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na85さん のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、執筆・編集・配信ありがとうございました。

 2月8日のゴー宣道場第1部生放送において、師範から「究極の質問」が出されたとき、私はモニター前で即座にコメント欄に「自決する」と打ち込んでいました。しかしこれは後に脊髄反射な代物でしかないと判りました。もっと葛藤があってしかるべきだろうと思ったわけです。最初は何があったか判らないまま事態が推移し、おおよそ判明した頃には(いや、考えたくない可能性を排除しきれなくなった頃にはと言い直した方がいい)、最早言いなりになるしかない状況に追い込まれている可能性があるわけです。
 日本人のような動物を含む森羅万象にカミを見出すアニミズム的感性、あるいは家畜を農作業をともにする同朋だと思う農耕民族的感性と違い、欧米キリスト者もイスラム者も家畜は神から与えられたとする旧約聖書が信仰の中心です。家畜を屠るのに躊躇も罪悪感も無い人々が相手なのですから、異教徒・異民族への拷問がどれだけ苛烈なものになるかは想像に難くありません。さらに、日本人でも日本的感性から切り離された暴力が支配する空間に長時間居れば、オウム事件や尼崎事件のように簡単にタガが外れて残虐に成れるはずです。従ってイスラム国入りした日本人による日本人への苛烈な拷問も当然起こり得ます。
 ところで、日本人とて近代以前は麻酔なしで手術を行っていましたし、「大東亜論」血風士魂編でも見たように、大陸人ほどではないにしても苛烈な拷問が行われていました。ゆえに近代化による無痛化を経た現代日本人とは痛みの感じ方が違っていた可能性が大いにあります。
 しかし、「わしズム」のチベットやウイグルの特集のとき、私は中国人民解放軍による拷問に身の毛がよだつ思いをしながら読んでいました。つまり何が言いたいかと言いますと、痛みに弱い私などは拘束された時点で最早アウトかもしれないということです。
 それなら捕まる前の段階で自決に踏み切れるのかというと、これもなかなか難しいでしょう。自分に致命傷を与える武器を常に携行し、その覚悟を四六時中持っていたとしても、すでに拘束のプロとなっている人々が相手では難しいかもしれません。また、大規模なテロなら都市部の繁華街や象徴的な施設で行われるでしょうが、人質を物色するなら地方都市の裏通りの方が適しています。つまり、海外で活躍する人以外の、普通に街を歩いて日々自分の現場で活躍する生活者さえも危険に晒される事態になってしまったわけです。
 しかし日本にも安全な方々が2種類おられます。それは、街に出ることもなく自宅に引きこもり、PCモニターの前で「アイスルは許し難い」「安倍ちゃんはよくやっている」「日米同盟万歳」などと打ち込んでいる人々(狙われる可能性が極めて低い)と、厳重にSPに守られながら、米国・反イスラム国の中東諸国・イスラエルとだけ仲良くしたい安倍をはじめとする現政権やグローバリストの面々(狙えばリスクが高く割に合わない)という2者です。
 この2者は、一般人が拘束されて交渉の道具にされた場合には「自己責任だ」「迷惑かけるな」と言い、不幸にも犠牲者に成った場合には「アイスルを許すな」「有志連合にも積極的に参加しろ」「集団的自衛権行使は必要だ」という世論を煽る道具にしよう、と構えているはずです。これは非常に腹立たしい状況であるとともに、とてつもなく危険な事態です。
 通州事件以降や支那事変拡大当時の歴史を辿るつもりか?と問わねばなりません。自主独立を保つための戦争だった大東亜戦争より、今回の主権放棄のまま米国に引きずられて参加する正義なき戦争では、尚更その結果に悔いが残るはずです。

 「はい、ここでまた脚注いただきました!」に大笑いしました。やはりおかしなことを言われたら、確信ボケでも天然でも突っ込まないといけません。時浦師範代、ウンコな奴の相手、今回もお疲れ様でした。

 編集後記では「くっそ~、ここはピケティの方が上か!」で笑いました。とくに「ここは」と付いている点に可笑しみを感じました。「立ち読みテロリストやっ!!!」も笑いました。立ち読み行為は著者に恐怖を与えるという意味でテロリストだし、それを指摘する人(なかなかいない)は立ち読み客に恐怖?を与えるという意味でテロリストです。

 戦争の真相でも皇統・アイヌ問題でも、砂上の楼閣に引きこもっている日本人はテロルの前に崩れ去る na85
No.43
120ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第120号 2015.2.10発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…「政府批判はテロ集団の思うつぼ」「この非常時に政権の批判をする者は非国民だ」「思考停止せよ」「近視眼的になれ」…ジャーナリズムも権力に迎合し政府の広報紙になりつつある。中東に踏み込むことがいかにリスクの高いことか、日本人は十分認識しているのか?戦後70年を経て、日本は遂に新たな戦争「対テロ戦争」に無自覚のまま突入してしまった…! ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!日本国内でもテロが起こる可能性はある?徴兵制や核武装について、どう考える?「相棒」から成宮寛貴が卒業!次の相棒はどんな役者が良い?覚醒剤で逮捕された小向美奈子をどう思う?「大きな魚」を逃した私に叱咤激励を!!「イスラム国」って呼んじゃダメなの?…等々、よしりんの回答や如何に!? ※おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」。へみ?へれ?へも??沙麻代ちゃんがぽっくんにバレンタインのチョコレートを?世の中に、そんなことが起こるものなんでしゅかー!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第117回「『ゴー宣道場』とイスラム国」 2. しゃべらせてクリ!・第80回「まさかのハッピーバレンタインぶぁ~い!の巻〈後編〉」 3. よしりんウィキ直し!延長戦・第7回「『ゴーマニズム宣言スペシャル・天皇論追撃篇(新天皇論)』過去版」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第117回「『ゴー宣道場』とイスラム国」  第46回ゴー宣道場 「『新戦争論1』と戦後70年」 が2月8日に開催された。  参加者の応募締め切りが『新戦争論1』の発売日当日で、地域によってはまだ発売前だったにもかかわらず、いつも以上の応募があり、会場は満員となった。みんな、参加応募をしてから当日までに『新戦争論1』を読んで、道場に臨んでくれたようだ。  タイトルには「戦後70年」とつけたが、今回は特に現在の戦争、すなわちイスラム国を相手に行われている「対テロ戦争」にほぼテーマを絞った。  わしとしては、人々に、 戦後70年を経て、現在の空気は「戦前」に戻っているということを自覚してほしかった。  今回の邦人人質殺害を受け、自民党総裁特別補佐の萩生田光一は、 いま安倍政権を批判することは「 政府と国民を離隔させたい相手の思うつぼ 」であり、「 ここは国民が一丸となって政府の取り組みを支援すべき 」だ と発言した。  つまり「 政府批判はテロ集団の思うつぼ 」と言っている。 「 この非常時に政権の批判をする者は非国民だ 」と言っていることになる。  国民は「 思考停止 」せよと政府が言っているのだ。  本来なら、権力の側がこんなことを言い出したら、真っ先に警戒するのがジャーナリズムの使命であるはずだ。  ところが、読売新聞特別編集委員の橋本五郎は、「 目の前の敵がいる時に、政権批判はすべきではない 」といった発言をした。  現政権の判断が、中長期的にどんな影響をもたらすのかということなど考えてはいけない、目の前の敵だけを見て、「 近視眼的 」になれと言っているのである。 「思考停止せよ」と「近視眼的になれ」が政府の国民への要望である。  驚くべきことに、大マスコミ・ジャーナリストは、このお達しに従って、政府批判を自粛し、権力に迎合してしまっているのだ。  しかも、たとえジャーナリストが権力のチェックという本来の機能を果たそうとしたとしても、 新聞も雑誌も、いまは政権批判をしたら売れないという事態に陥っている。  まるで「戦前」である。支那事変の頃も、ジャーナリズムが権力に迎合し、国民も戦争に反対する新聞など読まないという状態だった。商売上、新聞・ジャーナリズムは、政府・軍部の広報紙にならざるを得ない状態だったのだ。     今わしが伝えたいメッセージは政府の意図とは反対、「思考停止するな」「近視眼的になるな」である。  実は、今回のケースで人質の救助の問題には、わしは関心を持っていない。国家はどんな理由であれ、邦人を守る義務があるが、さりとて「自己責任」が前提のプロフェッショナルがテロリストに人質に取られた場合に「身代金」を払うのは正しくない。    それよりもわしが憂慮するのは、中東に踏み込むのはリスクが高すぎるということを、未だに日本人が十分認識していない危うさである。    テロ組織が「イスラム国」という「国」を名乗るというのは、かつてない画期的な出来事だった。  イスラム国は、イラク戦争の結果誕生した。  崩壊させられたフセイン政権にいたバース党幹部が、イスラム過激派と手を組んだのがイスラム国であり、実際にかつて国家を動かしていた者たちが官僚機構を整えたから、「国家」の体裁をとれるのである。   イラク戦争がなければ、イスラム国が登場することは決してなかったのだ!  そもそも 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!