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na85さん のコメント

 「すべからく…すべし」は当然「全て…である」ではなく、ゆえに個の弱い「一部の」ライジング読者の代表として、私na85が前回のコメント欄の醜態をまずお詫びいたします。申し訳ありませんでした。今後はどのような揺さぶりがあったとしても内省は心のうちで済ませ、冷静に対処するように努めます。
 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も配信ありがとうございました。

 産経新聞・櫻井よしこと雑誌「WEDGE」がありとあらゆる詐欺的手段を用いて原発事故の影響を過小評価し、避難者を騙して帰還させ、今後の補償や医療体制も最低限に抑え、さらに国民の目を被災者から逸らして残った原発の再稼働へと世論を誘導していることがよく分かりました。とくに原発事故被災者である福島県浜通りの人々を存分に利用してやろうという思惑がもはや悪魔的です。故郷に帰りたいという被災者の心の叫びともいえる言葉も彼らにとっては世論誘導の道具でしかないのでしょう。本当に腸が煮えくり返ってきます。
 日本政府が設定した外部被曝基準:年間20ミリシーベルトが国際的に非常識(国際基準:年間1ミリシーベルトは広島・長崎の被爆者のデータから算出)であり、ソ連時代にチェルノブイリ原発事故のあったウクライナでも年間1ミリシーベルトから移住の権利があることには触れず、ただウクライナの内部被曝基準が日本より緩い?ことだけを強調する記事も卑劣ですが、ここをもう少し突っ込んで調べてみました。
 ウクライナの内部被曝基準は1986.5時点では、放射性セシウムが飲料水:3700、牛乳:3700(単位はBq/ℓまたはkg)までであったものが、ソ連崩壊を経て独自基準を設け1997.6には飲料水:2、牛乳:100、乳幼児用食品:40まで規制強化しました。ベラルーシでも1999.4に飲料水:10、牛乳:100、乳幼児用食品:37まで規制できました。日本は2011.3時点で飲料水:200、牛乳:200だったものを2012.4に飲料水:10、牛乳:50、乳幼児用食品:50まで強化できたようです。つまり、日本の食品安全基準がウクライナの基準より特に厳しいというのは言い過ぎであり、故郷に帰りたがっている被災者を政府が規制基準を強化して帰れなくしていると印象操作しているのではないかと思われます。
 内部被曝と外部被曝を比較すると内部被曝のほうが恐ろしいと思います。放射性物質が体内に入って低線量被曝し続ける状態が内部被曝ですが、放射性ヨウ素は甲状腺、放射性ストロンチウムは骨、放射性セシウムは筋肉・生殖腺、プルトニウムは肺・骨・生殖腺などに蓄積され、放射線によって周囲の細胞の核のDNAが変異し、異常増殖のスイッチが入れば細胞は癌化し、また細胞内小器官ミトコンドリアが活性を失えば、その細胞が本来果たすべき役割を果たせず様々な疾病を起こします。筋細胞なら収縮しなくなり、腺細胞ならホルモンを合成・分泌しなくなり、神経細胞なら信号を伝えなくなります。心筋の働きが悪くなると心臓病を起こし、ホルモン分泌異常が起これば奇形や成長不全、流産が多くなり、肥満や高血圧などの生活習慣病も起こります。免疫をつかさどる白血球細胞のミトコンドリアが弱れば癌細胞をはじめとする異常細胞を除去できず、癌や白血病の促進要素となり、また白血球の一種であるリンパ球が弱れば多くのウィルス性の感染症も激増するはずです。ウクライナでエイズ患者が増えたのはそのせいでしょう。生殖細胞が変異した場合は流産することが多いと思われますが、変異がなかったとしても妊娠中の胎盤を介した胎児への血液循環や出産後の授乳によって内部被曝する可能性が高く、これによって症状は累代します。やはり被災者のうち閉経前の女性と子供だけでも周囲100kmから避難してもらい、食事も徹底的に管理しなければならないように思います。
 今回の「ゴー宣」ではトリチウムについても恐ろしさがよく分かりました。陽子1個と中性子1個でできているのが水素原子ですが、陽子1・中性子2でできたものが三重水素・トリチウムで、これは水素に近いため水素2・酸素1でできた水とは親和性が高くALPSでは除去できないはずです。水素原子は生物の身体を形作っている有機物に欠かせない元素であり、チミジンなどDNAを構成する分子にも取りこまれる可能性が高く、半減期が12年と比較的短くてもDNAそのものが変異するわけですから影響はダイレクトです。植物→鳥・動物→人間、あるいはプランクトン→小魚→大魚→人間、と食物連鎖の上位に行くほど濃縮されて被害が強く出るはずであり、その環境への影響・被害は計り知れず、汚染水をダラダラと海に垂れ流すなどもっての外です。そう考えれば日本からの水産物輸入を止めた韓国の行動は理解でき、安倍自民党の嫌韓ホシュを意識した抗議のポーズが恥ずかしいと思えます。今後おそらく政府は一部の癌のみに注目を集めておき、当然それすらも放射線との因果関係で長期間争うことになるでしょう。これまでの数々の公害訴訟の例を見てもそれは明らかです。
 地震大国における原発リスクを放置したことによる事故でカミガミの棲む国土と海を穢し、その事故対応の意図的な不作為によって天皇の赤子である臣民を苦しめ続ける現政権は、我が国においては最早逆賊と定義しても差し支えないと思います。逆に小泉純一郎氏や山本太郎氏は因習に囚われ思考停止した我が国の様々なムラ社会を揺さぶるトリックスターとなっており、これを親米ポチだ、左翼だとレッテル貼りしたままでは我々の側もポジショントークに堕すことになります。先日ついに政府に対して批判的な雑談を交わすだけでも公安に目を付けられかねない法案が通りました。こんなときは公衆の面前で公然と政府を批判できる個人の存在は本当に貴重だと思います。突破者ならぬ庶民は気取られないように正しい言論を信用のおける周囲の人間から拡散していくしか方法はないでしょう。
 雑誌「WEDGE」は産経新聞と同じく原発もTPPも推進派であり、新幹線で長期移動することの多いビジネスマンを悉くA層=グローバリストに染めていく役割を担っているのでしょう。非グローバリストのC層は数として少なく、B層はネットで見たい情報しか集めないから騙しやすく、D層はどうせテレビしか見ないと思われているでしょう。おそらくC層の集まりであると思われるゴー宣道場がD層やA層を説得する言葉を持たなければならないと思いました。
 「今回は「添削」っぽい回になったぞ」…最後にクスッときました。毎度、お疲れ様です。
 
 今回…初めて道場葉書が戻ってきませんでした(涙) na85
No.53
131ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第63号 2013.11.26発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※チェルノブイリの例に学べば、福島の被災地の多くは帰還可能なのか?過剰に放射能の危険を主張する者が福島の復興を妨げているのか?チェルノブイリ原発事故で周辺住民に健康被害は出ていないのか?汚染水は大した問題ではないのか?今週の「ゴー宣」は、被災者感情まで悪用する原発推進派の、許されざる大嘘を暴く!! ※貴重な裏話が聞けてしまうと大好評の“活字版よしりん戦記”「よしりんウィキ直し!」!前回の「従軍慰安婦問題」「つくる会」に続き、今週はいよいよ「『戦争論』シリーズ編」に突入!「個と公」というテーマは、どこまで伝わったのか!?今週もよーしゃなく添削!! ※よしりんが直接回答「Q&Aコーナー」!華原朋美と竹田恒泰の芸能ネタを見た一般女性が放った強烈な一言とは?紅白歌合戦でNMB48にどんな曲を披露して欲しい?冬場のお気に入りオヤツは?よしりんの恋愛は“上書き保存型”“フォルダ保存型”どっち?ハゲ始めたらどうする?歳を取ってもサブカルに興味を持っているのは、実際どうなの?上水道事業を外国企業に開放する水道民営化についてどう思う?冬または雪を連想させる歌で好きな曲は何?今年一の“一発屋”とは? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第65回「被災者感情まで悪用する原発推進派」 2. しゃべらせてクリ!・第24回「お父ちゃま夕陽に号泣!の巻〈後編〉」 3. よしりんウィキ直し!・第10回「ゴーマニズム宣言⑥:『戦争論』シリーズ」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第65回「被災者感情まで悪用する原発推進派」  櫻井よしこは11月4日付産経新聞の連載コラムで、こんなことを書いた。  原発事故で被災した福島・浜通りの人々約30人が9月、チェルノブイリを訪れた。そこで彼らが見たのは日本で報じられてきた放射能汚染に苦しむ荒廃した町とは全く異なる、よみがえった町と子育てにいそしむ人々の姿だった。  その上で櫻井は「 安全のためには1ミリシーベルト/年を超えてはならないというかのような過度な恐れが、今も人々を福島から遠ざけている。人の戻らない故郷は廃墟となる 」と書いた。  チェルノブイリの例に学べば、福島の被災地の多くは帰還可能であるのに、過剰に放射能の危険を主張する者がそれを阻んでいるというのだ。  ネトウヨ連中は、大喜びでこの櫻井のコラムを拡散させまくった。  全く不思議な話である。  作家・東浩紀氏やジャーナリスト・津田大介氏らは、今年4月にチェルノブイリを訪れている。先日、わしは東氏と初めて対談したが、その対談や、終了後に津田氏を交えて行なった懇談でも、チェルノブイリの町がよみがえっているなんて話は一切なかった。  東氏、津田氏らがチェルノブイリを訪ねたのは、事故跡地の廃墟などを観光地化して記憶を留めさせようとする「ダークツーリズム」の実地調査のためである。  その模様をまとめた本『チェルノブイリ ダークツーリズムガイド』には、チェルノブイリ原発周辺は今も多くが立入禁止で、廃墟が広がっている様子が多くの写真で紹介されている。  また、 チェルノブイリ原発とチェルノブイリ市街は直線距離で15キロ離れているのだが、そのチェルノブイリ市も、立ち入りは可能なものの居住は禁止で「 大人はいても、子供はだれひとりいない 」と書いている。  櫻井よしこが紹介する「浜通りの人々」が訪れたチェルノブイリと、東氏、津田氏らが訪ねたチェルノブイリは、同じ場所なのか?  どういうことなのかスタッフの時浦に調べさせたら、櫻井よしこがその「浜通りの人々」の代表と話している動画のページを見つけてきた。そしてそのページには、「浜通りの人々」が訪れたのはチェルノブイリではなく「 スラブチッチ 」と書いてあった!   スラブチッチとは、チェルノブイリ原発から約50キロ離れた比較的放射線量の低い地域に作られた、 移住都市 である。   櫻井は、全く別の場所であるスラブチッチを「チェルノブイリ」と書いたのだ!!  完全な、嘘だったのである!!  櫻井のコラムは、すべてが疑問だらけである。  例えば、こんなことを書いている。  ウクライナの首都キエフでは国立放射線医学病院を訪れ、原発事故の健康被害についても学んだ。同病院が原発職員や周辺住民約2万3千人を27年間追跡調査した結果、他地域の住民との間にがん発生率で有意の差はなかったとの分析に、浜通りの人々は驚いた。チェルノブイリの放射線拡散量は福島の50倍といわれているのに、である。  チェルノブイリ原発事故後25年の2011年4月にウクライナで行なわれた キエフ国際科学会議に、ウクライナ政府(緊急事態省)は報告書を提出したが、その内容は櫻井が紹介しているものとは全く違う。  この報告書は最も多くのページを住民の健康に関する部分に割き、 原発事故の被災者の間に深刻な健康被害が発生していると訴えている。  ウクライナ政府はキエフ国立記録センターで、被災者236万人余の健康状態を追跡したデータを一括管理しており、報告書はこのデータを根拠としている。そして執筆者は、事故前から現地で診療活動をして、事故後25年に亘って汚染地帯の住民を見続けてきた35人の現場の医師たちである。   この報告書では、被災地域の住民に甲状腺疾患、白内障、心筋梗塞、脳血管障害などが増えており、その原因の一つが放射線であるという見解を示している。  中でも深刻なのは、子供たちの被害である。   事故で被曝した人から生まれた32万人の子供を調べたところ、1992年には子供のうち22%が健康、20%が慢性疾患を持っていた。   それが2008年には、健康な子供がわずか6%に減少。逆に慢性疾患を持つ子供は78%に増加していた。  事故後に生まれ、汚染地域で育った子供の78%に慢性疾患が見られる!   だがIAEAなど国際機関は、甲状腺がんなど一部の病気以外は未だに「放射線の影響とは科学的に認められない」としている。  この報告書についてはNHKが2012年9月23日にETV特集「チェルノブイリ・汚染地帯からの報告」として放送、取材内容は『低線量汚染地域からの報告 チェルノブイリ26年後の健康被害』という本にもまとめられている。  また、ウクライナ政府報告書の健康被害に関する部分は、市民団体によって日本語訳され、ネットに公開されている。 http://archives.shiminkagaku.org/archives/csijnewsletter_010_ukuraine_01.pdf   果たして、「浜通りの人々」を驚かせた「国立放射線医学病院」とは一体何者なのだろうか!?   平然と「スラブチッチ」を「チェルノブイリ」と偽装して書くデマ女・櫻井が言っていることである。必ずここにもカラクリがあるはずだ。  さて、わしは先日NMB48のゲネプロを見るため大阪に行ったが、その新幹線の車内で「WEDGE」という雑誌を見たら、たまたまこの「浜通りの人々」のウクライナ訪問の「完全密着レポ」が載っていた。  「WEDGE」は東海道・山陽新幹線の車内誌としてJR東海グループの出版社が発行している月刊誌で、一部書店やキヨスクでも売っている。   JR東海の葛西敬之会長はゴリゴリの原発推進派である。 原発がなければ、バカみたいに電気を食うリニアモーターカーが動かせないからとも言われるが、そのため「WEDGE」の論調も以前から原発推進一色で、この「完全密着レポ」にも、あらゆるインチキがちりばめられている。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!