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むしマガ Vol.390【エピジェネティクスで犯罪者予備軍を予測できるか】
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むしマガ Vol.390【エピジェネティクスで犯罪者予備軍を予測できるか】

2017-06-19 14:30

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     こんばんは。月曜日のむしマガをお届けします。ようやく本来の発行スケジュールに追いついてきました。

    ・ヒアリ再発見

     攻撃的な外来種アリが日本で初確認されたことを前号で触れましたが、初確認された神戸港にてさらに100匹ほどが路上で確認されたとのこと。


     これ、やっぱり初発見されたところから逃げ出たやつなんでしょうかね。神戸あたりにすでに定着しているようだと、そこから一気に本州に広まる可能性もあります。東北以北は寒いから定着しないかもしれないけれど。

     ヒアリが日本にとっても脅威となりつつあり、ちょっと本でも読んでみようかなーとチェックしたら、『ヒアリの生物学』というドンピシャな書籍を発見。


     しかし売切れていて、本来の定価が2800円に対して中古本が5000円、新品だと10000円という
    プレミアムがついている。なんてこった。

     しかしそれ以上に驚いたのは、著者が東正剛さんということ。僕の大学院時代の恩師です。9年も前に、ヒアリの侵入防御について問題意識をテーマにした本を書いていたとは。これを出した出版社もえらい。けれどもっとアマゾンに在庫を入れるべきでは。もっとガツガツしてもよいのでは。

     ということで出版社に直接問い合わせて購入することにしました。もし興味のある方がいれば、出版社のメールアドレス kaiyusha@cup.ocn.ne.jp に 連絡してみてください。不当にプレミアムのついた本を買わずに済みます。

    ・個人を株式会社のように

     ちょっと前にリリースされたValuというサービスが面白い。個人を株式会社に見立てて、擬似的な株式発行や投資ができるというもの。


     個人の価値をSNSのフォロワー数などで数値化し、それが時価総額としてビットコインの額に反映されるというもの。評価経済ここに極まれり、という面白い試みではある。

     登録している個人は自分の株式ならぬ「Valu」を売り出すことで収益を上げることができる。Valuの価格は時間によって変動するため、買った方は儲かったり損したりする。

     しかし株式会社と違い、Valuを発行する個人は株主に対してとくに見返りをする義務はない。つまり、発行者には損はなく得しかない。実際に、Valuを売り出して1000万円を獲得した発行者もいる。

     ただ、出来高(Valuの流動性)はそんなに高くないと思われるので、Valuを買った人は売ることができずに損にしかならないかもしれない。なので、損をした人からの恨みが渦巻くネガティブなサービスになりかねない危険性も大きい。

     いずれにしても思い切った試みではあるので、失敗しても次に繋がりそうなサービスだと思いました。自分も一応登録してみたけれど、Valuの発行はとりあえずしないつもり。

     さて、今号のコラムでは人間の問題行動をエピジェネティクスから予想できるかを検証した研究について紹介します。

    ★むしコラム「エピジェネティクスで犯罪者予備軍を予測できるか」

     犯罪者は、被害者や被害者の関係者に肉体的および精神的な苦痛を与えるだけでなく、刑務所や警察のリソースを消費したり、経済活動が阻害されるなど、社会全体がコストを払う。犯罪者が多くなるほどこのコストがかさむため、犯罪の防止は重要かつ恒久的なテーマの一つだ。

     小さい頃から問題行動(けんかや窃盗)を起こす子どもは、大人になってから薬物使用などを含む反社会的な行動を繰り返し起こしたり、精神疾患にかかるリスクが高まることが知られている。そして、そのような子どもは、出生前に母親がアルコール摂取や喫煙をしていたり、ストレスを受けていたり、精神疾患にかかっていた傾向にある。

     そのような子どもを問題行動を起こす前に特定できれば、特別な教育プログラムなど何かしらの介入によって犯罪率を抑制することができるかもしれない。ただし、これは差別にもつながりかねなく倫理的にやや問題を孕む考え方だが、いずれにしてこの傾向を生物学的に検証することは長期的なメリットがあるだろう。
     
     今回、イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンの研究グループは、将来に問題行動を起こすかどうかを、幼少期のDNA上の修飾、つまりエピジェネティックな変化で説明できるか検証した。

     エピジェネティクスとはDNAの塩基配列の変化によらない、遺伝子の発現をコントロールする仕組みを研究する分野のことだ。

     たとえばある遺伝子について、AさんとBさんともに塩基配列が同じだったとする。しかし、DNAの修飾のされ方はAさんとBさんで異なり、Aさんではこの遺伝子が発現して目的のタンパク質が作られるのに対し、Bさんでは作られないこともある。同じ本でも持ち主によって読まれたり読まれなかったりするのと同じ。かもしれない。

     いずれにしても、これが、エピジェネティックな違いである。具体的には、DNAの特定の部分、たとえば塩基配列がCGとなっているような場所にはメチル化が起きていることが多く、メチル化のある近傍の遺伝子は発現が抑制されたりする。

     今回の研究では 
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