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日本MMAが日本柔道から学ぶべきもの…「もっとミックスドマーシャルアーツしろ!」/中井祐樹インタビュー
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日本MMAが日本柔道から学ぶべきもの…「もっとミックスドマーシャルアーツしろ!」/中井祐樹インタビュー

2016-09-21 14:01
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Dropkickチャンネルで日記を連載中の中井祐樹先生がリオ五輪の日本柔道大躍進からジャパニーズMMAの今後を占う! シューティング創成期、佐山サトルに地獄の合宿をリクエストするほど、強さに拘った男の直言に耳を傾けろ!




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――中井先生は『本当の強さとは何か』刊行記念トークショーの際に「柔道日本代表はけっこうメダルを獲ると思う」と予想していたそうですね。前回のロンドン五輪では金メダルは1個で終わりましたけど、今回は金3個を含む計12個。中井先生はどこに日本柔道復活の可能性を感じていたんですか?

中井 日大の金野潤先生(取材後に柔道強化委員長就任が発表)と柔道と柔術の合同練習会で動いていたときに、率直な話をする機会があったんですが、トップ選手たちはいまのルールに対応した独自の柔道をうまくやっているってポロって言われてたんです。日本柔道って、相手の足を触ることが禁止になった新ルールで苦戦してるという印象が強いじゃないですか。柔道の国際化により「柔道が柔道じゃなくなった」という論調も多いですし。

――「柔道がJUDOになってしまった」という嘆きもありますね。

中井 新ルールだと実力が上の相手に対抗することがなかなか難しくなってきたんですよ。個人的には「柔道が柔道でなくなってしまった」とまでは言わないですけども、工夫して勝つことが難しくなってきてるなあとは思っていて。でも、金野先生の話を聞くかぎり、日本の選手たちはいまのルールの中で自分たちの柔道をクリエイトしてると思ったんです。

――だからメダルラッシュを予想できたんですね。金野先生は中井先生とも交流を図ったり、柔道以外の格闘技にも研究熱心なんですよね。

中井 金野先生は「柔道がブラジリアン柔術(以下BJJ)と交流することで何かを掴んでほしい」と言ってましたね。何かを掴んでほしいというのは幅の面です。ボクが思うに、BJJを習ったから柔道が強くなるというのは基本的に幻想だと思ってるんです。

――柔術を習っても柔道が強くならないと?

中井 はい。BJJも想像以上に柔道に影響を与えたとは思うんですけど、それでもメインにはなりえないです。むしろ補完するものだと思ってます。

――補完することが「幅を広げる」ということなんですね。

中井 これは常に言ってることなんですけど、柔道の強い抑え込みに繋がるものはBJJのメインではないですから。BJJは上下を入れ替える技術や、バックを取る技術が特徴的ですけど、それって柔道ではあまり価値がないんですよ。だから、そのまま柔術の技術を取り入れてもうまくはいかないってことは事実としてある。それは柔道からボクに指導の依頼がきたときに必ず伝えてるんです。

――柔道方面から指導の依頼は頻繁にあるんですか?

中井 来ますね。来週は高校の柔道部に行ってきますし、中学や大学の柔道部にもチョコチョコと指導してます。強いところから、そうでもないところまで(笑)。ただし、呼ばれるのはボクと青木真也くらいじゃないですかね。あと植松直哉や大賀幹夫。

――リオ五輪の柔道では寝技の時間が長くなってましたけど、以前より寝技が重要視されてるところもあるんですね。

中井 ここ数年、寝技の時間は長くなってるんですよね。それにはいろんな説があります。本当のことはわかりませんけど、BJJを取り込もうとしてる……とか。BJJの人気が柔道を食わんばかりになってるという意識も多少あるから、こっちに取り込んでしまおうという。「柔道でこんなに寝技ができるなら柔道でいいじゃん」ってことですよね。あるいは寝技に視聴者のニーズがあるとか言われてますが……本当のところはわかりません。 

――以前よりBJJが柔道の視界に入ってることはたしかなんですね。

中井 漏れ伝わってくる話によれば、警戒ではないですけど、相当視野に入ってるらしいとは聞いてるんです。だから私のところにもオファーがあるんでしょうし。あ、勘違いしないでほしいのは、指導の依頼は全柔連からは来てないんですよ。今回のオリンピックに向けて、全柔連が積極的に組んでいたのはサンボ連盟のほうなので。

――中井先生の日記でもそう書かれてましたね。

中井 全柔連がサンボの合宿に行ったり、サンボの松本秀彦先生が全柔連の強化合宿に呼ばれたと聞いてますね。よく柔道がBJJの影響を……という書き方をされますけど、ぶっちゃけサンボのほうなんですよね。でも、あまり記事にならないからFacebookのサンボ人脈たちが「BJJというよりサンボなんだけどなあ……」ってボヤいてますし(笑)。

――ボヤくサンボ人脈(笑)。

中井 どうしても書き手によって「BJJと柔道が……」というストーリーができちゃってるかな、と。たしかに局所で柔道とBJJの交流はありますよ。ウチにも柔道のトップ選手が練習に来たりしますから。

――以前の交流はどうだったんですか?

中井 なかったわけではないですね。私も現役のときには大学の柔道部に練習に行ったりしてましたし。でも、それもあくまで局所なんです。たしかに柔道家が柔術をやるケースは増えてるかもしれないですけど、ごく僅かな数で。とはいっても、世界的には各国の柔道のトップ選手がMMAファイターたちと一緒に練習してるのも事実なんですよ。ニュージーランドのオリンピック候補選手がある人の紹介でウチにも来たことがあります。その選手がオリンピックに出たかどうかは確認できてないですけど、柔術は青帯。やった感じは柔道家らしいガッチリとした柔術。日本に住んでいたら紫か茶くらいかもな……って実力で。普段は「UFCファイターと練習してる」って言ってましたね。

――UFCファイターと!

中井 それがあたりまえの光景になってるんですよ。そういうところからも、柔道側の格闘技の見方が変わってきてることを感じますよね。

――いろいろと取り組んでいこう!と。柔道日本代表は沖縄角力(おきなわ・すもう)から学んでいたそうが、中井先生のジムからも沖縄角力の大会に選手を派遣してるそうですね。

中井 沖縄角力自体に詳しいわけではないんですけど、サンボ人脈からその存在を聞いていたんです。サンボって総合格闘技的なところがあるので、モンゴル相撲や沖縄角力などのアプローチが盛んだったんですよ。そういう繋がりから、パレストラ東京は2000年前後から沖縄角力に選手を出していて。

――年に一度、鶴見で沖縄角力の大会が開催されてるそうですね。

中井 鶴見の大会は大正時代からやってるみたいです。今年で第72回と銘打たれてますけど、それも適当らしいんですよね。おじいちゃんたちが運営してるのでちゃんとカウントしてないし、ウェブにも情報が出てないんですね。

――神秘の格闘技ですね(笑)。

中井 総合のジムで沖縄角力に出てるのはウチくらいなんですけど、それも「なんだかなあ……」って首を傾げてるんですよ。「そんなことで大丈夫ですか、格闘技界の皆さん?」って。こういうことを言うと「中井さんはああいうエスニックなものが好きなんでしょ」という認識だと思うんですけどね。

――マニアックな格闘技が好きなだけじゃないか、と。

中井 だから冷たい反応しかないんでしょうけど。ボクが沖縄角力に選手を出しているのは、レスリングや柔道に選手を出すことと変わらないんです。

――他競技から何かを学ぶというの一環なんですね。

中井 ボクはその前提なんですけど、総合のジムで柔道やレスリングにすら選手を出さないところもある。柔道の大会に選手を出してるのはウチくらいですよ。レスリングは最近は他のジムからちょこちょこ出るようになったんですけど、興味を持たないのはなんとなくわかります。たとえばBJJをやっちゃうと、そこはオアシスですから。BJJは弱者を守るルールだし、ガードポジション保護法案だし(笑)。 

――ガードポジション保護法案(笑)。

中井 BJJって立技を1秒でもやりたくない人たちにとってはオアシスなんですよね。オアシスなんでBJJしかできなくなる。BJJは素晴らしいスポーツだし、ボクも推進者ではあるから間違いないんだけど……。格闘技で本当に強くなろうとか、世界に勝とうと思ってる人たちもみーんなBJJの世界に入ってきちゃうんですよねぇ。

――そこだけに留まってはいけないということですか。

中井 BJJ自体はこのまま進めば間違いないんですけど、あまりの他競技への関心のなさにビックリしてるんです。それはBJJだけじゃなくて総合格闘技も同じですよね。口では「レスリングが大事だ」とは言うんですよ。だけど、ジムの生徒にレスリングの大会に出ることを薦めてもないでしょ。柔道をやることに総合とのつながりがあることさえ気づいてないんですよ。
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日本の全柔術家が読むべきインタビューですね

No.1 92ヶ月前
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