北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
麺屋こころ 高田馬場店@西早稲田「塩」
■異論激論!
(山路力也/山本剛志/中村匠一)
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「ノスタルジックラーメンへの誘い」山路力也
私が「トーキョーノスタルジックラーメン」という本を上梓して、もう6年になろうとしている。昔ながらの懐かしい東京ラーメンだけを紹介したガイドブック。この本を切っ掛けに「ノスタルジックラーメン」という言葉が浸透し、一部では「ノスラー」「ノス活」などといって老舗を食べ歩く人たちも増えるようになって、昔ながらのラーメンを再評価、再認識するようになったようだ。
私がこの本を出した理由は、自分自身のラーメン本や特集なども含めてだが、世のラーメン情報は「新店」の情報が一番大きく必ず取り上げられる傾向にあり、それに対しての一種のアンチテーゼであった。ニュース性の高い新店を取り上げることはいいとして、何十年も愛されている店が紹介もされていないのはどうなのだろう、という問いかけだ。数ヶ月前に出来た店よりも、何十年も人気を保ち続けている店の方が単純に凄いと思うのだ。それをほとんど黙殺しているのがラーメン本と言ってもいい。
無論、私も別のコンセプトのラーメン本で店選びをする時は、新店を多く取り上げて、老舗を拾うことは少ない。限られた誌面の中で、やはりニュース性の高い、皆が求める情報に大きくページを割く事は当然のことだ。しかしメディア全体のバランスをみた時に、どこかでそういう老舗をしっかりと取り上げる場所があっても良いのではないか。世のラーメン本でこぼれた情報を補完する意味合いも含めて、私は老舗のラーメンをまとめた本を出したかったのだ。
担当の編集者は「レトロラーメン」という名称を提案して来たが「ノスタルジックラーメン」と名付けたのは私だ。レトロという語だと何だか古くさく、もう過去の店のような気がしてならなかった。しかし、私が考えるノスタルジックラーメンとは、単なる懐古趣味ではなくて、今食べても十分美味しさを感じたり、存在感のあるラーメンであって、そういう店はロートルでも何でもなく、今も現役バリバリの店ばかりなのだ。そういう店のラーメンをレトロという言葉では表現したくない。だからこそ、ノスタルジックラーメンという名前にこだわった。
今月、テレビで「横浜ノスタルジックラーメン」という企画をやらせて頂いて、久々に横浜の老舗を食べ歩いたのだが、やはり今でもお客さんがいっぱいで、ラーメンも力強く美味しかった。また来月発売の雑誌ではラーメン特集をやらせて頂いて、その中で荻窪のノスタルジックラーメンを取材したが、これまたどこも大変美味しかった。最新のラーメンを食べ歩いている中でもまったく色褪せることがなかった老舗のラーメンたち。ノスタルジックラーメンはやはり美味しい、そして楽しいということを再確認した。
私たちラーメン好きは、比較的コレクター気質の人が多く、やはり話題の新店を中心に食べ歩くことが多いと思う。しかし、時にはノスタルジックラーメンも食べてみて欲しい。出来ればもう十年以上食べていないような老舗を。必ずそこには新しい発見があって、ラーメンの新しい魅力をまた感じるはずなのだ。ラーマガのレビューでも今後老舗のラーメンを紹介していけたらと思っている。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は12月5日まで『支那そばや 新横浜ラーメン博物館店』で提供される限定ラーメン「復刻醤油らぁ麺」を山路と山本が食べて、語ります。
「復刻醤油らぁ麺」930円
※12月5日まで ※スープなくなり次第終了
コメント
コメントを書く今回の山路さんの「さっぽろ 羅偉伝@高田馬場」の記事が#040「ラーメン二郎 歌舞伎町店」の時のものになってしまっています。
もしよろしければ、修正頂ければと思います。
よろしくお願い致します。
>>1 ますたーさん
お待たせいたしました。修正しましたのでご確認ください。
>>2
修正していただき、ありがとうございました。次回以降の記事も楽しみにしております。