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na85さん のコメント

 よしりん師範、木闌師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も執筆・編集・配信、ありがとうございました。

 なるほど!エクソシストってそういうことだったのか!そして日本ではそれが狐憑きの除霊だったのか!今回そう素朴に感動したことをまず告白いたします。洋の東西を問わず共同体の中で異常な行動を取る人を見かけたら、まず内輪で何とかしようとし、それが甚だしい場合には人知を超えた何モノかの仕業であると認定し、その専門家が登場してお祓いをするのでしょう。その内輪でできることですが、それは年長者の注意・叱責であったり、共同体の昔ながらの掟に従ったペナルティであったりするわけです。もちろん共同体の最小単位である家族内でそれを発見した場合、叱り付けて止めさせるわけです。
 しかし、それらが全く効かない場合は当然あるはずですが、その一つが脳神経同士の異常なシナプス形成により、性衝動と残虐行為が直結した場合であり、それが悪魔憑きや狐憑きとされてきたものの一部だろうとする、今回のよしりん師範の天才的直観には本当に舌を巻きました。このような快楽殺人に結びつくサイコパスには言って聞かせることができないため、確かに悪魔祓いの領分で間違いないと思います。
 こういう場合は、神懸かり的な雰囲気の中で精神的恐怖と肉体的苦痛を同時に与えるようなお祓い行為を施し、強制的な神経回路の繋ぎ直しを行うしかないと思われます。つまり悪魔祓いです。近代ではこれは野蛮だと言われるでしょう。現代医療においては治療・矯正プログラムが施されるわけですが、替わりが務まっているかどうかに疑問は残ります。神経細胞の繋ぎ直しという荒業を行うには、前近代的な人権制限を伴う方法がやはり効果的であるように、私には思われます。
 さてもう一つの問題です。「命は大切」「命は大切」と言い続ければ殺人やいじめが無くなるという言い分は、「平和が大切」「平和が大切」と言い続ければ平和が守られるという欺瞞の相似形であると思われます。この意味では佐世保という場所もなかなか象徴的です。その近傍の長崎市は2発目の原爆を落とされた都市であり、毎年夏になると市長が「核廃絶」と「平和」を訴え続ける土地柄ですが、その訴えは広島の死没者慰霊碑と同様、日本が悪いから落とされたというニュアンスしか許されないわけです。
 そして佐世保には、同朋に原爆を落とした同じ相手が占領軍として自分たちに睨みを利かせ続ける米軍佐世保基地が存在しています。そこから出撃する米軍第七艦隊は「平和」から最も遠い行為を世界中でやらかしてもいます。また佐世保には海上自衛隊の基地もありますが、今次の集団的自衛権行使の限定的(笑)容認により、米軍に引きずられて積極的に「平和」を壊しに行くことが決定されました。
 つまり佐世保は現代日本の欺瞞と矛盾の象徴のような土地柄だと言えます。このような土地では特に共同体機能が低下している可能性があり、子供たちの脳に一定の確率で発生する神経回路の異常なつながりによる異常行動を発見しにくくなると思われます。またそこに暮らす大人たちの言葉に矛盾やごまかしが多くなっても不思議はなく、小さな芽の段階で異常を矯正することも難しくなるはずです。異常者発生の主原因は先天異常ですが、後天的な促進要素は矛盾と欺瞞を濃縮したような佐世保の土地柄にもあるように思われるわけです。
 「命が大切」と言うだけ言って具体的対策(神経回路の強制的繋ぎ直し)を取らないことと、「平和が大切」と言うだけ言って具体的対策(平和を守る前提条件である自主防衛)を目指さないことは相似形となっています。その矛盾の象徴のような都市で異常殺人が続いたことも象徴的だったと言えるのではないでしょうか。

 さて、「ザ・神様」ですが、ニニギにとっては、大量の結納品とともにイワナガヒメまで送り届けられたことは「何の罰ゲーム?」という感覚だったことでしょうね。
 しかしここで考えてみましょう。もしニニギがイワナガヒメまで娶ってしまったら、皇族やそれに連なる多くの氏族が今現在も不老長寿(中には不死もいるでしょう)を誇り、有限でない生を貪って無駄で浅ましい生き方をしていたかもしれません。つまりメメント・モリなコノハナサクヤが選ばれて正解だったと言えるわけです。
 ただそれでだけで済まさないところが古事記の凄いところで、例えブスさんを選ばされた場合でも、どんな特典がついてくるかも判らんから悲観するなという教訓をもつけたのではないか、というのはさすがに穿ちすぎでしょうか?

 死を思わねば命は輝かない na85
No.52
126ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第95号 2014.8.5発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…長崎県佐世保市で高校1年生・16歳の少女が同級生を殺害し、遺体の頭部や手首を切断し腹部を切り裂くという、何とも猟奇的な事件が起きた。10年前、当時小学6年生の女児による同級生殺害事件が起きた佐世保市では、「命を大切にする教育」を徹底してきたそうだが、そんな教育は、異常性を抱えコントロールできなくなった少年少女の前では無意味である!異常性を先天的に持って生まれてしまった子供に対して、どう対処すべきなのか? ※「ザ・神様!」…高天の原から高千穂の峰へと降り立った天孫・ニニギノミコト。ある日、笠沙の岬で出会った見目麗しい女性に一目惚れ!なんとか結婚にこぎつけたものの、それは大きな不幸の始まりだった…! ※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」あぎゃ~~~~~~~~~~~おっ!ハリウッド版ゴジラ公開記念お題でしゅ!ゴジラもアメリカに取られたかと思うとちょっと複雑でしゅが、日本にはまだウル茶魔マンがいまーしゅ!   【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第96回「『命を大切にする教育』よりも『エクソシスト』だ」 2. しゃべらせてクリ!・第55回「決戦!ウル茶魔マンVSフクロコジラの巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第38回「顔で女を選んだ呪い~ニニギの受難~」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第96回「『命を大切にする教育』よりも『エクソシスト』だ」  長崎県佐世保市で高校1年生・16歳の少女が同級生を殺害し、遺体の頭部や手首を切断し、腹部を切り裂くという、何とも猟奇的な事件が起きた。  佐世保市では10年前にも、当時小学6年生の女児が同級生の女児の首をカッターナイフで切りつけて殺害する事件が起き、それ以来、市は「 命を大切にする教育 」を徹底してきたそうだが、それでも再びこのような事件が起き、教育関係者たちは大きな衝撃を受けているらしい。  だが、「命を大切にする教育」なんて全く無意味であることなど、最初からわかりきっていた話ではないか。  佐世保市ではこの10年間、すべての小中学校を対象に、毎年6月を「 いのちを見つめる強調月間 」と定め、1ヶ月間もの長期にわたって「 命を大切にする教育 」を重点的に行なってきたという。  初日は全校で校長が生徒に向けて、命の大切さに関する講話を行い、校内を1週間開放して、道徳の授業を保護者や地域住民にも見てもらえるように公開。  さらに学校ごとに「 命を大切にする教育 」の活動が行われており、比較的多いのは長崎平和公園や原爆資料館の見学や、佐世保空襲の体験者からその様子を聞いて生命の尊さや戦争の悲惨さを学ぼうという企画だそうだ。  他にも命を題材にした本の朗読会とか、思春期の心の健康に関する講演会とか、あるいは地域や保護者との親睦を図るための球技大会、「健康な体作りを目指す」歯みがき指導というものもあるのだとか。  佐世保市の教育委員会は「10年間の取り組みは無駄ではなかったと思いたい。各校は真剣に取り組んできました」と語っている。だが、いくら真剣に取り組もうが、無駄なものは無駄なのだ。  今回の殺人女子高生は、「 人を殺して解剖してみたかった 」と供述している。中 学生の頃に猫を殺して解剖し、人間でもやってみたいと思っていた のだという。  これで連想するのが、平成9年(1997)に神戸市須磨区で「 酒鬼薔薇聖斗 」を名乗る当時14歳の少年が起こした連続幼児殺害事件である。  あの頃、マスコミ・識者はこの事件の「本当の原因」を探るとして、様々な説をばらまいた。「教育」の責任だという声も大きく、当時の文部大臣は「 心の教育の重要性を痛感している 」と異例の談話を発表した。  無責任な珍説も数多く、社会システムの問題であり、専業主婦を廃止すべきだという意味不明な説を言い出す知識人やら、事件が起きた神戸市須磨区を詣でて、そこが人工的なニュータウンだったことがいけないなどと言い出す者やらが続出。  この言論の紊乱状態は看過し難いものがあり、わしは『新ゴーマニズム宣言5巻』の描き下ろし特別編で言論総チェックをやった。今となってはこれも貴重な時代の記録である。   結局、神戸の少年Aの犯行の動機は「性的サディズム」であり、少年は殺人の瞬間、射精していたという身も蓋もない事実が明らかになった。 教育も社会システムも、もちろんニュータウンも何も関係なかったのだ。  さすがに神戸少年A事件の教訓からか、今回は佐世保の街に原因があるなどと言い出す者はなく、これは「 快楽殺人 」であり、教育ではなく精神医学の領域だということは、ある程度了解事項となっているようだ。  ここで問題となるのは、「親の責任」をどう考えるかということである。  週刊文春は、少女は母親が病死して間もないうちに父親が再婚したことを、どうしても許せなかったようだと書き、この家庭環境が凶行の引き金であったかのように示唆した。  だがこれに対して少女の弁護人は「事実と異なる」との見解を発表。接見で少女は「 父の再婚には賛成だった 」「 父を尊敬している 」「 母が亡くなって寂しく、新しい母親が来てうれしかった 」「 すぐに慣れ、仲良くしていた 」と話したという。  そもそも少女の問題行動は、昨年10月に前の母親が死亡するよりずっと以前から始まっている。 少女の異常性は先天性のものであった可能性が高く、もしそうだとすれば、親が原因とも言えない。この少女が全く個人的に脳内に抱えてしまった病気が原因と言うしかなくなってくる。  この種の異常者は、環境にも時代にも関係なく、ある程度の確率で出てきてしまうものだということは認識しておかなければならない。例えば「少年犯罪データベース」には、こんな事件が記録されている。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!