「世界一のジャブを持つ男」「立ち力世界一」を声高に叫ぶお騒がせ元格闘家・松本晃市郎。現在はお笑い芸人とフィットネス格闘ジム『Honey Trap』運営の二足のわらじを履いているが、さらにもうひとつの顔があるという。もはやひとつの“競技”として成立する格ゲー(対戦型格闘ゲーム)の有名プレイヤーだというのだ……。

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松本さんは「世界一のジャブを持つ男」「立ち力世界一」という触れ込みで格闘技界隈を騒がせていますが、じつは格ゲーも強いって本当ですか? 
松本 そうなんですよ!! ゲーム業界ではけっこう有名で「ジョビン」という名前でゲーム版のウィキペディアもあるんです。でも、格ゲーの取材を受けたことがないんで今回はメッチャ嬉しんですよね~。そこはもっとフィーチャーされたいところなんで。
――ビッグマウスじゃなく真実だ、と。何かタイトル歴はあるんですか?
松本 『TOPANGA』というリーグ戦を開催しているところが団体戦をやったんですよ。『TOPANGAチャリティーカップ』。そこで2位になりましたね。
――へえ~。それはどれくらいの凄さなんですか?
松本 けっこう凄いと思いますよ。ただボクは全試合を負けて、ほかのメンバーが勝ちまくったんですけど。
――微妙なタイトル歴じゃないですか!(笑)。
松本 いや、タイトル歴にウソではないんで一生、自慢し続けますよ!(笑)。あと『ストリートファイター』シリーズにリュウというキャラクターがいるんですけど。
――「昇竜拳!」や「波動拳!!」でおなじみのリュウですね。
松本 そのリュウ同士の対決は日本で2番目くらいに強いんですよお!
――日本で2番目! ホントですかあ?
松本 ホントですよ! とにかくリュウ戦だけは自信があって。ほかのキャラクターはぜんぜん研究してないんですけど。あ、これは声を大にして言いたんですけど、ボクはいま『ストリートファイター4』をやるときは家庭用で酒を飲みながらなんですよ。いまは家にいながら全世界のプレイヤーと通信対戦できるんですけど、凄く酔ってフラフラの状態でやってるから「ジョビンのリュウは大したことない!」とかナメられてるかもしれないですけど、それは違うから!本当のジョビンはもっと強いからっ!!
――ここまでの話しぶりだと「格ゲー界の久保田武蔵」としか思えないですよ! ちなみにリュウ戦の1番強いのは誰なんですか?
松本 それはウメハラさんに決まってますよぉ! 
――あ、ウメハラさんの名前は知ってますよ。最強と呼ばれているプロゲーマーの方ですよね。
松本 ウメハラさんは格ゲー界のGSPです。神です、カリスマです!! そのウメハラさんと一緒に団体戦で2位になったんですよ。
――最強の用心棒がいたわけですかか(笑)。そのウメハラさんとリュウ対決をしたことあるんですか?
松本 たくさんありますよ。あるときまで、トータルで30戦くらいやって15勝15敗くらいの五分五分で、それは2ちゃんねるでも話題になったんですよ。
――あら、松本さん強いじゃないですか。
松本 で、連続で対戦することを業界用語で「ガチ」っていうんですけど。それを満を持してウメハラさんにお願いしたんです。そうしたら3勝17敗くらいで終わったんですよね……。
――完敗じゃないですか!(笑)。
松本 ウメハラさんはとにかく長期戦が強いんですよねぇ。だんだんと動きを読まれて何もできなくなるんですよ。ボクはこの「ガチ」を盛り上げるために「勝てる!」とかツイッターでさんざん煽っていたら、こんな結果で2ちゃんねるのウメハラスレッドでボロクソに言われたんですけど(笑)。
――格ゲー界でもお騒がせ男なんですか(笑)。そんな松本さんはいつ頃、格ゲーを始めたんですか?
松本 6年前くらいですかね。
――格闘技より遅いですし、格ゲー文化が確立されて以降なんですね。
松本 ボクが格ゲーにハマりだしたのは『スト4』が出てからなんですよ。どれくらいハマっていたかというと、試合前の計量後にゲーセンに行ってましたね(笑)。上のほうで試合をするようになってからはさすがにやめましたけど。
――そんなにハマってたんですか(笑)。比較は難しいですけど格闘家とゲーマーとしてはどっちが有名なんですかね?
松本 YouTubeにボクのベスト版みたいな動画があるんですけど。アメリカ人が作ったのかな。それの再生回数が5万を超えていてコメント欄もメッチャにぎわっていて。
――本当に有名なんですねぇ。ハマりだしたのはきっかけはあったんですか?
松本 その頃は格闘技だけで生活はできていたんですけど、何か趣味がほしいなと思ってて。ボク、一回ハマると追求しちゃうんですよ。それに格闘技と同じで各地に強い奴がいるんです。九州や名古屋にも有名なプレイヤーがいるし、東京にはさっきも言ったウメハラさんという別格がいて。そのウメハラさんに憧れて始めた感じですよね。最初はザンギエフというプロレスラーキャラを使っていたんですけど、ウメハラさんを真似てリュウを使うようになりましたし。それで日本2位くらいの強さです!
――もうわかりました(笑)。どうやって日本2位まで上り詰めたんですか?
松本 いろいろと調べたんですよ。そうしたら池袋のサファリという店が“聖地”と呼ばれていることがわかって。日本でいちばんサファリがレベルが高くて、そこに全国の猛者が集まるんですよ。
――いきなり“聖地”に乗り込んだわけですか。
松本 最初は格闘技と同じでボロボロにやられたんです。みんな強い人とはやりたがらなくて負けるとお金がかかるじゃないですか。でも、強い人と練習したかったんで。だから強い人がいると言われる東京中のゲーセンに出稽古に行ったし。
――毎日ゲーセンに通ってたんですか?
松本 足立区のジムで練習が終わったらバスで池袋まで行って。夜8時から終電近くまでやってましたね。当時は『スト4』の人気が凄かったんですよ。台は6~8台くらいで5~6人が順番待ちをしてて。
――上級者が集う“聖地”だけあって初心者は立ち入れない雰囲気なんですか?
松本 そうでしたねぇ。だんだんとそんな空気になりましたし、たとえば名古屋からサファリに強い奴が遠征に来たらそのニュースが流れてくるんですよ。もうそこは格闘技と同じで「誰々が出稽古に来てる!」みたいに(笑)。そういうときはゲーセンもいっぱい人が集まるんですよ。あるときなんて現在の“聖地”である新宿南口のタイトーステーションに……。
――(さえぎって)あ、いま“聖地”は変わってるんですか。格闘技でいうと、たまアリからMGMグランドに移ったみたいですね(笑)。
松本 そうなんです(笑)。やっぱり有名プレイヤーが通う店にみんな集まりますから。日本だけじゃなくてイギリスからライアン・ハートという有名プレイヤーが出稽古に来てたりして。
――リコ・ロドリゲスが留学していた昔の高田道場っぽいですね(笑)。<続きは会員ページへ……>