結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年1月22日 Vol.043
はじめに - センター試験と数学的帰納法
おはようございます。結城メルマガをいつもご愛読ありがとうございます。 寒い日が続きますが、お元気ですか。
大学のセンター試験が終了しましたね(2013年1月19日、20日)。 寒い中、受験なさった方はほんとうにおつかれさまでした。
今年のセンター試験での数学では、 初めて「数学的帰納法」が出題されたそうです(数学II・数学Bの第3問)。
◆大学入試センター試験問題と解答(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/edu/center-exam/
数学的帰納法は慣れないと難しい証明法ですけれど、 整数を扱う問題では(原理的には)必ず使わざるを得ない大切なものですね。 整数というものの本質に深く関わっている証明法だからです。 『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』でも、 数学的帰納法について解説しました。
◆『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』
http://www.hyuki.com/girl/goedel.html
数学的帰納法の考え方は、プログラミングをするときにも役に立つものです。 実際、結城が書いた『プログラマの数学』という本でも、 数学的帰納法についてプログラムで「繰り返し」を作る場面と合わせて 解説しています。
◆『プログラマの数学』
http://www.hyuki.com/math/
センター試験で出された問題そのものは、 誘導に素直に乗っていけばそれほど難しいものではありません。 マークシートですから、証明の記述をさせるわけではないのです。
ただし、数学的帰納法がどのようなものであるかまったく知らない人には 何を誘導させようとしているかがわからないため つらい問題だったかもしれませんね。
ともあれ、受験生さんたちは健康に留意して、 この時期を乗り切っていただきたいと思います。
それでは、結城メルマガを始めましょう。
目次
- はじめに - センター試験と数学的帰納法
- フロー・ライティング - コージーコーナーから始めよう
- 本を書く心がけ - ライターとエディター
- 数学文章作法 - 初校ゲラを読む
- 次回予告 - 手書きノートのスナップショット(9)