「努力」はオワコン、代わりに「やり抜く技術」を学ぶ社会に(その8)/「広島訪問」というスモールステップ  のつづきです。


 「やり抜く力」の一つ「スモールステップ法」について、その効果を見ています。ここまで「子供が夢を実現する」「三日坊主がなくなる」を紹介しました。

 大きな課題に取り組む必須手段

 前回オバマ大統領の広島訪問を取り上げたように、大きな課題に取り組むには、小さなステップに分解となければなりません。

 ですから、大きな課題を上手に小さなステップに分解できる能力は重要な「やり抜く力」です。

 たとえば、ラピッドプロトタイピング。とりあえずちゃちゃっと作ってみて、試してみるという手法が有名です。アプリだけに限りません。

 たとえばリーンスタートアッブ。地方の交通弱者対策に取り組んでいるとして、とにかく1台で始めてみて、地域にうまくあいそうか試して、問題点を洗い出すことから始められます。

 現在私たちを取り巻く様々な課題は、簡単には解けません。簡単に解けるものはとっくに解かれているからです。たとえば政府の政策一つで解決するなんておいしい話はなかなかありません。問題の起きている場所で、小さく検証しながら最適な解を探っていかなければなりません。

 違う言い方をすれば、「解けそうな小さな問題」を自ら切り出し取り組む力と言えます。つまり「解けそうな問題を選ぶ力」との複合した能力なのです。

 この能力については、学校や家庭で大いに支援することができます。かなり技術的な力だからです。子供達に、結果の出る課題を与えること。また子供達が大きな目標を持って動こうとしているとき、うまく小さな目標に誘導して、その目標を達成させることです。そういった成功体験を積むことで、子供達はスモールステップに分解して取り組むことにモチベーションが働くようになり、着実に結果を積み上げることができるようになるでしょう。

 この取り組みは、結果的に子供達に「解けそうな問題を選ぶ力」を育むことになります。

 「やり抜く力」は、超人的な力のように見え、学校で鍛えることが難しいように見えますが、このように冷静に分析することでとっかかりができてくるのです。

(つづく)

《ワンポイントミライ》(

ミライ: 偉業をやり抜いた有名人たちの「やり抜く力」って、すごすぎて常人には真似できないんじゃないかと感じますけど、こうやって見ていくと、なんとかなりそうですね!

フツクロウ: ホウじゃ、ホウじゃ。少なくとも全員が尋常ならざる「やり抜く力」を持つ必要はない。ほどほどの「やり抜く力」があれば、身の回りの小さな社会問題をどんどん解決していくことが可能じゃ。