• このエントリーをはてなブックマークに追加

諫議大夫さん のコメント

【或る妄想】

{今から101年前、大正2年8月31日、この日は大正天皇の御誕生日、「天長節」で、人々は盛夏の中、正装して天皇の御誕生日を祝う式典に参加していた。
ところが、気温の上昇する中、暑さで倒れる人々が続出。
御婦人方も、「なんとかしてほしい」との要望。
人々は話し合った末、翌3年(1914年)から「天長節」は2カ月ずらした10月31日とすることになった。}

西暦20XX年10月31日。
高森明勅氏が提案して実現した「小林よしのり記念館」正面の「小林よしのりの像」の前には、よしりんキャラ─小林よしのりが今までに生みだしたキャラ─の仮想コスプレをした若者がぎっしりと並んでいる。
「よしりん、よしりん!」ある若者が叫んだ。
大勢の群衆がそれにつられてよしりんコールの雄叫びを上げた。
「よしりん!」「よしりん!」その雄叫びはとどまることを知らなかった。

同時刻、渋谷スクランブル前交差点。閑散として、まるでシャッター通りかと見間違うくらい、歩いている人をほとんど見かけることはなかった。
数年前の同じ日、「ハロウィン」なる行事に狂喜乱舞する若者が西洋妖怪のコスプレをして闊歩して乱闘騒ぎまで繰り出し、「DJポリス」なる警官まで出動したのが嘘なくらい、渋谷は静かだった。

同時刻。小林よしのり記念館前。群衆の熱気は最高潮に達していた。整然と列をなし、乱闘するような若者は一人もいなかった。
「小林よしのりライジングを読んだ」警備に参加するスタッフは自発的に参加しているという。警備をしたいと願い出る者が後を絶たないため、「警備がしやすくて助かります」と地元の警察官。

やがて記念館の扉が静かに開く。
「よしりーん!」群衆の一人が叫んだ。
再びよしりんコールの嵐。
出てきた男は両手を前にして、コールを押しとどめるようなジェスチャーをした。
途端に歓声はピタリとやんだ。
しん、と静まり返る。空気がぴんと張り詰める。夏の暑さが一段落し、秋の寒い夜の冷えた空気が熱くなった群衆の熱気を冷ます。
「よしりん先生、御誕生日おめでとう!」

そうこれは、小林よしのり氏の誕生日を祝う式典なのだ。
小林よしのりの誕生日は本当は8月31日なのだが、盛夏の、夏の暑いさなかの日に正装して式典に臨むなんて心苦しいし第一わしが困る、という先生の思し召しと女性子供を大切にする先生の感覚を大切にした有志達が、誕生日を祝う式典を2カ月ずらした10月31日にしようと数年前に決定。

最初「ハロウィン」なる行事が日本全土を席巻していたこの日も、年がたつにつれ小林先生の誕生記念パーティーにとって代わり、街の店先にはよしりんグッズがいたるところに並び、メディアはよしりんの話題で持ちきり…

或る妄想でした。
No.80
108ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第153号 2015.10.27発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…今年も憲法9条信者は、憲法9条がノーベル平和賞を取るかどうかと、から騒ぎしていた。そもそも「憲法9条にノーベル平和賞を」という運動は、神奈川県の38歳の主婦が2年前に思いつきで始めたものだ。彼女を始め憲法9条信者は「9条には人類の理想が書かれている」と思っているが、そもそもこれが根本的な間違いなのである!一方、右は右で憲法に「道徳」を書き込もうなどと言い始める。右も左も「憲法」とは何か一切知らないのである!こんな状態では「立憲主義」は成り立たない!! ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!うどん派?それともそば派?選挙権を18歳以上に引き下げる件をどう思う?人口減少は本当に悪い事なの?親に対して「うるせーなー」と言った7歳の息子は叱るべき?武道とダンスの必修化は必要?春画は藝術?それとも猥褻?…等々、よしりんの回答や如何に!? ※著名なる言論人の方々の立派な御意見を思いっきり褒めそやす「御意見拝聴・よいしょでいこう!」。 今回からは新シリーズ!今年上半期の流行が「ラッスンゴレライ」なら、下半期は「SEALDs」!扱えるうちに扱っておかなければもったいない!ということで時代の一発屋…もとい、時代の寵児・SEALDsと高橋源一郎氏の御本『民主主義ってなんだ?』を紐解いて参ります!さぁ、民主主義について教えて頂きましょう!! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第149回「憲法に理想や道徳は要らない」 2. しゃべらせてクリ!・第113回「貧ぼっちゃま!こりが格差社会ぶぁ~い!の巻〈後編〉」 3. 御意見拝聴・よいしょでいこう!・第8回「『民主主義ってなんだ?』①結局、民主主義ってそれか?」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第149回「憲法に理想や道徳は要らない」  それにしても、「憲法9条」がノーベル平和賞をとらなくて本当によかった。  チュニジアの民主化団体が受賞したのは、「アラブの春」がもたらしたシリアなどの惨状も顧みず、相変わらず中東の歴史・文化を無視して、民主化こそが至高の価値だと信じ切っている西洋の傲慢を感じさせられるので不愉快ではあるが、それでも憲法9条がとるよりはまだましである。  しかし、これからも毎年毎年、村上春樹のファンと憲法9条信者がから騒ぎするのを、この時期の風物詩としてながめなければならないのだろうか? そう思うと、なんだかうんざりする。 「憲法9条にノーベル平和賞を」というのは、神奈川県の38歳の主婦が2年前に思いつきで始めた運動だ。  彼女は20代でオーストラリアの大学に留学したとき、スーダンの難民から、小学生の時に両親を殺され、正確な年齢も知らずに育ったと聞き、平和や9条の大切さを実感したという。  おいおい、スーダンは憲法9条がないから内戦をやってるのか?  その後、二人の子供の母親となって「子どもはかわいい。戦争になったら世界中の子どもが泣く」と思ったが、子育てで家を空けられず、集会やデモには参加できないので、自宅でできることはないかと思って始めたのが、この運動なのだそうだ。  まずはインターネットで見つけたノーベル委員会に、英文で「日本国憲法、特に第9条に平和賞を授与して下さい」とメールを計7回送ったが、なしのつぶて。  そこで署名サイトを立ち上げ、集めた約1500人の署名を添えてノーベル委員会に送信すると、ノミネートの条件を記した返事が来たという。  それを読んで初めて、ノーベル平和賞の受賞者は人物か団体に限られ、「憲法」は受賞できないことや、「立候補」は受け付けておらず、国会議員や大学教授、平和研究所所長、過去の受賞者など、ノーベル委員会が依頼する推薦人によって候補者がノミネートされる仕組みであることを知ったそうだ。  それで、候補者を「憲法9条を保持している日本国民」にして、どっかの推薦人の協力をとりつけて、ノミネートにこぎつけたらしい。  なんだかツッコミどころ満載の話で、この異常な「ノーベル賞信仰」にもひとこと言いたくなるが、ここで問題にしたいのは、この主婦が憲法9条にノーベル平和賞を受賞させたいと思った理由だ。  彼女は2012年の平和賞を欧州連合(EU)が受賞したのを見て、 「EUには問題もあるが、ノーベル平和賞は、理想に向かって頑張っている人たちを応援する意味もあるんだ。日本も9条の理想を実現できているとは言えないが、9条は受賞する価値がある」 と考えたのだそうだ。  憲法9条信者は全員、このように 「9条には、人類の理想が書かれている」 と思っているのだろう。   そもそも、これが根本的な間違いなのである。   憲法は、「理想」を記すものではない!!   憲法は、国民が権力を縛る「道具」にすぎない。 道具に「理想」を込めてどうなるんだ? 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!