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中井祐樹先生の新連載企画!! そのときどきの事件やニュースを中井先生の格闘技観を通して解説していきます! 今回のテーマは日本人の特性を活かす格闘技とは何か――?
格闘技は世間とどう向きあえばいいのか
――中井先生はイギリスまでブラジリアン柔術の指導に行かれてたんですね。
中井 はい。イギリスは初めてですが、ヨーロッパ自体が初めてで。どれだけブラジルばっか行っていたかってことですけど(笑)。ボクが選手の頃はMMAは世界に広まっていなかったし、柔術のヨーロッパ選手権が行われたのは、私が現役を退いたあとだったので。いまはヨーロッパにも柔術は浸透していて。フランスは柔道が盛んで、月謝が高めの柔術は流行らないと聞きますね。(ダビド・)ドゥイエが無料で教えちゃうから。
――お金を払わなくても習えるものなんですね。今回はどういう経緯でイギリスに行かれたんですか?
中井 イギリスにダニエル・ケネントさんという空手家の方がいるんですけども、来日するたびに私のプライベートレッスンを受けていたんですね。その流れでイギリスに招聘していただきまして。
――イギリスにもブラジリアン柔術が広がっているんですよね?
中井 かなり盛んですね。最近はポラリス(グラップリングイベント)がイギリスで開催していて、宇野(薫)選手や今成(正和)選手が試合をしてます。イギリス開催はスポンサーの方が居住している関係なのかもしれませんけど。グレイシーバッハとか柔術スクールも現地にはあるんです。
――それなのに、わざわざ日本から招聘されたんですね。
中井 空手家の方に呼んでもらえるのがボクらしいというか(笑)。ダニエルさんも向こうで空手道場を持っていて、格闘技界の人脈から5ヵ所くらい回りましたね。サウサンプトン、ボーンマス、キャンベリー、ベイジングストーク。ロンドン近郊……ではないかな。
――なかなか行く機会はない場所という。
中井 味わい深い土地でしたね(笑)。イギリスといえば、谷幸雄が柔術を広めて、あの名探偵シャーロック・ホームズもやっていたと書かれていたわけですね(笑)。
――ホームズは「バリツ」という格闘術を身に付けていたとされていますね(笑)。
中井 1900年台初頭にイギリスで柔術ブームが起きてるわけですよね。あとは、なんといっても佐山先生がタイガーマスクに変身する前に過ごした場所ですからね。
――いまだ語り継がれるサミー・リーとマーク・ロコの抗争!
中井 プロレスファンとしては、スネークピット(ビリー・ライレージム)があったウィガンという街も調べてはいたんですけど、ちょっと遠かったんで行けなかったんです。向こうの人間に「ウィガンは日本人にとって心の故郷なんだ」と伝えたら、イギリス人からすると「そんな街を知ってるのか?」と。ウィガンはイギリスでは名も無き街なので。
――じゃあスネークピットを知ってる人は……。
中井 それがじつはいたんですよ。ボーンマスでのセミナーはイッポンジムというジムでやったんです。そこはジェフ・ローソンという日本で試合をしたこともある方のジムで。戦極で日沖発選手と戦ったことがあるのかな。柔道家出身で勝利のほとんどが一本勝ちだからイッポンジムという名前になったそうです。そこでのセミナー終わりでパブに行ったら、参加したひとりがウィガン出身で「スネークピットは有名だよ」って。
――おお!
中井 顔つきはいかにもウィガン男というゴツさを感じましたね(笑)。
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