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“α-Synodos”  vol.249+250(2018/8/10) 「善い生き方」とは何か?
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“α-Synodos”  vol.249+250(2018/8/10) 「善い生き方」とは何か?

2018-08-10 15:26
    〇はじめに
    1.佐藤岳詩「善い生き方と徳――徳倫理学というアプローチ」
    2.井出草平「社会問題の構築と基礎研究――ひきこもりを事例に」
    3.大屋雄裕「学びなおしの5冊〈法〉」
    4.酒井泰斗「知の巨人たち――ニクラス・ルーマン」
    5.小林真理「「文化政策学」とはどんな学問か」


    〇はじめに

    唐突ですが、読者の皆さんにとって「善い生き方」とはどのような生き方でしょうか? あるいは皆さんは、どのような生き方をしたいと考えていますか? こうした問いを引き受けてきたのは言うまでもなく倫理学です。「αシノドス vol.249+250」最初の記事は、倫理学者の佐藤岳詩氏に、徳倫理学という学問についてご解説いただきました。倫理学は功利主義、カント主義、徳倫理学にわかれ、説明を聞くと、いずれもいちいちもっともだなと思うのですが、文中にある、「それでは、自分の子どもにはどうなってほしいですか?」という観点からみると、なるほど徳倫理学の魅力が際立ちます。

    ついで、社会学者の井出草平氏に「今月のポジだし」をお願いしました。お題はひきこもりです。ひきこもりのような社会問題を解決するためには、それが社会問題だと広く認知されるだけでは足りません(それですら、とても難しいことなのですが)。加えて、問題となっている現象を解決するための介入の効果を、エビデンスをもって示すことがないといけません。両輪がそろって初めて社会問題の解決に向かうことができると説く井出氏は、引きこもり問題にかんするエビデンスに基づいた介入の構築の重要性を説きます。

    そして、優れたブックリストとして毎回ご好評をいただいている「学びなおしの5冊」、今回は法哲学者の大屋雄裕氏に「法」をテーマにお選びいただきました。すきのない論述によって紹介される5冊を読むことによって、「法とは何か」という問いについて、かなりの見識を持つことができるようになるはずです。文中、ナッジへの言及がありますが、環境の設定によって人々に賢明な選択をさせるような仕掛けと、倫理学の議論を比べてみるのも面白いかと思います。

    1960年代にドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスとの論争で日本でも知られるようになったニクラス・ルーマン。今回の「知の巨人たち」では酒井泰斗氏にルーマンを取り上げていただきました。これまで取り上げてた「巨人たち」とは異なって、一部で熱狂的な読者をもつルーマンの魅力とはどこにあるのでしょうか? 「私はルーマンを他人に勧めたことがない」という酒井氏のご解説をどうぞお楽しみください。

    最後に「新・学問のすすめ」、今回は文化政策をご専門とする小林真理氏にお話を聞きました。文化や芸術と、国や自治体の政策はどのような関係を結ぶべきなのか? 文化や芸術の価値を伝え、それらを保護し振興していくために行政は何ができるのか、あるいは何をしてはならないのか、小林氏にご解説いただきました。

    暑い日がつづきますが、αシノドスでどうぞご一服を! 次号は9月1日配信となります。

     
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