つい先日、久しぶりに実家に帰った時の話。
地元の友人達と酒を酌み交わしながら麻雀する機会がありました。

ちなみに友人達が麻雀をする頻度は年に1~2回程度だという。

友人「リーチ!!ねぇねえ?プロなら何待ちかわかるものなのでしょ?」

僕「そんなのわからんわー。それより早よツモって」

友人「えー?わかんないのぉ?プロのくせにぃ?」

僕「待ち牌が何かなんていちいち考えないよねー。それより早よ切って」

友人「じゃあ何を考えるの?捨て牌を読んだりしないの?」

僕「読むといっても待ち牌を当てることなんじゃないんだよねー。それより早よ・・」

友人「えー?1点読みとかできないのぉ??」

僕「うっさいわ!!まだ東場なのに、もう1時間過ぎとんのじゃ!早よ!」


・・・・こういうのはよーくある会話ですね。
今回はこのような「読み」に対する誤解を解くためにコラムを書きたいと思います。

ここに8個のシュークリームがあります。

内7個は、ふつうのシュークリーム。これが「当たり」
内1個は、わさびがたっぷり入ったシュークリーム。これが「ハズレ」です。

8人でそれぞれ1個ずつ食べましょう。
じゃあみんなそれぞれ1個ずつ手にとって――あっ!まだ食べちゃダメですよっ。

この瞬間「ハズレ」を食べる人はもう決まっているのです。
でもどれが「ハズレ」かは、誰かがそれを食べてみなければわかりません。

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シュレーディンガーの猫」に習って「木原浩一のシュークリーム」としましょう。

みんなそれぞれ1個ずつ手にとって――

この瞬間「
ハズレ」を食べる人は既に決まっているのに
観測、つまり実際に食べる前は全員に「ハズレ」を食べる可能性がある状態です。

「当たり」:「ハズレ」=7:1

の重なり合った状態です。わかりますか?

シュークリームを右側の人から順番に食べてみましょうか。
最初の1人が食べました。「うん!おいしぃ♪」どうやら「当たり」のようですね。

この時点で次の人が「ハズレ」を食べてしまう確率は1/7です。

「ハズレ」を食べる人はもう決まっているのに
他の人が「当たり」を食べるたびに「ハズレ」を食べる確率が高まります。

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リーチが入りました。リーチが入った瞬間、待ち牌は既に決まっています。(牌図A)
でも何が当たり牌かは、リーチ者の牌姿を観測するまでわかりません。

「当り」=放銃しない。

「ハズレ」=放銃する。

この場合はそういうことですね。

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放銃する牌はもう決まっているのに、新しく「当り」の牌が場に捨てられるたび
例えばこの浮き牌の二筒が「ハズレ」である確率が徐々に高まっているといえましょう。

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更に「ハズレ」の確率が高まった状態でこのテンパイ。
これをアガリに向かうのなら、テンパイを外したほうが有利です。

では仮に三筒から外すとしましょう。
三筒が通ったとしたら
二筒が「ハズレ」である可能性がまた更に高まることになります。

(牌図A)の段階の二筒と比べてどうでしょう?
放銃抽選確率が格段に高まっているということがわかるかと思います。

これが18分の1理論の考え方です。

一萬四萬 四萬七萬 二萬五萬 五萬八萬 三萬六萬 六萬九萬

一筒四筒 四筒七筒 二筒五筒 五筒八筒 三筒六筒 六筒九筒

一索四索 四索七索 二索五索 五索八索 三索六索 六索九索

分母の18は上記無筋の本数です。

今まで通っている本数と、これから切ろうとする牌との兼ね合いで押し引きを判断すること、
今の放銃抽選確率に自分の期待収支が見合うかどうかを見極めること。

待ち牌を当てるのではなく、
放銃抽選確率を考える

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18分の1理論 通称 黒ひげ危機一髪理論です。

ナイフを刺せば刺すほど、次のナイフで黒ひげは飛び出しやすくなります。
リーチに対して無筋を通せば通すほど、次の無筋で放銃しやすくなるのです。

待ち当ての技術ではなく、安全度を比較する技術。
そういうこと
が「読み」というのではないでしょうか?