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ファイターに「もう引退したほうがいい」と伝えるべき瞬間…■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
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ファイターに「もう引退したほうがいい」と伝えるべき瞬間…■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

2017-11-07 12:36

    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるDropkickニコ生配信コーナー。深くてタメになるトークを活字でもお届けします!(10月に配信された一部を加筆編集したものです)。

    今回のテーマは計量失敗、ドーピング、打たれ弱くなった選手……競技安全面について!





    ――パンクラスの計量が世界的に騒ぎになったそうですね。

    いったい何が起きているのか? パンクラス計量シーンに米MMA記者が猛然と激怒!■MMA Unleashed

    シュウ 世界中のジャーナリストが文句を言ってましたね。

    ――ところが国内では無風だったんですよ。

    シュウ そこは意識の持ち方が違いますよね。いまは世界的にMMAをスポーツとして認知させようという動きが強くなってますし、変なことをやるとスポンサーからソッポを向かれるからなんでしょうね。

    ――パンクラスの試合はUFC.tvでも放映されてるから、MMA全体の問題として捉えられてるところもあるんでしょうね。

    シュウ 廣田(瑞人)選手が先日のUFC日本大会で欠場になったケースがあったじゃないですか。計量のときにフラフラしてたことが主な理由で。

    ――シュウさんから廣田選手欠場の話を聞いていたので、パンクラスの計量のフラつきを見たときに「このまま出場させるのはヤバイんじゃないかな」と不安だったんですが……。

    シュウ もうプロモーターの意識を変えなきゃいけない時代ですよね。どうしても無理して試合をさせようとするじゃないですか。計量オーバーだったらダメってことにしないと、計量失敗した選手が勝てばノーコンテスト、負ければ試合成立というおかしなルールになりますし。選手がチケットを手売りしているから試合がないと払い戻さないといけないとか、いろいろと問題が出てくるのはわかるんですけども。

    ――海外選手の場合は渡航費もかかりますし……。

    シュウ 何十万もかけて選手を呼んできてることはわかるですけども、それもすべてのリスクとして捉えないといけないですよね。

    ――安全面でいうと、シュウさんはマネジメントの立場から、引退を勧めた選手っていますか?

    シュウ それはあります。ボクの中で比重を置くのはダメージなんですよ。頭部の打撃でKOすることが多くなって、打たれ弱くなったら「やめたほうがいい」って言いますね。『戦極』で奥野(“轟天”泰舗)選手にKOされたニック・トンプソンという選手がいましたけど、彼にはすぐに言いましたね。「これ以上試合をやったら第2の人生に影響が出てくるから」って。ニック・トンプソンはちょっとかすった程度でも倒れちゃうようになってしまってましたし。

    ――ダメージの蓄積が目に見えていたんですね。

    シュウ こないだパンクラスで日沖(発)選手の試合があったじゃないですか。

    ――高谷(裕之)に1ラウンドTKOという結果でした。

    シュウ 日沖選手はその前の試合(田中半蔵)でも衝撃的なKO負けをしてたんです。頭部におもいきりパンチをもらって、おもいきり倒れて、そのまま担架で運ばれて。その試合のあとにストライカーの高谷選手との試合が組まれたので「これは危ないと思うよ」と周囲には言ってたんですね。日沖選手本人に悪いから事前には言ってなかったですけど。

    ――なかなか言いづらいですよねぇ。

    シュウ 前のKO負けから4ヵ月ちょいの試合。アメリカだと頭部打撃のKO負けは90〜120日間の出場停止ですから、期間は置いたとは言えるんですが、あんな倒れ方をしたら1年間は試合をしないで休養したほうがいいんじゃないかなって個人的に思うんですよ。それに、多くのコミッションの場合は、120日間置いても、頭部へのMRI/MRA検査をして問題ないかの確認が必要になるんです。

    ――日沖選手の場合も、もうちょっと休養したほうがいいんじゃないか、と。

    シュウ でも、そこも判断は難しいんですよね。私がマネジメントしている水垣(偉弥)選手がUFCでドミニク・クルーズにやらてれて、コーディ・ガーブラントやエディ・ワインランドにもKO負けしたじゃないですか。いずれも頭部への打撃だったんですけど、ワインランド戦のときに水垣選手本人が言っていたのは「殴られたときにピカッと光った」と。

    ――……ゾッとしますね。

    シュウ 光った瞬間に完全に意識を失っていて、気がついたら目の前にドクターがいる。水垣選手はこの前のロシアの試合でも殴られて負けたんですど、少なくとも光ることはなかったと。最後まで意識はあったんですけど、ガンと食らって意識を失うのが一番よくないんですよ。

    ――あたりまえですけど、殴られて意識を失うってよっぽどのことですよね……。

    シュウ 水垣選手UFC最後の試合なったワインランド戦から9ヵ月空けてロシアの試合だったんですね。ロシアで試合後に長々と話したんですけど、ワインラインドのときと同じような負け方だったら「もうやめたほうがいい」と言うつもりでした。何度もガーンと倒れて負けた選手で、そのあと復活した選手はなかなかいないですから。



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