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ラーメンレビュー 山本増刊29号
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ラーメンレビュー 山本増刊29号

2016-06-14 17:00

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    ■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です

     「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。

     今回は全編無料公開!巻頭コラムでは、「ご当地一番搾り」に合わせて「ご当地餃子」を考案した、際コーポレーションの試食会などのレポートを。そして、葛飾区のラーメン店6軒のレビューを掲載します。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。

    □目次

    1.巻頭コラム
      『期間限定「ご当地餃子」を「ご当地一番搾り」で食べてきた!』

    2.無料公開!葛飾区ラーメンレビュー

     <レビュー増刊19号で「照久」「金と黒」「神髄」のレビューを掲載
     <ラーマガ77号で「つけ麺一燈@新小岩」のレビューを掲載
     <ラーマガ79号で「味噌ガッツ@お花茶屋」のレビューを掲載
     <ラーマガ82号で「煮干し中華そば一燈@新小岩」のレビューを掲載
     ・道の豚@亀有
     ・國分ラーメン食堂@金町
     ・麺屋門世@金町
     ・めん処 宣@新柴又
     ・乃の一@京成立石
     ・麺屋西條@京成立石 


    1.巻頭コラム

    『期間限定「ご当地餃子」を「ご当地一番搾り」で食べてきた!』

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     キリンビールから、47都道府県の「ご当地一番搾り」が発売されているのは、ご存知の方も多いかもしれない。その新商品とのコラボ企画として、中華系レストランを展開する「際コーポレーション」が、ビールに合う34都道府県の「ご当地餃子」を創作(※各地に既にある「ご当地餃子」とは異なる)して、期間限定で販売中との事。基本的には店舗所在地の「ご当地餃子」と「ご当地一番搾り」を提供しているが、以下の3店舗は「餃子テナントショップ」になり、7~9種類のご当地餃子を販売している。

    胡同マンダリン 銀座コリドー街(銀座)
    タイガー餃子会館 田町店(田町)
    紅虎餃子房 大阪梅田店(梅田)

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     今回、際コーポさんの企画で行われた、ブロガー向け試食会にお誘いいただいたので、参加してきました。場所は「タイガー餃子会館 田町店」。
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     際コーポレーションが考案した、「ご当地餃子」の一覧。

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     今回いただいた「ご当地一番搾り」5種類(仙台・東京・千葉・京都・大阪)。各都道府県に出荷している為、際コーポレーション側で各地の酒販店に発注。予約受注販売品の為、予定数までの限定販売になる。まずは今回提供された5種類の「ご当地一番搾り」を紹介します。
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    「一番搾り 仙台づくり」(仙台工場製)
     仙台工場で作られるビールという事で、地元の旬の美味しさを引き立てたという一番搾り。東北産ホップに、宮城県産のササニシキを加えて香り立つ味わい。あっさりしていながら、喉にしっかりと印象を残す、芳醇な味わいが嬉しい。
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    「一番搾り 東京づくり」(横浜工場製)
     「夢を持って集まった人を、一歩踏み出す気分にさせる」がテーマとの事。口当たりは軽やかで、ビールに馴染みがない人でも「スーッと」飲めそうなビール。ビールそのものの存在感より、どんな食事にも合う相性が東京らしいのかも。
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    「一番搾り 千葉づくり」(取手工場製)
     「食材の宝庫千葉の旬な肴を楽しめる」がテーマ。確かに、魚介類とも肉とも野菜とも、自然に合いそうな口当たり。軽い苦みが旨みを引き受けていて、後を引く味わい。そして、菜の花色のビールという所が、千葉県らしさを表現。
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    「一番搾り 京都づくり」(滋賀工場製)
     「はんなりを感じる"京のほんまもん"」というテーマに「なんやねん!?」と思っていたが、飲んでみたらホントにはんなりしているのに驚いた。口当たりはまろやかだが濃密な後味。しっかりした主張がありつつ、和食にもマッチしそうな一杯。
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    「一番搾り 大阪づくり」(神戸工場製)
     「うまくておもしろい」がテーマ。わちゃわちゃした感じは、天六や心斎橋・なんばあたりのイメージも膨らむ。このビールを肴にまた飲める感じもあるが、コテコテしたソースものにもマッチしそう。

    続いて、今回販売される「ご当地餃子」から9種類をいただきました。今回は6人で1テーブルだったので6個ずつ出してもらいましたが、大きさで個数が一部変わります。また、発売時期もメニューにより異なる予定です。
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    「いぶりがっこ餃子」(秋田県、銀座、6月~7月)
     秋田県で人気の漬物「いぶりがっこ」を刻んで、餃子の中に入れたもの。かじるごとにいぶりがっこのコリコリ感が加わり、かなり楽しい。漬物の食感は餃子と相性がよく、燻された香りも相まって食が進む。店舗では4個入り。
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    「盛岡じゃじゃ味噌餃子」(岩手県、田町、6月~7月)
     盛岡市のご当地麺「じゃじゃ麺」をベースに考案したとの事。餃子の上にかけられた「じゃじゃ味噌」は茶色が目立つ液状の味噌で、じゃじゃ麺よりは中華料理の「ジャージャー麺」に近い。かき混ぜるわけにいかないのでこの方が味がつくとは思うが、「じゃじゃ味噌」とはちょっと違うのが残念。
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    「牡蠣入り餃子」(宮城県、銀座、5月~8月)
     宮城県と言えば牡蠣!ということで、ぷりっとした牡蠣を1個そのまま餃子の中へ。その食感は確かにユニークだが、味付けが思いの外あっさりしている。牡蠣の旨みを凝縮した方が、存在感を発揮できるんじゃないかな、とも思えた。店舗では4個入り。
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    「小松菜餃子」(東京都、銀座、田町、6月~7月)
     東京都の小松川から名付けられた小松菜を、餡の中に仕込んだ餃子。一般的な餃子でもニラが入るので、違和感なく食べられるし、小松菜の香りがしっかり餃子の中に閉じ込められている。スタンダードな餃子の美味しさの中にワンポイントが加えられた、という印象。
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    「イワシ入り海の餃子」(千葉県、銀座、6月~7月)
     「千葉県=海」、というイメージで、今が旬のイワシのすり身を入れた丸餃子。醤油ではなく、一緒に出されるタレでいただくスタイル。タレの効果もあってあっさりと食べられて、他の料理やビールとも相性がよい。
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    「おいでやす餃子」(京都府、銀座、6月~7月)
     京都のイメージにあったしば漬けに、蓮根と九条ネギを入れた巾着型の水餃子。コリコリした食感が、こじんまりとした肉にもマッチしていて、ついつい食べ進むタイプの餃子。というか、小籠包にもちょっと近いんじゃないかな?店舗では7個入り。
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    「タイガー餃子」(大阪府、田町・梅田、6月~7月)
     大阪といえばお好み焼き!をそのまま餃子にしちゃったメニュー。つまり、餃子に紅生姜、青のり、花かつお、ネギを乗せてた鉄板焼き餃子。アツアツの所をつまんでいただいたが、餃子を一回り小さくした方が、花かつおなどが落ちずに食べやすいと思う。ただ、そうなるとたこ焼きっぽくなるかな。
     ところで、この「タイガー餃子」の名前は阪神タイガースが由来らしいけど、阪神タイガースは兵庫県なんだよね…(笑)
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    「みかん餃子」(愛媛県、田町・梅田、8月~9月)
     確かに、愛媛県といえばみかんだけど、「デザート餃子」として供された驚きの一品。豚肉を入れた揚げ餃子に、オレンジソースをかけてみかんを乗せた、「そのまんまやん!」と言いたくなる凄い餃子。豚肉とオレンジソースの相性は悪くはないけど、もう少し徹底して「デザート」に徹してもよかったかも。
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    「火の国くまもと火の餃子」(熊本県、銀座・田町・梅田、6月~7月)
     熊本地震が襲ったばかりの熊本県。そんな経緯もあって、「餃子テナントショップ」の3軒全部で提供されるのがこちら。水餃子のスープに、際グループが得意な麻辣スープを用いているので、安定感は抜群。熊本名産の馬肉にもなぞらえて、牛のスジ肉を加えている。

    そして、際コーポレーションが提供するオリジナル餃子も紹介します。
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    「ぷっくり餃子」
     「ご当地餃子」試食会で最後に提供された、際コーポレーションオリジナルの餃子。もちっとした皮の存在感に、多めの肉の存在感が抜群の「ザ・餃子」といった一品。卓上の3種類のタレを組み合わせながら、辛さの加減も自由自在。

    ここからは、先日訪問した、際コーポレーションの「チョモランマ酒場@恵比寿」で食べた餃子も紹介しちゃいます。
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    「スタンダード焼き餃子」
     大きさも手ごろで、端はパリッと焼けて、内側はもちっとした食感を残した餃子。シンプルなので、いくらでも食べられそうな、まさに「スタンダード」な一品。
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    「鉄鍋ジャンジャン餃子」
     鉄鍋でアツアツな所にネギも加わって、インパクト抜群な餃子。味付けはシンプルなので、調味料で色々と楽しめる。
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    「香菜餃子」
     ネギダレをかけた上に、パクチーをたっぷりと乗せた水餃子。もちろんパクチー好きにオススメ。麻辣のタレをかけて食べるのがマッチしそう。

     全国各地をイメージしたご当地餃子では楽しさも表現しつつ、レギュラーの餃子で、そのクオリティに浮ついたところを感じさせないのが、際コーポレーションの特徴かもしれない。担々麵をはじめとした麺メニューも豊富ですが、色々な餃子の食べ比べも楽しいかもしれません。

    2.無料公開!葛飾区ラーメンレビュー!

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    【道の豚@亀有】
    「らーめん白」780円

     亀有随一の行列店になったつけ麺店「道」は、この日も夜まで行列が続いていた。「道」の定休日には「道の塩」が営業しているが、その「道」から徒歩1分以内の場所に、2015年9月に開店したのがこの「道の豚」。「長濱らーめん」という肩書だが、店主が長濱氏ということでそうなったらしく、決して福岡の「長浜ラーメン」を出すことを目的としてはいない様子。豚骨の「白」とニンニク豚骨の「黒」の2種類が主なメニューだが、「らーめん白」を注文。

     白濁した豚骨スープは、豚の旨みを引き出しながら、匂いは控えめに抑えられている印象。シャバいスープの中にも豚の旨みを存分に出した、福岡の「長浜ラーメン」とは明らかに違うし、「博多長浜ラーメン」を看板に掲げつつ、ひたすらに白濁して濃厚な「田中商店」のようなラーメンとも異なる。極細麺ではなく、中細のストレート麺になっているのも違う印象を抱かせる。そういった意味では、単に人の名前なのにそうとは受け止められない「長濱らーめん」の表記は、このラーメンにおいてはちょっと損しているのではないか、とすら思える。スープ自体は、九州の豚骨とはひと味違う、滑らかな味わいがあるだけに勿体ないかも。

     卓上の辛子高菜を入れてもビクともしない豚骨スープなので、こってり好きにはオススメできる一杯です。

    豚骨は 長浜だけかと 亀有が

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    長濱らーめん 道の豚
    東京都葛飾区亀有5-20-8
    JR常磐線「亀有」駅から徒歩3分


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    【國分ラーメン食堂@金町】
    「手もみ中華そば醤油」720円

     金町駅の北口に2014年12月に開店したお店。つくばの「はりけんらーめん」で修業して独立したご主人。居酒屋の居ぬきで、いかにも食堂といった感じの店構えと内装だが、メニューはラーメン専門。「手もみ中華そば」「鶏そば」は醤油味と塩味があり、他につけそばを用意。選択に迷うが、まずは手もみ中華そばを醤油味で注文。

     鶏をじんわりと感じる澄んだスープにはまろやかな醤油ダレが絡んでいて、あっさり系のスープでありながら、鶏油の効果もあって物足りなさがない。麺は菅野製麺の中太平打ち縮れ麺。コシのある麺を茹でる前に手揉みを加えている事で、食感に強烈な印象を残している。具にはチャーシューと別に、軟骨を入れてコリコリした食感の小さなつくねが乗っている。スープを染み込ませた玉麩も楽しめて、穂先メンマとネギがインターバルにちょうどよい。

     他のメニューも気になるだけに、何度か伺ってみたいお店です。

    手揉みした 麺がスープを 弾ませる

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    國分ラーメン食堂
    東京都葛飾区東金町1-25-5
    JR常磐線「金町」駅から徒歩3分


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    【門世@金町】
    「鳥ラーメン カジーナ」700円

     2015年9月、金町駅北口に開店した店。醤油味でさっぱりの「モンセ」、鶏豚骨醤油味でこってりの「チャンガ」、鳥ラーメンで超さっぱり塩味の「カジーナ」の3種類に、生卵付きのしょっぱい「金町ブラック」も新メニューに加わって、豊富なメニューを持つラーメン店。中でも気になった、超あっさり塩味の「カジーナ」の食券を購入。このメニュー名は、ペルー料理の「カルド・デ・カジーナ」をベースにしている事からついた名前らしい。

     鶏ガラをベースにしたスープはじんわりとした旨みを持ちつつあっさりしたもの。そのスープに乗っている鶏チャーシューは、フライパンでフランベして仕上げている。鶏肉はシコシコした食感で食べ応えがあり、フランベした時の油も入れているので、ラーメン全体では「超あっさり」というほどでもない、油を感じるものになっている。ハーブソルトや青ネギ、マッシュポテトが乗っていて、なかなか食べ飽きる事がない。別皿にはレモンと、唐辛子のジュレ。このジュレをスープに溶かしながら味の変化を楽しめるが、これがかなり辛いので、徐々に入れるように注意が必要。

     自家製麺は白い中太のものでシコシコした食感。ちょっとうどんっぽい食感もあるなぁと思って食べていたら、「讃岐フーズ」の名前が入った作業着を着た人が、小麦粉の塊を厨房で捏ねていた。「讃岐フーズ」は同じ金町駅北口にある「金町うどん」の経営元らしい。そのせいか、こちらの麺も少しうどん寄りになっているのかもしれない。

    鳥の味 南米の香り カジーナで

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    麺屋 門世
    東京都葛飾区東金町1-20-14
    JR常磐線「金町」駅から徒歩3分


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    【宣@新柴又】
    「豚骨魚介そば(こってり)」750円

     山路さんが「ラーマガ33号」で豚骨魚介そばを、「ラーマガ34号」でつけ麺をレビューしていた、柴又街道沿いのラーメン店。2014年6月開店。年配のご主人と奥さんで仕切っていた。「豚骨魚介そば」には2種類あって、あっさりも気になったが今回はこってりで注文。

     豚骨と鶏ガラを時間をかけて煮込んだスープはまろやかで、節類や昆布を使った和風出汁を丼で合わせたダブルスープ。魚粉や背脂でインパクトが増強されていて、やや固めに茹で上げた浅草開化楼の中太麺を引き上げればスープの旨みが一緒に引き上げられて、なかなか食べ応えがある。

     チャーシューや味玉の仕込みにも、しっかりと手作り感を感じて好感が持てる。他にない個性という点ではやや物足りなさもあるが、どこかに似ている味というわけでもない。ラーメン専門店がほとんどない、新柴又~柴又エリアだけに、是非頑張って続けてほしい。

    ラーメンは つらいよ柴又 残る店

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    めん処 宣
    東京都葛飾区柴又5-10-2
    北総鉄道「新柴又」駅から徒歩3分


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    【乃の一@京成立石】
    「ラーメン中」500円

     京成立石駅から少し歩いた所に2015年11月に開店。鹿児島で抜群の人気を誇る老舗「のり一」で修業して独立との事。まさかそういう店が東京に、しかも立石に出店するとは想像できなかった。訪問時はラーメンとトッピングだけだったが、現在はトッピングとのバリエーションの他、つけ麺も提供しているとの事。カウンター席もテーブル席も賑やかで、厨房とフロアにも男性店員さんが4人ほどいて頼もしい。シンプルにラーメン中を注文。

     豚骨を主体にした澄んだスープは、しっかりした旨みと塩分を感じさせるもので、見た目にはあっさりしていそうだが、塩分もしっかり感じられてシャープな味わい。中細のストレート麺はやや柔らかめに茹でられ、啜るごとにスープの旨みを一緒に口の中に運び入れてくれるもの。醤油味をしっかりつけた煮豚チャーシューのアクセントが、モヤシも一気に食べさせてくれる。

     鹿児島では「呑んだ後のラーメン」の座をしっかり守ってきた「のり一」出身だけに、こちらも立石で呑んでからいただいてみたい。もしくはこの店で飲んじゃうのもありかな。

    立石の 夜のラーメン 座を得るか

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    乃の一
    東京都葛飾区立石4-28-19
    京成電鉄押上線「京成立石」駅から徒歩3分


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    【麺屋西條@京成立石】
    「油そば」734円

     京成立石駅の駅近くに、2016年4月開店の新店で、近隣にあるビストロ「SAIJO」の関連店。昼から夜まで通し営業ながら、「つけ麺」「油そば」「居酒屋」というスタイルでの営業。ラーメンはメニューにないし、つけ麺は濃厚豚骨魚介という事なので、あっさり食べたい気分だったので油そばを注文。

     具には刻みチャーシュー、フライドガーリック、味玉、ネギ、水菜、海苔、メンマが使われ、下に敷かれた多加水中太麺で、丼の底に沈んだタレをかき混ぜていただくスタイル。具が多いので、かなり意識してかき混ぜないといけないが、タレの味は甘さもしっかり出ているので、麺と一緒に食べると箸がどんどん進んでいくスタイル。

     決して今までにないタイプではないが、居酒屋の締めとしても食べられるだけにこのクオリティはありがたいと思う。ただ、値段が外税なのは、酒やつまみなども提供している店としては、分かりづらくないかと心配になる。まあ、実際に呑んでいれば、合計でいくらかを把握してないからよいのかもしれないが。

    飲み屋街 つけはきかない 油そば

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    麺屋西條
    東京都葛飾区立石4-22-5
    京成電鉄押上線「京成立石」駅から徒歩1分


    ■編集後記

     今回は、際コーポレーションの「ご当地餃子」試食会が入ったため、写真入りの巻頭コラムで紹介させていただきました。なので、後半のレビューは6軒とやや少なめ。今月、もう1回レビュー増刊を出せれば、と思っています。


    1d12777c7c29bf73cd6d25efb0e1b67a4b35bee3山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。ぐるなび「メシコレ」キュレーター。「ラーメンwalker」百麺人。

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