. ☆特別寄稿☆ 泉美木蘭「橋下発言批判こそ、“女性をひとくくりにする女性蔑視”を孕んでいる」 3. 茶魔ちゃま秘宝館・#010「100億円札束ノート」 4. よしりん漫画宝庫・第39回「『忠牛ばっふぁ郎』②突進、突進、また突進!」 5. Q&Aコーナー 6. 今週のよしりん・第39回「『TVタックル』裏舞台での攻防戦!?」 7. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 8. 読者から寄せられた感想・ご要望など 9. 編集後記
第41回「結局、河野談話に撤退した橋下徹」 橋下徹は5月26日に出演したフジテレビ「新報道2001」で、歴史認識や慰安婦問題について論戦し、自民党国防部会長の中山泰秀衆院議員を前に 「(自民党は)侵略と植民地政策を認めて、周辺諸国に損害と苦痛を与えたことをおわびすると言っているのに、国内向けには(慰安婦の)強制連行はない、自虐史観はだめだと。この二枚舌がだめだ 」と批判した。 中山議員は「そんなことはない!」と語気を荒げたが何の説得力もなく、さらには「自民党が二枚舌なら、あなたたちは4枚舌、5枚舌だ。それだけ国のことに関与するなら、市長を辞めて国(国政)に出たらどうか」と、まるで子供のケンカのような反論をする始末だった。しかもこれでは「自民党は二枚舌」であることは認めたようなものである。 野党時代に「 河野談話の見直し 」だの「 自虐史観の克服 」だのと散々言い立てて政権を奪取しておきながら、橋下の慰安婦を巡る発言が物議を醸すと、アメリカ様が怖い、あるいは選挙で不利になりたくないという理由で、あっさり梯子をはずし、平然と「 女性の人権を傷つけた 」という 河野談話 のとおりの発言をするのだから、「二枚舌」と言われても文句は言えない。 ところがその橋下が、翌27日に日本外国特派員協会で行った記者会見では「 旧日本兵の慰安婦問題を正当化しようという意図は毛頭ない 」だの「 慰安婦を利用した日本は悪かったんです 」だの「 日本は過去の過ちを反省し、慰安婦の方々に謝罪とおわびをしなければならない 」だのと、何度も何度も繰り返すのだから、本当に呆れ果ててしまった。 橋下によれば、当初言っていた「 慰安婦は当時としては必要だった 」というのは、「当時の人はそう思っていた」と言っただけなのに、橋下自身が「当時は必要だった」と思っているかのように「誤報」されたと言うのだ。 つまり橋下自身は最初から、当時の人がどう思っていようと、現在の価値観で断罪して「 慰安婦は女性の権利の蹂躙であり、許されるものではなかった 」という意見だったというのである。完全な自虐史観ではないか! そもそも、橋下は最初の発言では、 「当時は日本だけじゃなくいろんな軍で慰安婦制度を活用していた。あれだけ銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、そんな猛者集団というか、精神的に高ぶっている集団は、どこかで休息をさせてあげようと思ったら 慰安婦制度は必要なのは、これは誰だってわかる 」と言ったのである。 この発言に「今では許されないが、当時はそうだった」なんてニュアンスはない。「誰だってわかる」と言っているくらいだから、橋下自身ももちろんそう思っていたのである。 明らかに橋下はメディアに責任転嫁して後退したのだ。 橋下は「 反省 」「 謝罪 」を再三再四繰り返した上で、日本も反省するが、日本以外のどの国々にも戦場で女性の人権を蹂躙した事実があるのに、日本だけに「 Sex slaves(性奴隷) 」のレッテルを貼り、あたかもこれが日本だけに特有の現象であったかのように思わせることで、その事実に光が当たらなくなってはいけない、各国ともに戦場における「 女性の人権蹂躙 」の事実に真摯に向き合うべきだと述べた。 要するに、日本も反省するから他の国々も反省しようという「心中作戦」に出たわけだ。 そして、日本の慰安婦だけが特殊と思われているのは、日本が国家意思として女性を拉致・強制連行、人身売買したとする認識が広まっているためだろうが、そのような事実があったという証拠はないし、日本政府としてもその事実は認めていないと強調した。 その上で、国家による強制連行・人身売買がないのであれば、これはどの国の軍隊にもあったことであり、米英ではピューリタニズムのために軍の関与という形はとらなかったものの、現地の売春業者を利用していた事実があるとか、日本占領中の米軍も慰安所を利用していたとか、朝鮮戦争中の韓国軍にも慰安所があったといった具体例を挙げた。 だが、これを聞いて「よし!うちの国でも反省しよう!」なんて思う外国人などいるわけがない。 韓国でも朝鮮戦争中に慰安所があり、そこで働いていた慰安婦は、本当に拉致されて連れてこられた性奴隷だった。だがこの歴史的事実に関連する資料は「閲覧禁止」になっており、その事実を知る韓国人はほとんどいない。 どこの国だって、自分の国にとって都合の悪いことは何が何でも隠蔽し、平然と正義ヅラするのである。 そして「反省」を表明した国だけが、特殊な悪の国にされてしまうのだ。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
橋下氏の「そうしないと多大な犠牲を払って勝利した戦勝国が納得しないから」という発言はどうしようもないですね。NYのファンドによる仮初めの景気回復で安倍政権の支持率が高くなり、それと反比例するように維新の会の人気が陰りはじめ、挽回を期して放った慰安婦問題が海外にも波及してブーメラン的に自分に帰ってくると「戦勝国様を責めるつもりは毛頭ありません。日本国は永遠に敗戦国として振る舞い、事実に関係なく国家として謝り続けます。だから!私個人を許してください」と言ってしまったのですから。自分の名誉は自分が業界団体の顧問弁護士をしていた飛田新地の現状を曲げてでも守るのに、祖父の世代と国の名誉は地に落としました。しかし、悲しいかなこれは平均的な現代日本人の意識をよく体現しているものであり、米国が強く出てきたら「もうどうしようもない」「謝るしかない」という感覚は多くの市井の日本人に見られるように思います。橋下氏がタレント上がりの政治家だからというわけではなく、国民の代表としての政党政治家全体に「アメリカ様には逆らえない」という空気が蔓延してしまっていても仕方がないでしょう。やはり国民一人ひとりの意識を変えることなしに政治家が変わることはありえず、そのために一度は絶望の底を覗いてこないと目覚めないのかもしれません。
橋下氏が言うように、事実の如何に関わらず、戦勝国の多大な犠牲を慮って先の戦争は日本が悪であったと反省するのであれば、原爆2発についても「本土地上戦になれば米兵に100万人の犠牲者が出るから、それを防ぐため原爆は必要だった」とする説に立って「落とされねばならなかった」となるでしょう。当然、韓国メディアが書いた「広島や長崎の原爆投下は『神の懲罰』」という戦勝国尻馬史観にも従うのでしょう。よしりん師範が教科書問題において慰安婦問題だけでは埒が明かないから大東亜戦争肯定に向かわれたように、ここへきて全ては大東亜戦争の評価に収斂されていくように思います。大東亜戦争においては日本に正義があったということを国民の共通認識にしなければ国際的な政治・経済も思想や文化における争いも勝てないように思えてきました。
その意味では、TVタックルでよしりん師範が米国人ジェームズ・スキナー相手に「イラク戦争のような侵略戦争に加担しないためにも軍備が必要なんだ」と仰った意味は非常に大きいと思います。米国も悪をなす存在であることを視聴者に再認識させ、かつての日米戦争も一般に言われているような「日本=悪」でなかった可能性への気づきを与え、また悪に加担しないためにも防衛力が必要であり、現政権の改憲や防衛力強化が悪に加担しやすくするものであることも訴えられたと思います。そして何より、米国人にも逆らっていいんだという実例をゴールデンタイムの地上波で示された功績は多大であると考えます。
木蘭師範の特別寄稿は、フェミの刺々しい文章に比べてとても潤いのある優しい文章ですね。男VS女の構図でしかものを見られない人は心もカサついているのでしょうか。「女性蔑視だ!」という言葉は、自分はこの男社会の中で実力で”そう”はならない人生を歩んでいると言いたげであり、女VS女の対立さえも招来させたいかのようです。貧しくて親に売られるしかなかった人を含めた、そうせざるを得ない状態に陥った人をも差別することになりますが、フェミはそこを突かれたら「だから男社会を崩すために立ち上がるのよ」という論理展開に向かうのでしょうね。フェミ論に乗っかるメディアや政治家に至っては勝馬に乗ることしか考えない卑しい人種ですが、政治家もメディアも国民の鏡であるからにはこれも現代日本の縮図なのでしょう。ところで、江戸期の公娼制度における花魁・太夫が高いステータスを誇っていたという伝統的性文化に思いを致せば、現代日本において性風俗文化に携わる人に差別心を持つのは明治開化期以降の西欧かぶれではないかと思えてきます。
明治と戦後、二度の欧米曝露が様々な局面で対立を生んでいる na85
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