ハクスリーさん のコメント
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第84号 2014.5.6発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…今や働く女性の約6割が非正規雇用。非正規雇用で働く若年女性(15~34歳)の81.5%が年収200万円を下回り、さらに国が「貧困」と位置づける年収114万円未満は働く世代の単身女性の3分の1、約110万人に上るという。シングルマザーも年々増加し、OECDの調査では、日本の母子世帯の貧困率が先進国で最悪レベルという結果が出ている。日本で増える「女性の貧困層」は、果たして安倍政権の「女性活用」政策で救えるのか?
※「ザ・神様!」…思わぬ弔問客の登場でとんでもない修羅場と化した葬儀。遣わした神々が尽く失敗し一向に進まない国譲りに、高天原のアマテラスはもはや顔面紫色。そしてついに、高天原の最終兵器が登場する!!どうなる国譲り!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!SFアクション映画に濡れ場は必要?片想い中の自分のウザさ、どうしたら解消できる?STAP細胞、学問の世界で「結果良ければ全て良し」はあり得ないのでは?日本は、なぜある一つの意見が市民権を得ると、世論は一気にその方向へ流れるのか?今まで付き合った女性から教わった一番の財産とは何?次回「ゴー宣道場」の日、AKB48の代替コンサートにうつつを抜かすのは罪?匿名の告発や批判に正義はあるのか?よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第85回「女性の貧困化と『男系固執』は同根である」
2. しゃべらせてクリ!・第45回「ぽっくん、このカメしゃん怖か~!の巻<前篇>」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第32回「最終兵器、日本最古の戦艦出現! ~すったもんだの天孫降臨 その5~」
4. よしりんウィキ直し!・第20回「ゴーマニズム宣言⑭:『天皇論追撃篇』(新天皇論)⑥」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第85回「女性の貧困化と『男系固執』は同根である」 4月27日に放送されたNHKスペシャル「調査報告 女性たちの貧困~新たな連鎖の衝撃」で見たが、若い女性の貧困化がもの凄いことになっている。
都内のインターネットカフェで、41歳の母親と、19歳と14歳の娘2人がそれぞれ別のブースでもう2年半も暮らしている。
母親は10年前離婚し、看護助手として女手ひとつで子供を育てていたが、子育てと仕事の両立に疲れ、生活が困窮、アパートの家賃が払えなくなってここにたどりついたという。
妹は中学3年だが、もう半年近く学校に通っていないという。
姉は生活苦で高校を中退、コンビニのバイト代10万円と母親からの数万円が姉妹の生活費だが、1日1食。空腹の時は店内の無料のドリンクバーでしのいでいるという。
1個のパンを分け合い、ツナ缶をつついている様子は衝撃的だった。
明日の食事の心配をしなくていい暮らしがしたいというのが、今の姉妹の願いなのだそうだ。
今は派遣で働いているという母親の姿は映されなかったが、生活に行き詰っても周囲の人や行政には頼らなかったというから、もう少しなんとかなったのではないかという感もある。
だが、女性の貧困の問題が深刻化しているということは紛れもない事実である。
番組では、他にも真面目に長時間働きながら貧困から脱出できない女性が何名も登場し、彼女たちは異口同音に、特別な望みはない、ただ普通の暮らしがしたいと言っていた。
今や働く女性の約6割が非正規雇用である。
非正規雇用で働く若年女性(15~34歳)の 81.5% 、289万人が、国が生活支援の対策で困窮状態の目安としている 年収200万円を下回っている。
さらに 国が「貧困」と位置づける 年収114万円未満 は、働く世代の単身女性の 3分の1 、約110万人に上るという。
安倍政権は女性の活用が成長戦略の柱だとか言っている。
首相官邸ホームページの「女性が輝く日本へ」を見ると、その政策として挙げているのは「待機児童の解消」「女性役員・管理職の増加」「職場復帰・再就職の支援」「子育て後の起業支援について」の4点だ。
これを見る限り、 安倍政権がまず念頭に置いているのは企業で役員や管理職になれたり、自ら起業したりという、正規雇用やフリーでバリバリ働ける、ごく少数の有能な女性の活用である。
あとは、正規社員の職場復帰や、スキルを身に付けた人の再就職支援くらいである。
どうやら、上記の例に表れているような非正規雇用の女性は、安倍政権の眼中にはないようだ。
圧倒的多数の普通の女性は、弱肉強食の社会の中に自己責任で放ったらかしでいいと思っているらしい。
安倍政権の言う「女性が輝く日本へ」なんてものは完全なまやかしである。
最初から「勝ち組」の女性だけが「輝く女性」として安倍政権の広告塔に使われるだけのことだ。
結局のところ、女性登用を看板に掲げながら、実は男女共に強者優遇の勝ち組支援、男女共に貧困層切り捨てという政策に過ぎないのだ。
かつての高度経済成長は人口の爆発的増加という条件があって、会社が家族共同体であり、企業は男性社員の嫁候補として女性を雇っていた。
給料が必ず上がるから将来の不安がなく、低賃金でも結婚できたし、専業主婦が多かったから貧困化する女性は少なかった。
だが今にして思えば、専業主婦は潜在的な貧困層だったとも言える。
グローバリズムの中、少子高齢化時代に突入した日本でさらに「経済成長」のみにこだわれば、限られたパイを勝者が独占する新自由主義を採用するしかない。
会社が株主のものとなり、終身雇用制が崩れ、会社の共同体としての役割が消滅。格差の米国型拡大で、貧困層を増え続けさせるのである。
そうなれば、男より女の方がより貧困率は高くなっていく。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
環境相が民間の出版物に対して不快感を示したこと、バッシングする異常者たちを観察すると、表現の自由の制限・弾圧を目論んでいると捉えられそうになったからです。
他国から見ると、日本はたかがこんな漫画ひとつ表現する自由もない国と思われかねない悪印象まで与えかねないと思いました。
この現象は、以前にライジングで取り上げた、フランスの週刊紙「カナール・アンシェネ」の2020東京オリンピックと東京電力福島第1原発事故を風刺した漫画を2点に対する安倍の一味やボンビーウヨのバッシングに似ているでしょう。
37万平方キロの狭い国土の日本に、チェルノブイリと同じ「レベル7」の事故を起こした原発を抱えており、原発事故の収束の目途も立たず、嘘にまみれたオリンピック招致、作業員や福島県民の被爆隠し、被災地を平然と切り捨てる蛮行、原発再稼働…この日本の現状は異常に他なりません。
「美味しんぼ」のページで、少しはそれを自覚した方がよいのでしょうか?
いかに「無関心」であるのかを。
今回の「美味しんぼ」みたいに、威力のある漫画を描いたら、それは決して万人受けする作品にはならないでしょう。必ず見て不快に思う者がいます。狂ったように反発を始めるでしょう。
それは、描かれたくないことを描かれたと思った者たちだと思います。特に原発推進派の人間たちは。
改めて書きますが、私には「美味しんぼ」の件は、不快とも思わず反発も感じません。
作者は、多少過激だったかも知れませんが、彼は彼なりに取材を重ねて、自身のフィルターと判断力で今回の漫画を書き出した。評価するべきだと思います。日に日に風化していく被災地を思えば、こんな風な表現も許されるでしょう。国の対応に対する作者の怒りがよくわかるのです。
以前紹介した、私の友人は原発事故で避難し、東京の専門学校に私と共に入学して、最初の一年目は倦怠感と疲労感、頭痛に悩まされていました。よく鼻血が出ると口にして、実習中に鼻血を出して、全身がぐったりとしたりしたこともありました。
彼は「原発事故前はこんなことはなかった。身体の丈夫さは俺の自慢」というほどでした。
今も連絡をとっていて、以前よりだいぶんに改善していますが、突然、疲労感に襲われたりすることもあるようで、気が気でありません。
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