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  • “α-Synodos” vol.252(2018/9/15) 日本政治の行方

    2018-09-14 15:54
    257pt
    ○はじめに
    1.橋本努「なぜリベラルは嫌われるのか?(1)」
    2.鈴木崇弘「こうすれば日本の政治はもっとよくなる! 政治の政策能力向上のために「変える」べきこと」
    3.中野雅至「日本の官僚はエリートなのか?」
    4.大槻奈巳「職業のあり方を、ジェンダーの視点から考える」

    ○はじめに

    いつもお読みいただきありがとうございます。シノドスの芹沢です。「αシノドス」vol.252をお届けましす。

    最近、「リベラル」という言葉を耳にする機会が多いかと思います。たいていは、「リベラル」を批判したり揶揄したりする文脈においてです。ためしにアマゾンで「リベラル」で検索してみると、「リベラル」批判本がずらりと並びます。要するにいま、「リベラル」は嫌われています。しかしなぜ、「リベラル」はそれほど嫌われているのでしょうか? 社会哲学をご専門とする橋本努氏が3回にわたって、このテーマを追求します。同時にまた、「新しいリベラル」の輪郭を描き出します。

    ついで今月のポジだし。かつて自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の理事・事務局長を務めた鈴木崇弘氏に、日本の政治をよくするにはどうすればよいのか、ご提案いただきました。さまざまなスキャンダルに揺れる現政権ですが、他方で野党への政権交代の期待はまったく膨らみません。これでは政治はますます緊張感を失うばかり。どうすれば政治にあるべき活力を取り戻させることができるのでしょうか? とても実践的なご提案をいただきました。

    政治だけではありません、官僚もまたスキャンダルにまみれ、バッシングの対象となっています。そうしたなか官僚の士気も落ちるばかりだとも側聞します。かつてはエリートの象徴とされてきた官僚ですが、いまやエリートの座から没落しつつあります。官僚の世界になにが起こっているのか。このまま官僚が消え失せても構わないのか。そして官僚が本来、期待されている役割を果たすには、どうするべきなのか。元厚生労働省の官僚でもあった中野雅至氏が論じます。

    最後は「新・学問のすすめ」。今回は職業社会学を専門とする大槻奈巳氏にお話を伺いました。「女性が活躍できる社会」が目指されて久しいですが、なかなかそのような社会にならないというのが現実です。大槻氏は『職務格差』において、よく言われる「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業ではなく、女性がおかれている労働過程そのものに問題があると指摘します。変わらなければならないのはどこか? この問いを念頭に置きつつ、お読みいただけると幸いです。

    朝晩はだいぶ涼しくなってきました。体調を崩さぬよう、どうぞご自愛ください。次号は10月1日配信予定です!
     
  • “α-Synodos” vol.251 アメリカ政治の基礎知識

    2018-08-31 18:18
    257pt
    ○はじめに
    1.西山隆行「これだけは知っておきたい「アメリカ政治講義」」
    2.岡本隆司「「一つの中国」とは何か?――国民国家の体制と歴史的な多元性との間で」
    3.木島泰三「学び直しの5冊〈進化〉」
    4.荻上チキ×内田良「どのように「ブラック校則」をなくせるか――ジャーナリズム×アカデミズムの可能性」

    ○はじめに

    いつもお読みいただきありがとうございます。シノドスの芹沢です。「αシノドス」vol.251をお届けましす。

    一本目の記事は、先日ちくま新書から『アメリカ政治講義』を出版された西山隆行氏へのインタビューです。アメリカというと報道量も大きいため、何となくわかったつもりでいます。しかし、『アメリカ政治講義』を読んでいると、「え、そうだったんだ!」という記述が頻出し、アメリカについて基本的なところからわかっていなかったのだと痛感します。このインタビューを読んで同じように感じたら、ぜひ本も手に取ってみてください。政治から文化まで(そもそもこのような広い範囲でアメリカについて語ることができる存在が稀有です。)、目からうろこの連続ですよ!

    ついで、名著『中国の論理』の著者の岡本隆司氏に、「一つの中国」とは何か?についてご解説いただきました。じっさいは一つではないから一つだと強弁するわけですが、このことによって、民族問題や国境紛争、「一国二制度」、通貨といったさまざまな領域で矛盾や摩擦が生じます。そして、このような矛盾や摩擦の根幹にあるのは、17世紀に完成した清朝の多元共存と、19世紀後半から20世紀前半にかけて目指された「中国」という国民国家とのあいだにある、いまだ解消されない齟齬です。そうであるならばこの問題は、テロや難民問題に揺れる現代世界そのものの大問題にも通じます。

    そして、今月の「学び直しの5冊」、テーマは「進化」です。シノドスでもおなじみの吉川浩満氏が出された『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』という本が評判ですが、じわじわと「進化」というテーマが熱くなってきています。そこで、ダニエル・C・デネット『心の進化を解明する――バクテリアからバッハへ』の訳者である木島泰三氏に5冊選んでいただきました。社会生物学論争から進化論の哲学的考察まで必読の5つです。注もとても充実しているので、ぜひじっくりとお読みいただき、面白そうだと思った推薦本を手に取ってみてください。この分野になじみのない読者は、人間観がガラッと変わりますよ!

    さいごに、教育学者の内田良氏と評論家の荻上チキ氏による「ブラック校則」をめぐる対談です。両氏の調査によると、じつは校則、かつてよりも強化されているようです。それも下着の色を指定するなど、およそ近代社会とは思えないところまで管理と介入が及んでいます。校則に限らず、どうも社会全体で道徳主義的な管理社会になってきているように感じます。いったいなぜそのような事態が進んでいるのか? こうした問いを頭におきながらお読みいただけるとよいと思います。

    まだまだ残暑が厳しいようです。どうぞご自愛ください。次号は9月15日配信となります!
     
  • “α-Synodos”  vol.249+250(2018/8/10) 「善い生き方」とは何か?

    2018-08-10 15:26
    257pt
    〇はじめに
    1.佐藤岳詩「善い生き方と徳――徳倫理学というアプローチ」
    2.井出草平「社会問題の構築と基礎研究――ひきこもりを事例に」
    3.大屋雄裕「学びなおしの5冊〈法〉」
    4.酒井泰斗「知の巨人たち――ニクラス・ルーマン」
    5.小林真理「「文化政策学」とはどんな学問か」


    〇はじめに

    唐突ですが、読者の皆さんにとって「善い生き方」とはどのような生き方でしょうか? あるいは皆さんは、どのような生き方をしたいと考えていますか? こうした問いを引き受けてきたのは言うまでもなく倫理学です。「αシノドス vol.249+250」最初の記事は、倫理学者の佐藤岳詩氏に、徳倫理学という学問についてご解説いただきました。倫理学は功利主義、カント主義、徳倫理学にわかれ、説明を聞くと、いずれもいちいちもっともだなと思うのですが、文中にある、「それでは、自分の子どもにはどうなってほしいですか?」という観点からみると、なるほど徳倫理学の魅力が際立ちます。

    ついで、社会学者の井出草平氏に「今月のポジだし」をお願いしました。お題はひきこもりです。ひきこもりのような社会問題を解決するためには、それが社会問題だと広く認知されるだけでは足りません(それですら、とても難しいことなのですが)。加えて、問題となっている現象を解決するための介入の効果を、エビデンスをもって示すことがないといけません。両輪がそろって初めて社会問題の解決に向かうことができると説く井出氏は、引きこもり問題にかんするエビデンスに基づいた介入の構築の重要性を説きます。

    そして、優れたブックリストとして毎回ご好評をいただいている「学びなおしの5冊」、今回は法哲学者の大屋雄裕氏に「法」をテーマにお選びいただきました。すきのない論述によって紹介される5冊を読むことによって、「法とは何か」という問いについて、かなりの見識を持つことができるようになるはずです。文中、ナッジへの言及がありますが、環境の設定によって人々に賢明な選択をさせるような仕掛けと、倫理学の議論を比べてみるのも面白いかと思います。

    1960年代にドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスとの論争で日本でも知られるようになったニクラス・ルーマン。今回の「知の巨人たち」では酒井泰斗氏にルーマンを取り上げていただきました。これまで取り上げてた「巨人たち」とは異なって、一部で熱狂的な読者をもつルーマンの魅力とはどこにあるのでしょうか? 「私はルーマンを他人に勧めたことがない」という酒井氏のご解説をどうぞお楽しみください。

    最後に「新・学問のすすめ」、今回は文化政策をご専門とする小林真理氏にお話を聞きました。文化や芸術と、国や自治体の政策はどのような関係を結ぶべきなのか? 文化や芸術の価値を伝え、それらを保護し振興していくために行政は何ができるのか、あるいは何をしてはならないのか、小林氏にご解説いただきました。

    暑い日がつづきますが、αシノドスでどうぞご一服を! 次号は9月1日配信となります。