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ラーマガ限定「NAKED」#007
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ラーマガ限定「NAKED」#007

2014-04-28 13:00

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    ラーマガ限定「NAKED」#007
    本枯中華そば 魚雷鶏と貝のかけそば〜四重奏
    実食インプレッション

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     麺とスープだけで美味いと唸る一杯。究極の「かけラーメン」に人気ラーメン店が毎月月替わりで挑戦する、ラーマガ限定「NAKED」。通算第7作目を提供するのは『本枯中華そば 魚雷』。塚田兼司さんが作り出したNAKEDは、NAKED史上初となる2つの異なるアプローチによる2種類のNAKED。

     大量の鶏ガラと香味野菜で清湯と白湯、2種類のスープを作り、提供1時間前にアサリを加えたベースに、さらに提供直前に追いハマグリしたもの。そして仕上げにシジミの生クリームエスプーマを浮かべています。醤油は信州産の2種類の醤油を3ヶ月かけて寝かせたタレに帆立貝柱を加えたもの。燕のステンレス真空丼の周りには柚子果汁(清湯バージョン)と善光寺七味(白湯バージョン)が塗られ、丼からスープを啜ると柚子や七味がふわっと香る仕掛け。麺は佐藤養悦本舗の稲庭中華そばを一度締め、もう一度温めたものをスープに入れている。

     鶏の旨味が凝縮されたスープに、帆立、アサリ、ハマグリ、シジミの貝の旨味が織りなす複雑なスープに、伝統の製法から作られた稲庭中華そばの麺が見事にマッチ。同じ方向性を向いていながらも、まったく表情を変える2杯のNAKEDです。


    cb368627c2fbc425ac738eed0008c8a195bb0d70北島秀一
     NAKEDシリーズも何度か回を重ねて来たが、ここに来て思うのは「このシリーズって作り手の性格や考え方が如実に出るなあ」と言う事。ごく限られた要素のみでギリギリの味作りやコンセプトを追求するので、「ラーメンの何を表現したいか」がハッキリと出てくるのだと思う。

     今回「魚雷」にお願いした「鶏と貝のかけそば~四重奏」の場合、私が一番強く感じたのは「ラーメンの楽しさを伝えよう」と言う、塚田店主のサービス精神だ。特に、これの前の回が「七彩」によるある意味求道的なラーメンだっただけに、その対極とも言える造りに「こっちの方向性もあるんだな」と食べていて本当に楽しくなってくる。

     月前半の清湯・後半の白湯と言う「二品提供」もNAKED初の試みだったが、基本的な方向性は貝出汁の可能性を探ると言う事で共通している。ダシと「追いアサリ」、そしてエスプーマで貝の味を幾重にも折り重ね、食べ進むうちにもどんどん風味が変わって行く。同じ食材を使いながらも「清湯」はまさにその貝出汁の複雑玄妙さを楽しみ、「白湯」は濃厚な鶏出汁の牽引力でよりラーメンらしいパワフルな味わいが素晴らしい。

     麺は細めでするっと喉に落ちて行く稲庭麺。やたらな存在感は主張せず、スープとの馴染みも抜群で全体の中で非常に一体感がある。それでいてその滑らかさや風味の良さは食べ終えた後にも充分に印象に残る物。最近採用例の多い麺だが、その実力を改めて感じる事が出来た。

     既に提供日数も残り少なく、「清湯」の提供は終了しているが、「白湯」の方だけでもその凄さは充分に伝わって来る。この楽しい一杯を是非ご堪能あれ。

    1c810daf91127abd46b9933195c1f7719f037f02山路力也
     当初、塚田さんにNAKEDをお願いする時に「魚雷」ではなく「烈士洵名」の方が良いのかなと思っていた。というのも、魚雷はそもそも基本のラーメンが具を別添にしているので、食べ手の皆さんにとっても意外性を感じないのではないか?と思ったからだ。しかし、出て来たNAKEDはさすが塚田さんと唸らせる完成度。従来の魚雷とは違う形でありながら、ちゃんと魚雷としてのNAKEDを生み出して下さった。

     今回の主役はメニュー名の通り「鶏」と「貝」である。試作の段階で塚田さんは清湯と白湯の両方を用意していて、どちらも美味しくて決められないので我々3人で決めてくれとのことだった。そしてその2種類は、同じ素材を使っていながらもまったく違う表情を見せていて、どっちが美味しいなどと決められるものでは無かった。そして、この二杯を食べ較べる楽しさを是非ラーメン好きの皆さんにも体験して欲しいと思い、無理を言って月の前半と後半で別のラーメンを出して頂くことになったのだ。

     前半の清湯バージョンは4種類の貝が織りなす複雑で重層的な旨味の競演を鶏がしっかりと支えているスープで、後半の白湯バージョンは鶏の旨味でグイグイと飲ませる中に貝の旨味が入り込んでくるようなスープ。エスプーマを浮かべることで魚雷らしさをしっかりと主張。そして稲庭中華そばのオールマイティーぶりはここでも健在。清湯でも白湯でも、どちらにもピッタリと合っている麺に驚きだ。

     清湯バージョンは既存のラーメンの枠を超えることに挑み、白湯バージョンは既存のラーメンの枠の中でどこまで暴れることが出来るかに挑んだ。個人的にどちらが好きか?というのは野暮な質問だ。それが決められるのであれば、二杯出してくれなどと無茶は言わなかったのだから(笑)。

    c557c6830f3e2bc329f263c11be51fa2cf589930山本剛志
     「全ての食材の命を感じながら心を込めて作る」事を「真髄」として店内に掲げる「魚雷」。今回の限定も貝の魅力を存分に引き出した塩味がベース。ハマグリ、アサリと鶏のスープに、鶏油を軽く浮かせたもの。貝の旨みが重層的に出ていている上に、塩ダレにはホタテを加えているそうで、更に味わい深い貝の味を楽しめる。「清湯」と「白湯」の2種類がどちらも美味しく、今回はNAKED初の「前後半で味が変わる」事になった。

     とはいえ、前後半とも使う素材は同じ。前半の清湯はすっきりした味で貝が前面に感じられ、後半は鶏をしっかり煮出した白湯でだが、鶏の濃密なスープにも貝の味がきっちり感じ取れる。柚子とネギが乗った上には、しじみと生クリームを使ったエスプーマ。エスプーマがスープに溶けると表面の味わいが変わるので、まずは澄んだところから口をつけ、その後にエスプーマとのブレンドを楽しめた。

     麺は稲庭中華そばを使用し、一度水で締めた麺をもう一度温めてからスープに入れている。それだけにスープの温度が下がらないだけでなく、麺が十分に茹でられているが外側が締まっていて、茹でたまま入れた麺より、最後までへたらない食感がうれしい。

     具がなくても、これだけの素材をたっぷり使えば納得の美味。鶏と貝の命を感じ取れる一杯はさすがの出来映え。開店時は通常の中華そばで使う「サイフォン」が話題を集めたが、それが突飛な発想でない事は、サイフォンを使わない創作メニューの味でも証明されている。


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    【NAKED #007】
     本枯中華そば 魚雷(東京都文京区小石川1-8-6)

     「鶏と貝のかけそば〜四重奏」(980円)
       一日20杯限定(11:00〜10杯、18:00〜10杯)
       販売期間:【清湯バージョン】4月3日(木)〜15日(火)
            【白湯バージョン】17日(木)〜29日(祝)
       (ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です)

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