いつもとちょっと違う水曜、今回は短い六葉未来点(?)[S]*六*です。
ミライ: 10月という節目で、ちらちらと「退職しました」エントリーが流れてましたね。
フツクロウ: ホウじゃな。すっかり当たり前になったの。
ミライ: なんか、あっという間に定着した感じでしたよね〜。
フツクロウ: 人材の流動化が必要とか偉い人の間で議論とかされてたが、IT業界では外から対策しなくても、人材自身がそれを促していったの。
ミライ: この記事にあるように、
「○○を退職しました」ブログが多数まとめられる
「退職しました」エントリーの多くは、
「その会社で成長した部分・良かったこと」を挙げ、さらには古巣に感謝したうえで「でも、次に進むためには必要なステップだった」というような構成になっている。ですね。
フツクロウ: ホウじゃ。元の会社に感謝しつつ、転職を肯定的に語っている。このようなエントリーが増えることで、「あ、転職してもいいんだ」というのが、IT業界の人に広がって、さらに転職が広がる。その人がまた「退職しました」エントリーを書いて、さらに転職が普通になるという循環が起こったの。
ミライ: 「もう『移籍』って言おう」なんて声もありますしね。
フツクロウ: ホじゃな。ただ、この「退職しました」エントリが流行るのには、もっと切実な理由があるぞ。
ミライ: そうなんですか。
フツクロウ: 退職は、可能な限り円満でないといかんしの。それはアメリカのシリコンバレーもそうじゃ。会社も社員もきちんとしておかないと、狭い世界じゃのちのちややこしくなる。
ミライ: なるほど。
フツクロウ: 「退職しました」エントリを残すことで、これは円満退社ですという証拠を残すことになる。個々によっては、実際はいろんな問題があったものもあるかもしれんが、それでもきちんと肯定的なストーリーを整えておくことが必要で、「退職しました」エントリはその便利な手段の一つなんじゃな。
ミライ: そうですね。書かれちゃうと、なかなか否定できないですもんね。
フツクロウ: 見事なやり方と言えよう。それだけに、はやるんじゃろうて。ということで、人材、もっと流動しなきゃ!って社会が感じ始めたら、社会が柔軟にその仕組みを作ってしまったという例じゃな。政府が対策とかでなく。
ミライ: したたかですね〜。
フツクロウ: しかも、こうやって流動化が起こったから、都会が中心とはいえ日本中に人材ネットワークができた。アメリカのシリコンバレーのように、一カ所に集まらなくてもできた。これで、どこかで何かが起こったら、必要なところへさぁーっと伝搬することじゃろう。日本にシリコンバレーはないが、そろそろシリコンバレーに匹敵する何かが起こるかもしらんぞ!
ミライ: わあ。なるほど、日本版グーグルは、「退職しました」エントリーから生まれるかもしれないんですね。