monmonさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
第48号 2013.8.6発行
「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】 ※今週の『ゴー宣』は、石破自民幹事長がもくろむ「軍法会議」を徹底検証!!自称保守派が全員一致で言う「自衛隊が軍でないなによりの証拠は軍法裁判所がないこと」は本当なのか?自衛隊にも「督戦隊」が必要なのか?自称保守派が無意識に持っていた自衛隊蔑視の感情が明らかに。「国を守る覚悟」が必要なのは、果たして自衛隊員だけなのか? ※人気連載「もくれんの『ザ・神様!』」、今週もどとーの展開!!二人の女神から心づくしの治療を受けて甦ったオオナムチノミコト。しかし、そんなオオナムチに再び“ど腐れ”兄弟神たちが襲いかかる!!純朴すぎるオオナムチの運命や如何に!? ※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」も今回で10回目!今回のお題はこちら!! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第49回「実は自衛隊を差別している石破茂と自称保守」 2. しゃべらせてクリ!・第10回「二人で『裏山鹿~』の巻」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第14回「オオナムチは、二度死ぬ ~母の子離れ、子の乳離れ~」 4. よしりん漫画宝庫・第48回「『格闘お遊戯』①主人公を喰っちゃう解説者!」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記
第49回「実は自衛隊を差別している石破茂と自称保守」 7月16日の東京新聞の見開き特集記事「こちら特報部」は「石破自民幹事長もくろむ『軍法会議』」という見出しで、4月21日にBS-TBSの番組で放送された自民党・石破茂幹事長の発言を批判した。 3カ月近くも前のBS番組の発言を引っ張り出して大きな記事にするという、あまりにも露骨な参院選向けの自民党へのネガキャン記事だったが、この石破の発言は確かに大問題である。 ただし東京新聞記事は「戦前の恐怖支配の足音が聞こえる」なんてカビの生えたセリフで締めくくる紋切りサヨク論調であり、わしが問題視する論点とは全然違う。 自民党の改憲草案9条2の5項は、こう記している。 「 軍人その他の公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く 」 自民党は憲法を改正して自衛隊を「国防軍」にしたがっているわけだが、国防軍が創設された際にはそこに「 審判所 」を置くというのだ。 この「審判所」とは、 軍法会議 (軍事法廷、軍法裁判所などともいう)のことだという。 石破はまず 「『自衛隊が軍でないなによりの証拠は軍法裁判所が無いことである』という説があって… 」と発言している。 これは自称保守派が全員一致でよく言うことだが、例によって自称保守派が全員一致で言うことはまずウソである。 軍法会議は軍隊を構成する「必要条件」というわけではない。実際ドイツには軍法会議はなく、連邦行政裁判所に所属する審判所が審理を行っている。 軍法会議とはあくまでも軍の秩序維持という目的を達成するための装置であり、 なくても軍の秩序が保たれるのなら、なくてもよいのである。 自衛隊の規律正しさは、今や世界的にも評価されている。 それでも改憲してまで軍法会議を設置しなければならないというのなら、なぜ通常裁判所ではだめなのか、その理由を明らかにしなければならない。 よく挙げられるのは、軍事という任務の特殊性による理由である。 例えば軍事作戦の進行中に軍規違反があった場合、迅速に裁判して制裁を加え、一刻も早く軍律を回復しなければならず、通常裁判所で時間をかけて審理するわけにはいかない。 また、軍隊における事件の審理は法律の知識だけでなく、軍事的な専門知識が必要になることもある。医学の専門知識がないと、医療事故の裁判の審理が難しいのと同じである。 さらに、軍の機密保持のため通常裁判所には任せられないという理由もある。 ところが、石破が言う軍法会議が必要な理由はそれとは全く異なるものだった。 石破は、 今の自衛隊員が命令に従わなかった場合、最高刑でも懲役7年 だと指摘した上でこう言った。 「 これは気をつけてモノを言わなければいけないんだけど、人間ってやっぱり死にたくないし、ケガもしたくないし、『これは国家の独立を守るためだ、出動せよ』って言われた時、死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人は、いないという保証はどこにもない 」 そこで軍法会議を設置すれば、命令に従わなかった者にはその国の最高刑を科すことができる。 最高刑が死刑の国は死刑、無期懲役なら無期懲役、懲役300年なら300年であり、そうなれば自衛隊員だって「 そんな目に遭うくらいだったら出動命令に従おうっていう 」と言ったのである!! わしはこの意見にはかなり呆れてしまった。これって自衛隊員に対して相当侮辱的な発言ではないか? 重罰を科さなければ、自衛隊員は出動命令に従わない可能性があると、石破茂は言っているのだ! ところが石破は侮辱した自覚など、全然ないようで、さらにこう続けた。 「 『お前は人を信じないのか』って言われるけど、やっぱり人間性の本質ってのから目をそむけちゃいけないと思うんですよ。 今の自衛官たちは服務の宣誓というのをして、『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる』っていう誓いをして、自衛官になってるんですよ。でも、彼らのその誓いだけがよすがなんですよ。本当にそれでいいですかっていうのは問わねばならない 」 石破は「どうせいざとなったら、国の独立なんかより我が身かわいさで逃げる」というのが「人間性の本質」だと決めつけているが、確かに左翼的な人間はそういう面があるのかもしれない。 だが、自衛隊員にはそういう本質の発露を心配する必要は99%ないのではなかろうか?わしが取材した範囲では考えられない。 これははっきり言って「 石破茂の人間性の本質 」ではないか?石破は全ての日本人が自分と同じ小心な卑怯者だと、勝手に思い込んでいるのではないか? 石破は、自衛隊には「 督戦隊 」が必要だと言っているに等しい。 「督戦隊」とは敵軍ではなく自軍の兵隊に銃を向ける部隊である。 後方で自軍の兵を監視し、命令に背いて退却したり降伏したりする動きがある場合は、味方なのに攻撃を加え、無理やり戦闘を継続させるのだ。 有名なのはシナ事変の南京攻略戦の際のシナ軍の督戦隊で、退却しようと激流のように押し寄せる兵隊に機関銃の猛火を浴びせ、死体の山を築いたという。 日本軍とシナ軍の士気には天と地の差があった。 日本軍は「国軍」である。志願した軍人はもとより、徴兵による兵隊も、国を守る任務を担うことを名誉として戦地に向かったのである。 水木しげるとか、わしの父のような士気の低い者まで兵隊にとられるようになったのは、大東亜戦争も末期、兵隊の数が圧倒的に足りなくなってからのことだ。 これに対してシナ軍は「私軍」である。各地の馬賊・匪賊の類が軍事力を保有して「軍閥」を形成していったのだ。 日本軍と戦った中国国民軍は中国の「国軍」ではなく「中国国民党」の軍であり、事実上国民党の総統・蔣介石の私兵だった。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
石破茂は軍事通だから、まともな保守政治家で自衛官の強い味方なのかな、と当初は錯覚していました。
後に「国防」とかいう本で、戦前の日本を否定しまくっていたと聞いた時から、なんか胡散臭いと感じるようになりました。今回のゴー宣を読んで、僕が感じた事は間違っていなかったのかな、と思いました。まるで左翼の軍事評論家・前田哲男とそっくりです。
石破は「人間ってやっぱり死にたくないし、ケガもしたくない」といいますが、自衛官の方達はそういった「恐怖心」を乗り越える為、日々厳しい訓練に励んでいるのでしょう。軍事通ならそれ位想像してみろよ、と言いたいです。
あと八木秀次親子のやり取りも紹介されていましたが、僕自身も憲法9条を改正すべきといいながら、心のどこかで自衛官に甘えていたのかもしれないと思いました。
今後はいざという時に命を張らなくてはならない立場の方に対する敬意の払い方や、国防に対して、国民の一人としてどう覚悟を決めるかを真剣に考えなくてはと痛感しました。
「ザ・神様」のオオナムチの人を疑う事を知らない性格ゆえに、ひどい目に遭ってばかりいる所、僕にそっくりなんです。オオナムチのエピソードは「君は僕だ」という感覚で読んでいます。前田敦子の「君は僕だ、変なとこが似てる、みんなの様に上手に生きられない」という歌声が頭の中で流れてしまいます。
Post