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ラーマガ限定「NAKED」#012
志奈そば田なかかけそば田なか〜房総の恵み〜
実食インプレッション

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 ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。

 通算第12作目となる9月は、池袋の人気店『志奈そば田なか』が満を持しての参戦。店主田中さんの住む房総の海の豊かな恵みを麺とスープだけで表現した一杯は、NAKED初となる薬味ナシの完全に麺とスープのみのスタイルになりました。


1c810daf91127abd46b9933195c1f7719f037f02山路力也

 店主の田中さんは千葉の「らぁ麺三軒屋」立ち上げ当初からのおつきあい。当時、私が連載や特集を担当していた千葉の情報誌の限定ラーメン企画や、イベントなどで何度となく一緒にラーメン作りをしてきた間柄なので、今回のオファーも何の心配もなくお願いすることが出来た。そして、その出来映えは想像を超える完成度であった。

 NAKEDというラーメンに向き合う時、ラーメン職人は無意識のうちに自分というものをさらけ出す。まさにNAKEDの名の通り、素の、ありのままの自分が出て来てしまうのだ。東京生まれとはいえ、長年千葉の海を愛してラーメン店を営み、今もなお九十九里に居を構える田中さんのNAKEDのテーマが「房総の海」と聞いて、とても嬉しく感じたものだ。

 房総の海の恵みといえば、九十九里の鰯煮干し、大原の伊勢海老やサザエ。敢えて動物系を使うことなく、房総の海の幸だけでスープを構築するという気合いの入り方。おそらく鶏などを加えた方が、味わいそのものは立体的になっていくだろう。しかし、それではコンセプトがブレてしまう。この潔さが逆に煮干しや伊勢海老、そしてサザエの旨味をしっかりと感じさせ、深い部分までもじっくりと味わうことが出来るようになっている。スープの旨みもさることがなら、鼻腔を抜けていく香りがまた素晴らしい。そして時間が経つごとに味わいが変化していくのもお見事。薬味不使用というアイディアはいつか出て来るとは思っていたが、まさにこのラーメンには薬味が要らない。薬味が無い、ということにしっかりと意味があるのだ。

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 ご主人は千葉県の「らぁ麺三軒屋」を経てこの店を立ち上げた経緯を持つだけに、千葉県、それも外房の海の幸を集めた限定で、この店のNAKEDを表現する事は必然だったかもしれない。

 伊勢海老の全国一の産地は、三重県ではなく千葉県。大原漁港で水揚げされた伊勢海老を使ったスープは、甲殻類が持つ旨みが存分に感じられる。やはり大原で水揚げされたサザエとともに、太平洋の磯の流れのような、力強さも感じられるものになっている。煮干油にも、九十九里のイワシ煮干しを使用して、油もスープも千葉外房産100%。つまり、動物系不使用の塩味のスープになっている。麺は内麦の「夢飛龍」をメインにした中細麺。少し柔らかめに茹でて、スープとしっかり調和できるようになるスタイルになった。

 何より驚いたのが、NAKEDで使用が認められていた薬味を全く使用しなかった事。つまりこの一杯には「麺」と「スープ」しかない。どこまでも続く大海原のように、薬味なしでたゆたう丼という海を、丁寧に味わいながら飲み干したい。


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【NAKED #012】
 志奈そば田なか(東京都豊島区東池袋2-19-2)

 「かけそば田なか〜房総の恵み〜」800円
   限定杯数なし
   販売期間:9月1日(月)〜30日(火)
   (ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です)