みっどさん のコメント
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第78号 2014.3.18発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…東京都内の図書館や書店で『アンネの日記』などユダヤ人迫害関連本が相次いで破られた事件。ネット右翼だけでなく、自称保守派の言論人、自民党の議員までもが、事件が報じられると忽ち犯人を「在日」「韓国人」「中国人」の組織的謀略と主張していた!この事件で最も重要で、問題視すべきことは、危険水位にまで達している日本の右傾化現象である!!
※「ザ・神様!」…物語はいよいよ天孫降臨へ!!…が、しかし!アマテラスオオミカミから天下りを命じられた息子・アメノオシホミミは尻尾を巻いて逃げ出し、次男・アメノホヒは百戦錬磨のオオクニヌシにすっかり魅了され阿ってしまった!!今回のすったもんだはなんとR18指定!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!福島原発事故と小児甲状腺ガンに因果関係はない?就農率はなぜ低い?みるきーのスキャンダル、今こそUGN選抜を再選考!?元AKB48増田有華の「小林よしのりが嫌」発言について!?アイドルの「恋愛禁止ルール」違反2パターン、どっちが嫌?自分の叶わなかった夢を子供に託そうとする親をどう思う?よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第79回「『アンネの日記』破損事件と日本の右傾化現象」
2. しゃべらせてクリ!・第39回「へぎゃっ!ぽっくんを見捨てんでクリ、沙麻代ちゃん!の巻〈前編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第29回「第二の交渉人・アメノワカヒコ ~すったもんだの天孫降臨 その2~」
4. よしりんウィキ直し!・第17回「ゴーマニズム宣言⑬:『天皇論追撃篇』(新天皇論)③」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第79回「『アンネの日記』破損事件と日本の右傾化現象」 東京都内の図書館や書店で『アンネの日記』などユダヤ人迫害関連本が相次いで破られた事件で、小平市の 36歳の無職男性 が逮捕された。
男は被害に遭った杉並区の図書館の防犯カメラにも映っていた。
『アンネの日記』を破る事件はここ最近発覚したが、男は約1年間にわたって豊島区や杉並区で、執拗に本を破る行為を続けていたという。
男は破った本の紙片をポケットに隠し、自転車で移動中に捨てたと供述しており、その供述通りの場所から紙片が見つかっており、容疑はほぼ固まりつつある。
池袋ジュンク堂書店内で、男は「アシスタントとゴーストライターは違う」と書いたビラを貼った容疑で逮捕されたのだが、その文面も「アンネの日記」はアンネではなく、父親が書いたというデマがあるので、そのことを意味してるのだろう。
もちろんこのデマはオランダ国立戦時資料研究所とオランダ国立法科学研究所の筆跡鑑定と文書調査を中心とした科学的な検証によって公式に否定されている。
男のパソコンにはインターネットの接続履歴が残っておらず、消去して証拠隠滅を図った可能性があるらしい。
さて、この事件で最も重要なことは、自民党の議員や、自称保守派の言論人や、桜チャンネルなどの極右メディアや、ネット右翼の連中が、事件が報じられると忽ち犯人を「在日」「韓国人」「中国人」の組織的謀略と主張していたことである。
3月14日の産経新聞1面コラム「産経抄」でも、最近、日韓両国が反日宣伝の文脈で、日本の「 右傾化 」の例として『アンネの日記』等の破損事件を挙げていることについて、「 どこがどうつながるのか 」と書いている。
いや、つながる可能性が大なのだ。
容疑者が逮捕される前、韓国のハンギョレ新聞は「 在日特権を許さない会(在特会)などが主導する“嫌韓デモ”のように、日本社会の病的な右傾化現象とどんな関係があるのか興味深い 」と論説、他の韓国メディアも在日韓国・朝鮮人排斥を訴える「ヘイトスピーチ」と結びつけて報道した。
反日に凝り固まった韓国マスコミなんか評価したくはないが、在特会のことまで、よく観察している。
これに対して在特会広報局は「 当会の活動と『アンネの日記』など被害に遭った図書とでは何ら思想信条的な関係性はありません。また、本事件といわゆる『嫌韓』の動きはまったく無関係であります 」という声明を発表した。
声明の中で在特会は「 むしろ、世界中の図書館で日本海や竹島関連の図書を損壊している者たちの犯行と見たほうが、より現実的である 」と言っている。
つまり、 世界中で反日活動を行なっている韓国人の仕業だと言うのだ。
しかも在特会自身が、何の確証もなくそんな主張をしているくせに、
「 確証もなく、安易に犯人を当会関係者と推定したり、動機を当会の活動と結びつけることは厳に慎み、良識ある報道を心がけていただけますようお願い申し上げます 」と平然と言ってのけるのだから、その身勝手さにはあきれ果てる。
再度詳述して触れるが、この事件が報じられると、在特会の見解と歩調を合わせるかのように、 事件は日本人に反ユダヤ主義の浸透があるかのように見せて、日本の国際的なイメージを貶めようとする中国・韓国の謀略だ などという陰謀論が公然と流布された。
ネット右翼だけではない。自称保守の評論家やジャーナリスト、極右メディアでも反日謀略説が平然と語られ、中国・韓国の謀略機関の仕業だと「確信する」とまで言った馬鹿もいた。
片山さつき議員や、中山成彬議員までが、韓国の関与をほのめかせていた。
勝谷誠彦は、こういうときは誰が一番得するかを考えるべきだと言い、これは支那人の組織だった犯行だと言っていた。
自称保守の極右連中は、誰も彼もが在特会と同レベルの陰謀論を主張したのだ。
わしだって中韓の反日宣伝に同調したくはないが、残念ながら『アンネの日記』破損事件と、日本国内での「排外主義」は繋がっている。
そもそも「犯人は在日、韓国人、中国人だ」と、ただちに主張すること自体が、排外主義ではないか!
公に言ってはいけないことがある。関東大震災の直後のように、朝鮮人が井戸に毒を盛ったと言いふらす人間になるか、そのデマを止める人間になるか、それが問われている。
もう日本の憎韓・反中は病気である。
そもそも、在特会の主張と反ユダヤ主義は無関係だという在特会広報の声明は大嘘なのである。
在特会会長の櫻井誠 は昨年、ユダヤ人団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が日本におけるヘイトスピーチを問題視し、在特会を監視するよう主張したことに逆上して「 反ユダヤデモやろうかな 」と表明、イスラエル大使館に抗議文を出し、 ユダヤ人を「中東の朝鮮人」と呼び、敵視と憎悪をエスカレートさせている真最中なのである。
さらに「 在特会会員・大和真実 」と名乗る人物のツイッター
https://twitter.com/aikokubakusou
まとめサイト
http://matome.naver.jp/odai/2139350819657253801
には、以下のような発言が氾濫している。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
Q&Aコーナーで、ゆきポンさんが福島の甲状腺癌について書かれていたのを見て、久々に投稿させていただきます。
私は以前「100mSvで0.5%の癌リスク」というのは発癌率ではなくて癌死亡率である、ということを投稿させていただいた内科医です。
https://www.gosen-dojo.com/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=1928&comment_flag=1&block_id=736#_736
先日2月7日に福島県が、下記の内容を発表しました。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201402/2014020700892
東京電力福島第1原発事故を受け、福島県が当時18歳以下だった子どもを対象に実施している甲状腺検査で、33人が甲状腺がんと確定したことが7日、分かった。前回発表から8人増加した。福島市で同日開かれた「県民健康管理調査」検討委員会で示された。
検討委は放射線の影響について、「これまでの知見から言えば考えにくい」との見解を示した。(2014/02/07-19:06)
県の公式リリースはこちら
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/260207siryou2.pdf
県の発表によると、これまで手術を受けた子供は34人。
切除した甲状腺の病理診断では、34人中1人のみが良性腫瘍。33人が癌でした。
検討委はこれまで一貫してこれらの癌と原発事故との関連を否定。
その根拠は「チェルノブイリの時は4~5年後から甲状腺癌が増えた。だから事故後1~3年間の癌は事故と無関係」という、非常に非科学的なものです。
また手術して癌と「確定」したのが33人であって、細胞診の結果ガンと診断されたのは75人います。本来ならこちらが「確定人数」なのですが。
そしてこの75人中、男の子が28人、女の子が47人です。
本来甲状腺癌の男女比は1:6程度。この28:47という男女比は明らかに自然発生の癌ではないことを示していると思います。
チェルノブイリよりも早期から甲状腺癌に見つかっている原因として下記の二つを考えます。
A:検査機器(特にエコー機器)の性能向上にて、チェルノブイリ当時より癌検出力が上がった
B:チェルノブイリよりも被曝量が大きかった
Bについては諸説あるようで専門外の私は論評しません。
ただAについて確実にあるはずです。
当の山下俊一氏が2000年の長崎県の調査と2011年~の福島の調査では、エコー機器の性能が違うと発言しています。
http://savekidsjapan.wordpress.com/2013/06/17/ii-%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%81%A8%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E3%81%AE%E6%B2%88%E9%BB%99thyroid-test-and-silence-of-doctors/
1986年のチェルノブイリ時はもっとエコー機器の性能が劣っていたはず。当時事故1~2年後に検出できなかった甲状腺癌が、約25年の性能向上にて検出できるようになっていることは容易に想像することができます。
エコー機器性能についてはこちらにも記載があります。
http://www.com-info.org/ima/ima_20131030_nishio.html
がんセンター名誉院長の文章なので、私の文章とは信憑性が違います(笑)
年間20mSv被曝する土地に5年間住むと100mSvの被曝になります。
そして少なくともその0.5%が被曝による癌で死亡することになります。
甲状腺乳頭癌の10年生存率は95%と言われています。つまり死亡率は5%。ざっくり計算ですが、甲状腺癌で死亡した人の20倍の人数が発癌するということになります。「発癌リスク」と「癌死亡リスク」というのはこれくらい違うデータだということです。
また上乗せされる0.5%の癌死亡は、原発事故後比較的近い時期に若年で非業の死を遂げることになります。80歳90歳になってなかば寿命のごとく発癌→死亡するものとは違います。
そして被曝による癌で死亡した人がいないからいいじゃないかと原発推進派の皆さんは言います。しかし以前も書きましたが、甲状腺癌の手術をすると首の前面に傷が残り、服で隠すことも難しい位置です。手術を受けた子供たちは、これから毎年の夏、どんな服装をするのだろう。プールに行くのを避けたりするのだろうか、などと考えるといたたまれない気持ちになります。特にこれから思春期を迎える女の子の心理的ダメージは大きいでしょうし、傷の存在から深刻な被曝をしたことがわかってしまい、結婚の障害になったりもするでしょう。また甲状腺を手術で取ってしまう以上、一生甲状腺ホルモン剤を服用しなければいけません。子どもたちにとっては、癌を発症するだけでも大きな大きなダメージを受けるわけです。
先日朝日新聞に「私は将来子どもを産んでもいいのだろうか」という福島の女子高校生からの投書が載っていました。本当に胸が痛みます。原発推進者はデマだヤラセだと言って済ませてしまうのでしょうか。
「0.5%は発癌率ではなくて癌死亡率」「癌は被曝被害のごく一部」「実際の被害の有無にかかわらず現地住民は大きな不安を抱えながら生きなければならない」などなど、まだまだ被曝被害は過小評価されているなあと感じます。この甲状腺癌33人というニュースが全く世の中で話題にならないことは本当に恐ろしいことだと思いました。
長文失礼いたしました。
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