諫議大夫さん のコメント
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第145号 2015.8.25発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…大サービス!今回は2本立て!!(1本目)大阪・寝屋川で起きた中1男女殺害事件。容疑者は2002年にも同様の拉致監禁事件を起こしていたという。再犯を防げなかった司法の問題、子供の深夜徘徊を許してしまった親の責任、共同体の崩壊など様々な問題が語られている。子供を守るため、まずすべきこととは何だろうか?
※「ゴーマニズム宣言」…(2本目)昭和20年、GHQ最高司令官・マッカーサーと会見を行なった昭和天皇は、自ら「全責任を負う」という趣旨の発言をしたとされている。しかし実はこれはマッカーサーの嘘で、保守派の「神話」であると主張する者がいる。果たして、昭和天皇の「全責任発言」はあったのか?なかったのか?
※「ザ・神様!」…日本最古の女装&お○ま掘りをし見事、西の猛者クマソタケル兄弟を倒したオウスノミコトは、その名を取ってヤマトタケルノミコトと名乗ることに。父・景行天皇のもとへ復命を果たすため、大和への帰路につく…はずが、再び狂気の血の雨が降る!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!NHK朝ドラ『まれ』の視聴率低迷の原因は?スーパー銭湯の垢すりを試したいものの、係のおばさんに裸を見られるのが恥ずかしい…何か良い方法はない?日米関係を「ペリーの砲艦外交」から語るけど、日本側(江戸幕府)にも非があったのでは?「夢は哲学者」の彼女をどう見てる?子供が犠牲となる悲惨な事件が多発、不安を抱え迷うシングルマザーにアドバイスを!…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 豪華2本立て! ゴーマニズム宣言・第140回「近代化の闇に魔物の徘徊」
2. ゴーマニズム宣言・第141回「昭和天皇の『全責任発言』はあった」
3. しゃべらせてクリ!・第105回「チャマシック・ワールドの大激突ぶぁ~い!の巻〈後編〉」
4. もくれんの「ザ・神様!」・第63回「ヤマトタケル物語・その4」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第140回「近代化の闇に魔物の徘徊」 偏見は差別を助長する。
だが偏見が人間の警戒心として有効に機能する場合もある。
偏見という言葉の持つ両義性の間で、「これは差別か?」「これは真っ当な警戒心か?」とバランスをとる判断能力が必要になる。
大阪・寝屋川の中1男女二名誘拐・殺人犯は、2002年にも同様の監禁事件を犯していたとテレビで言っていた。
その時は男の子が監禁されてるから、どうやら今回の事件は男の子の方が目的だったようだ。女の子は一緒にいたから、先に始末したということか?
少年監禁性欲という極めて特殊な変質者もいるのだろう。
性的な変質者は再犯する可能性がある、これは一概に偏見とも言えず、性欲の問題だから抑制できずに暴走する危険性を考慮せざるを得ない。
だからアメリカでは「ミーガン法」で性犯罪者にGPS探知機の装着を義務付けて、近所の人々が追跡できるようにして再犯を防止している。
人権問題のようにも見えるが、被害者になり得る女子供の人権の方が大事だというのは、わしには理解できる。
しかし深夜に子供を徘徊させる親も問題だが、何度でも同様の事件が起こっているし、「親は何してるんだ?」とその度に思ってしまう。
それほど家族間の絆は切れてるのだろう。子供は家族共同性の綻びをツイッターやラインなどのSNSで繕って、誰かと繋がっていれば安心するようだ。
親は親で、ケータイを持たせているから安心と思うらしく、貧困層の親は仕事だけでくたびれて、子供を見守る余裕もないという状態なのだろう。
ケータイがあり、コンビニがあり、ファミレスがあり、漫画喫茶があり、近代化されて便利な社会だから、我が子を放っておいてもどこかで生きているはずとしか思わないようだ。
便利で近代化された時代にも、人間という獣は蠢いている。
今の時代は弱者が弱者を狙うから、男子も女子も関係なく、獣に狙われる。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
寝屋川の事件ですが、一報を聞いたとき、犯人を許せないと思うのと同時に、子供の親は夜中に子供を遊ばせて、平気なのか?と言う当たり前と言えば当たり前な疑問が湧いていました。
SNSという便利なツールと深夜営業の店舗、これだけ犯罪の温床になりそうな要因がそろっていれば、犯罪者にとっては住みやすい社会になるのはわかっているのに、どうしてだれも手を打たないのか不思議でしょうがありません。
犯人の顔、過去にも少年を乱暴するという酷いことをしておきながら、あんだけ社会をナメきった顔が出来るのは、まさに「獣」の所業というほかはありません。
今回の事件とは別に、Q&Aでも触れていましたが、実の親が子供を虐待あるいは親子間で殺人を犯してしまうように共同体の崩壊がどんどん加速していますね。歪んだ個人主義(自己中心、自分勝手)は結局、未来ある子どもの人生の芽を潰してしまうことにわたしたち大人は気づいてあげられないのでしょうか?
わたしより上の世代が食いつぶしたモラルの破壊をわたしの世代で食い止めなければと思わずにはいられません。
豊下氏の件についてですが、昔は保守の識者は昭和天皇の「全責任発言」はあったという認識を持っていて、昔は保守の側もさかんにそれを強調していました。
ところが保守の立場がみんなイラク戦争を支持したものだから、それをよしりん先生が批判した途端、いわゆる「逆張り」で保守の言うことはすべて間違っている、昭和天皇の「全責任発言」は嘘だ、という空気が出来あがってきたわけですね。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的な思考に嵌るのは日本人特有の悪弊です。だからネトウヨとかサヨクとか、一方的な見方でしかものを考えられない人がいるのですね。
よしりん先生はけっしてそんな連中に与せず、同じ人の語った言葉でも正しいものは正しい、間違っているものはまちがっていると、バランス感覚が備わっているから、独自の視点でものを考えられるのでしょう。
このことは寝屋川の事件についても同じことがいえます。「社会が悪い」「防犯体制を強化しろ」にともすれば偏りがちな意見に堂々と風穴をあけることで存在感を示す先生は、今の日本になくてはならないものだと思います。
わたしはQ&Aで米内光政について質問しましたが、回答のよしりん先生の「もしかしてと思うが」と「歴史とはそういう軽いもんじゃない。」のはざまに先生の本音と建前、「私」と「公」をみました。バランス感覚をとりながら、ぎりぎりまで葛藤して回答されたのでしょう。そんな先生の姿勢に感謝します。
「ザ・神様!」これからおこるヤマトタケルの悲劇を思うと、いままでの残虐な行いも悲劇のための導線かとおもうと、胸を痛めずにはおられません。
来週もよろしくお願いします。
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