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無数のイノベーションが出てくる仕組み
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無数のイノベーションが出てくる仕組み

2015-03-10 03:00

     まさに未来の普通。イノベーションはこうやってやるんだよというお手本のようなイノベーションレポートを最近拝見しました。
     
     思いつきで作った段ボール製ベッドを自治体に売り込んだ|たちこぎライダー

     災害時の避難所で床の上にござではなく、せめて段ボールのベッドで寝られるようにできないかと、個人であるたちこぎライダーさんが開発、自治体に売り込んで、制作会社と自治体の契約まで進んだというレポートです。

     こういうイノベーションが無数に必要

     最近社会の景気がいつまでたってもいまいちぱっとしないのは、イノベーションの絶対量が決定的に不足いているからです。生命活動に関わるような基本的な衣食住は大量生産時代が訪れたことで豊かになりました。そういう部分は、人間共通ですから、画一的な大量生産ものが効果的でした。

     しかし、その部分が満たされると、人々はより自分らしい生活を追求できるようになります。そのためには人々それぞれが追求しようとする小さなニーズを満たすために無数のイノベーションが必要になります。今までの大企業の大きなイノベーションでは足りませんし、中小企業を含めた企業すべてが作り出すイノベーションでもまだ数は足りません。もっともっと必要なのです。

     ですからこの段ボールベッドのように、個人もどんどんイノベーションを企てる必要があります。

     個人のイノベーションが増えるにはどうすればいいか。段ボールベッドイノベーションを分析するとそれがとてもよく見て取れます。

     余力でやる

     本職はライターなどであるたちこぎライダーさんは、ご自身の普段の活動の合間に、いわば趣味のようなものとしてやっています。

     これがまずとても大事で、なぜならイノベーションの裏には無数の失敗があるからです。この段ボールベッドは成功しましたが、読めばわかるように、結果を出せない可能性も大いにありました。

     この人以外にも同様の試みをしている人は大勢いるかもしれません。レポートにも製品化されているものが紹介されていましたが、高価でガムテープも必要と問題点が指摘されています。

     イノベーションを起こすのにもっとも必要なことは数です。数を打ちまくることでイノベーションが起こります。ですから、なにかを試すには余力でやるのが一番です。これが失敗したらやばい、というやり方はあまり好ましくありません。なぜなら大抵失敗するからです。

     なんでもできる

     IT技術の発達や、いろんなインフラが整ってきていることで、昔は個人ではできなかったようなことがどんどんできるようになってきています。「できる」というのは、費用もそんなにかからなくなってきているということも含めてです。
     ですからニコニコ動画なんかでもどんどん野生の研究者が様々なモノを作って発表していますし、その活動はニコニコ学会という学会まで生み出しています。

     誰でもなにか思いついたら、どんどんやりましょう。前項の「余力でやる」というのにも関係しますが、お金の面でもあまり無理をしないでできるのがよいです。それであれば、そういう試みを好きなだけすることができます。

     たちこぎライダーさんもお菓子の箱でプロトタイピングして、段ボール会社に相談して、個人でもそんなに負担にならない額で試作品を作りあげています。

     棚上げは問題無い

     そのレポートの興味深いところは次です。いろいろ売り込むなど、そのときできる範囲で手を尽くしたものの、すぐには結果が出なかったということです。
     
     そこで、たちこぎライダーさんは無理をせず一旦棚上げにします。

     それでいいのです。

     余力でやっていて、数も打ってて、お金も無理のない範囲であれば、やるだけやって行き詰ればそのまま棚上げにしてしまえばいいのです。

     その後、このレポートのように、チャンスが向こうからやってくることもあるのです。棚上げが10も溜まると、結構ぱらぱらと次のチャンスというのが訪れるようになります。そこでまた進められるだけ進めたら、また棚上げにして次のチャンスを待つ。その繰り返しでいつか結果にまでたどり着くものが出てくることでしょう。

     ちゃんとビジネスまで考える

     そしてたちこぎライダーさんの一番素晴らしいところはビジネスとしてまとめたところです。 
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