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ダンジョンズ&ドラゴンズ 『ネヴァーウィンターの失われし王冠』リプレイ -第4回-
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ダンジョンズ&ドラゴンズ 『ネヴァーウィンターの失われし王冠』リプレイ -第4回-

2013-12-20 12:44

    座礁リヴァイアサン亭にて
    「お、英雄さん。メシは食ったか? 賄いで良ければ喰ってけよ。お代だ? いらねえいらねえ。あんた達がこの“船”に乗っててくれると心強いからな!」

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     がはは、と豪毅に笑うと毛むくじゃらの船乗り、ハラグ船長はあなたの手に魚の大皿を押しつけると、店の名のとおりにリヴァイアサンのような巨体を揺らし厨房に戻った。
    「へへへ、ずいぶんと扱い変わったッすね!」あなたの運んで来た皿に真っ先に手を伸ばすのは、逆立った髪のヘプタ。テーブルには先日、ネヴァーデスの門で死人達を打ち払った英雄達が座っていた。
     あの後、あなたはセイヴ達に釣れられて『座礁リヴァイアサン亭』に戻ったが、ハラグと船乗り達に大歓声で迎えられた。それからここで過ごして今日で三日目である。怪我も治り、肩を並べた戦友のことも少しずつわかりはじめた頃だった。
    「飯、喰いながらでいいがよ」口を開いたのは死人のように白い顔の男、セイヴである。「落ち着いたようならそろそろ話聞かせてもらえねえか? 嬢ちゃん」
     話を向けられた娘、ミシュナは真剣な面持ちでうなずく。あなたには彼女がいずれこの問いに答える覚悟をしていたように見えた。
    「エリオンには私の方から伝えておくから気にしなくて良いわ」フェイの片割れが笑う。「妖精境とお話しすることがあるんですって。しばらく動けないんじゃないかしら」

    ミシュナ:「あのアンデッドはサーイのものだ。私はサーイの……ウィザードだ」
    ミシュナ除く全員:「サーイ!?」
    サブマス:えっと、これジェイド知ってていいんですか?
    DM:そうですね……。【知力】10くらいあれば普通知ってるんじゃ。
    何人か:<b>【知力】10!</b>
    DM:え? 知ってるのヘプタとミシュナだけ!?
    セイヴ:「いやー、生き返ったばかりでさあ」(つまり【知力】8)
    エイロヌイ:「別次元ですからねえ。フェイワイルドならまだしも」(やはり【知力】8)
    サブマス:ジェイドが知ってるのはソードコースト近辺くらいなんじゃ……(これも【知力】8)
    ヘプタ:「え、みんな何言ってるンす? ものしらないンすねえ」(ドヤ顔)
    ミシュナ:~~~ッ!? 本人は覚悟を決めての告白だったのにっ!!「ええい! (ポスターマップを示して)サーイはここ、お前達のいるネヴァーウィンターはここだ!お前達は地図も見たことがないのか!」

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    セイヴ:「いやー、嬢ちゃん、遠いところから大変だったなあ(しみじみ)」
    ミシュナ:「あああああッ!違う、そうじゃないんだ。サーイは死霊術師の国でヤツはその地の支配者、レッド・ウィザードなんだ。何か企みがあったんだと思う。それがわかるのは、……私もレッド・ウィザードだったからなんだ!」
    DM:NPC達に聞くと、「お前もゾンビにされちまうぞ!」というレベルで恐れられていることがわかりますね。

    「私は、サーイのやり方について行けなくなって、逃れてきた。まさか、ここで先生と合うとは思わなかった」
     ミシュナは卓に視線を落としつつ告白する。
    「あのウィザード、あなたが居るとは思っていなかったようね。驚いていた」とエイロヌイ。
    「なら、先生がここにいたのは偶然で、なにか別に企みがあったンじゃないッすかねえ」

     あの時、レッド・ウィザードのトリヴァストは魔法の王冠を手に携えていた。ミシュナの記憶が正しければ、あれこそは正しき血統の者だけが戴くことのできるネヴァーウィンターの王冠である。しかし、なぜこの地でトリヴァストがあのような魔法の品を手にしていたのかはわからない。
    「依頼主のあのハーフエルフ(セルドラ)は、金を渡したらすぐいなくなっちまったからなァ……」
    「そいや、ジェイド。ジェイドは何があってネヴァーウィンターにやってきたンすか?」
     ミシュナが身の上を話し終わると、つぎはあなたの番だった。


    このシーンのうらがわ
     今回はまずここでアンケート。
     ジェイドが自分の正体を仲間に明かすか否かである。
     ジェイドは自分がネヴァーウィンターの王の血を引くと知らされた日に、正体不明の敵によって義理の家族を失っている。つまり、彼には自分の血統が原因となっているのではないかという自覚がある。
     そのことを明かす危険は著しい。一方で、何も知らせずにいたら、襲われたときに対処しきれない可能性がある。
     ゆえにあなたは自分がネヴァーウィンター王家の血を引くことを仲間に、
    1):明かす。
    2):まだ明かさない。

     視聴者の選択は……。



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     ミシュナをはじめとして仲間の視線があなたの表情をさぐる。内心の動揺を押し隠し、あなたは自分の素性を語った。
     ――貴族の四男坊で、諸国を巡る遍歴の騎士。
     ――食い扶持を探して、武名を挙げるか、いずこかのレディのもとに剣を捧げるか。
     ――女神タイモーラの金貨が示す裏表に従い、運を試しに旅に出た。
    「なるほどなぁ、いろいろあるもんだ」とセイヴが相づちを打つ。あなたは、ほっと胸をなで下ろす。しかし、

    サブマス:ジェイドの〈はったり〉は8です。
    ヘプタ:あー、ヘプタの〈看破〉は素で11あるので、ジェイドが隠し事しているのは見破ってますね。
    DM:あんななりだけど、ヘプタはものを見る目はあるんだよな……。とその時、“座礁リヴァイアサン”の外から長靴を履いた足音が聞こえてきます。

     店の全員の視線が正面の扉に注がれる――扉は素早く開き、ニュー・ネヴァーウィンターのお仕着せに身を包んだ兵士が2人入ってくる。彼らは室内を見回し、それから横に一歩退く。
     背の高い、気難しい様子の女性が1人、広間に入ってくる。彼女の振る舞いときたら、まさに腕利きの軍人の鑑である。彼女はプレート・アーマーを身に付け、ロングソードを腰に佩いている。彼女は君たちを認めると、部屋を横切って君たちの卓の方へとやってくる。
     「あなたがたを探していた」彼女は言う。

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    DM:ミンターン傭兵の隊長、セイバイン将軍です。
    ヘプタ:目を逸らして顔を隠すッす、くわばらくわばら(笑)
    エイロヌイ:(たじろぐ様子なく)ごきげんよう
    DM:今のところ兜の面頬で顔は見えませんが、ジェイドにはこの女性の声に聞き覚えがあります。
    サブマス:剣の師匠がサビーヌ師匠でしたね。サビーヌ≒セイバインですか。
    DM:現時点での確証はありませんが、おそらく。彼女は言います。「守護卿ネヴァレンバー卿がお前達をお呼びだ。先ほどのネヴァーデス墓地でのお前達の働きを大変喜ばれた。そなた達に褒美を取らせたいと仰っておられる(全員:おお!)。……ただし、警備の都合上連れて行けるのは3人までだ」
    ミシュナ:うーん。
    サブマス:ジェイドがまずすっくと立ち上がりますので、あと二人ですね。これ、自分がプレイヤーだったとしたら、そもそも連れてける顔の人が二人なので確定なんですが(笑)片方はヒャッハーで、もう片方は顔真っ白なんですよ!

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    このシーンのうらがわ
     サブマスがなんといおうが、ジェイドの判断は視聴者に委ねられているのでここで決まるのである。
     本日2回目のアンケートはネヴァレンバー卿との面会に誰を連れて行くか。
    1):パラディンのエイロヌイ。
    2):レンジャーのセイヴ。
    3):チンピラのヘプタ
    4):ウィザードのミシュナ
     選択肢にちょっと偏見が入っている気がするが、視聴者の選択は……。



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    サブマス:つまり、ヘプタはネヴァウィンターの地元でいろんなことを知っているからでしょうね。ミシュナは先の事件の当事者に近いので、その説明をしてもらうためにかな。PL視点によるメタ発言だけどヘプタの〈看破〉など高い対人関係技能、ミシュナの知識系技能でなかなかイイ感じ。
    DM:ただ、ヘプタのいたハーパーはネヴァレンバー率いるニュー・ネヴァーウィンターとは敵対してましたが? つか、襲う側でしたよね?
    ヘプタ:ピンは腹巻きの下に隠しておきます(笑)

     こうして3人はニュー・ネヴァーウィンターの兵士達と共に、川向こうにある守護卿区へ赴く。そんな彼らを見送りつつ、エイロヌイは思いついたように呟いた。

    エイロヌイ:「『飲み物と食べ物に気を付けるように』って言うの忘れちゃいましたわ」
    セイヴ:「可愛い顔してアンタ、世の中のコト知ってンなァ」(笑)
    エイロヌイ:「失敗失敗♪」


    仮住まいの“正義の館”
     ジェイド、ヘプタ、ミシュナの3人はセイバイン将軍に伴われ、“正義の館”と呼ばれる建物へ至る。災害前は公正なる神ティアの神殿であったこの場所は、“守護卿”ネヴァレンバーの手により再建され、今はネヴァーウィンターで最も目を引く建造物となっている。
     彼らは高い天井の回廊を抜け、人目につかない個室へと通される。正規の謁見の間ではなかった。これは“守護卿”にはネヴァーウィンター王家を騙る意図はないというポーズなのだろう、ミシュナはそう判断した。
     やがて扉が開き、がっしりとした体つきに赤茶色の髪をした男が入ってきた。頭に白いものが交じりはじめているが、表情には力強さがあった。
    「英雄諸君、貴君らのことは聞き及んでいる。これから我々は随分と話しあわねばならない――が、まずはくつろいでもらわなくてはな。どうすればいい? 食事、それとも飲み物がいいかな?」

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    DM:馴れ馴れしいと言えるかも知れませんが、厭な気はしません。あと、部屋の隅に一心不乱に事務作業しているドワーフがいます。目は血走り何かぶつぶつ言ってる。「彼はこの街の市長、ソマン・ガルトだ。この街のもめ事をすべて解決するすばらしい人物だ。元は冒険者だったが今は手伝ってもらっている」
    ヘプタ:あ、お邪魔じゃありませんか?
    DM/ネヴァレンバー:「なに、構うことはない。我々のことにも気づいているかどうやら」
    サブマス/ジェイド:さっき肩を叩かれたとき、体格がどんな具合かわかります?戦いの訓練を受けた男かどうか、とか。掌が柔らかいか、硬いかとか。
    DM:がっちりとした男で腕は太く、掌にはタコがある、戦う者の手です。

     贅を尽した食事が運ばれる。
    「ネヴァーウィンターには君達のような冒険者が必要だ。この街は今、数多くの厄介事を抱えている。……いや、街の復興自体は順調なのだ。だが、地下からはネズミどもが顔を出し、墓場ではサーイのレッド・ウィザードが死体に手を出している。北のネヴァーウィンター森にいるサン・エルフ達は先祖の財宝を返せとうるさい。
     そこでだ。我々“新たなるネヴァーウィンター(ニュー・ネヴァーウィンター)”は是非とも君達のような腕利きに協力してもらいたいのだよ。この鎧兜は先の墓地での働きへの礼、そしてこのバッジは所属の証明だ。受け取ってくれ」

    サブマス/ジェイド:これ、受けようと思うんですが、ヘプタは大丈夫? 敵対勢力に属すことになっちゃうけど。
    ヘプタ:いや、相手の情報を内部から調査できるんでOKッす。

     承諾の返事を聞いて、守護卿はさらに上機嫌になり、世間話に更に花が咲く。
     ジェイドの鎧をウォーターディープの作りと見抜けば武具の話。復興の仕事で多忙といいつつミシュナを誘うといった具合である。だが話がウォーターディープの街に関わると、その一瞬、年相応に疲れた表情を浮かべた。
    「あの街は陰謀が渦巻く街だ。今となってはあまり帰りたいとは思わんな。先月もサンという貴族の家が襲われ、家族は行方不明。家宝のサン・ブレードも奪われていずこかへと消えたという」
    「――!」
     その狼狽を押し殺すには、ジェイドは若すぎた。
    「どうなされた?」ダガルト・ネヴァレンバーの銀青色の瞳がじっとジェイドを穿つ。
    「おう。ジェイド殿の盃が、空いている」落ち着いた女の声が助け船をだした。セイバイン将軍(いやサビーヌ師というべきか)であった。すかさずヘプタがブラックレイク地区を本拠とするレジスタンス、アラゴンダーの息子たちについて話し、話題を逸らした。


    情報屋ジャーヴィ
     一方こちらは座礁リヴァイアサン亭、残された死に損ないと妖精のテーブル。
     どん、と大きなパイが置かれる。香ばしく食欲をそそる匂いが漂う。
    「へへへ、ゾンビ退治の英雄さんに、あっしからの差し入れで。ジャーヴィのミートパイ、ネヴァーウィンターじゃちょっとは知られてます」赤ら顔で良く太ったハーフリングだった。
    「タラン、あちらの席の方々にも」とエイロヌイは切り分けて振舞うようにと下僕に命じる。「さすが英雄さん達だ!」歓声が上がる。彼女がパイに手をつけたのは、振舞った相手に何もおきなかったのを確かめた後のこと。セイヴは苦笑しつつ、一切れつまむ。
    「旨いじゃねえか!」
    「喜んで貰えて何よりで。実はあっしはパイだけでなく、耳寄りな話も売り買いしてましてね。これからも皆さんにもいろいろ使って頂きたいんで……」

     こうしてハーフリングが二人に語ったのは以下の通り
    「“守護卿”?自称ですよ、アイツはこの街の王様になりたくて躍起なんだ。アラゴンダー王家の血を引いてるって証し立てるのに苦労しているようで。とはいえこの街にはアイツなんかのために嘘八百並べ立てるような賢者サマはいやしません。
    「確かに金も力もありまさァ。けどね、“アラゴンダーの息子たち”みたいに元からこの場所にいる連中にとっちゃ、弱り目に乗り込んできた図々しいヤツですよ。
    「まぁ、こんなこと守護卿区で言ったらあのおっかないセイバイン将軍にぶった切られちまいますがね。アイツは血も涙もない女だ」

    セイヴ:「守護卿のもとで働いた方が良いのか、それともアラゴンダーの息子たちの方で働いた方が良いのか、その辺はどうなんだ?」
    DM/ジャーヴィ:「そいつァ、あっしも考えないようにしてます。どっちが勝ったって儲かればいいって話ですよ。まぁ、呼ばれていったお仲間の方々はいろいろ面倒押しつけられるんでしょうねえ。下水道の始末とか。この街の地下にはワニや、グリーンスライム、ネズミ。そしてもっとやばいクラーケンなんかもいるんですよ」
    セイヴ:「おいおいバカ言うな、なんで下水道なんかにクラーケンがいるんだよ!」
    DM&サブマス:「だよねえ……」(詳しくは『ネヴァーウィンター・キャンペーン/セッティング』を参照)
    セイヴ:「そいや、この間ネヴァーデスの件で“ネヴァーウィンターの王冠”とやらを取り返して、依頼主に渡したんだが、あれについて何か知ってるか?」
    DM/ジャーヴィ:「みんな、あれがネヴァーウィンターの王冠だった噂してます。この街の正統な後継者のみが被ることができるってね。まぁ、この件についちゃもう少ししたらおもしろいことに……」

    「おい、ジャーヴィ。テメェ話しすぎだぞ」近くのテーブルから声がかかる。目つきの鋭い若者だった。「へへへ、じゃあ、また市門の広場んトコで」と引きずられながら笑うハーフリング、なかなか憎めないヤツだった。
     と、その時。表通りで悲鳴が上がった。先日の死人大行進の時とは違い、被害者がだいぶ出ているようだ。苦痛に叫ぶ声に断末魔の叫びも混じっている。
    「この世界はイベント満載ね」エイロヌイは済まして口元を拭う。
    「厄介事には首を突っ込む性分でな!」セイヴはパイをひとかけら放り込み、席を立った。


    荒廃クリーチャー
     港は大騒ぎだった。
     ジェイドとヘプタ、ミシュナはちょうど守護卿区から船で戻ってきたところに、この騒ぎに出くわした。
     耳を聾するのは群衆の喚き泣き叫ぶ声の不協和音。
     下水の格子蓋が押しのけられ、呻き声を上げて異形が這い出してくる。かろうじて人の骸骨のようだが、その四肢はありえない角度にねじ曲がり、がくがくと痙攣する頭の眼窩には青い炎がちらついている。
     港へと口を開いた配水管からは鱗で覆われた二足歩行の大トカゲ、ガード・ドレイクが表れる。その体からは異様な組織がつきだしていた。
     かつてこの世界を襲った魔法の暴走、“呪文荒廃”が残した“荒廃”クリーチャーであった。

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    「良いところに帰ってきたな!」ジェイド達を迎えてにやりと笑うのは白き死人の顔、セイヴである。その後には眩い美貌の精霊。逃げ惑う群衆も何かを感じるのか、その二人を避けてゆく。
     荒廃クリーチャー達は無差別に群衆に襲いかかる。その数も一人や二人ではなく、下水につながるあちこちから湧き出していた。ただちに戦いが始まる。

     足を引きずり、ガクガクと体を揺らして人のなれの果てが、ミシュナとへプタの前に立ちはだかるジェイドにつかみかかる。爪が鎧を引っ掻き、青い炎を残すが手傷を与えるには至らない。
    「――任せた」
     ジェイドの背後でミシュナは、配水管から岸壁に上がって来たドレイクに向き直った。らんらんと光る瞳は逃げ惑う群衆に釘付けになっている。そちらに近づけてはならない。
     手早く呪文を詠唱し、ミシュナはドレイクの本能を絡め取る“惑わしの網/ビガイリング・ストランズ”を紡ぎ出す。ドレイクは体こそ逞しいものの、精神は子猫のようだった。ミシュナは難なく二匹の狩猟本能を操り、海へと誘導する。一頭はそのまま海中へ落下、とっさに踏みとどまったもう一頭も態勢を崩し転倒する。
    「片方残った!」
     ミシュナの警告を聞き、ジェイドは踏みとどまったドレイクに突進。斬りつけた後に盾を打ち付けて岸壁から叩き落とす。しかしまだ爪は石組みを掴んでいる。まだ、足りない。
     そのドレイクの鼻面を、飛び込んできたセイヴが切り払う。雨のように血が飛び散り、のけぞった首に左手の小剣が一閃。更に深手をみまう。“二刀連撃/デュアル・ウェポン・アタック”の技の冴えである。
     背を向けたジェイドとセイヴを追おうとする人のなれの果て、エイロヌイと従僕タランは隙なく進路を阻む。
    「死ぬ死ぬ死んでしまう!」叫ぶへプタ。「死なねえよ!」と答える死人のセイヴ。
    「うひゃあ! こいつはおもしろくなって来やがった」と呟くのは港にとどまって、冒険者たちの戦いを目に焼き付けようとしていたジャーヴィ。
     その目の前に、一人の鎧姿が現れた。
    「あれは!」
     斬り合いの手が一瞬止まる。

     その人物は、港の建物の上、人のなれの果てで溢れかえる屋上に立っていた。
     血煙混じりの風に翻るのは紫色のマント。顔は兜に隠れているが、兜の上に輝くのはミスラルで作られ、サファイアをちりばめた冠。ジェイド達はその冠に見覚えがあった。
    「ネヴァーウィンターのために!」
     彼は叫び、剣を掲げた。冠から冷たい炎が剣へと流れ、魔法の刃を形作る。

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    ヘプタ:「ネヴァーウィンター仮面!」
    全員:えええええ!
    DM:そんな名前でいいのだろうか……。民衆達の目は彼に釘付けになっています。
    サブマス/ジェイド:冠を被っていると言うことは本物か!

    「あれは! あれこそは王の証し!」
    「俺たちが待ち望んでいた、本物の王だ! ネヴァーウィンターの王だ!」民衆の声が谺する。
    「ともに戦おう、ともがらよ!」彼は民の声に応えて胸を張り、剣を振るう。
     歌声が流れてくる。河の水凍ることなく、冬訪れぬことなき街、北方の宝石、ネヴァーウィンターを歌う古い歌だった。
     街路のあちこちから、あり合わせの武器を手に男達が集まってくる。そして、ネヴァーウィンターの旗が翻る。
    「アイツらは“アラゴンダーの息子たち”……、このバッジ、どうするッす?」ヘプタの怯えた声。
     怯えるには理由がある。ジェイドとヘプタ、ミシュナの胸にあるのは、“アラゴンダーの息子たち”に敵対する“ニュー・ネヴァーウィンター”のバッジである。


    戦いはまだ、終わらない
     あなたは兜の下で、ほぞをかんだ。
     現統治者ネヴァレンバー卿の要請に応え、ニュー・ネヴァーウィンターの一員となったその直後に、間違いなくネヴァレンバーの敵となるだろう人物、ネヴァーウィンターの王冠保持者と肩を並べて戦う。
     民衆の反応はこのネヴァーウィンター仮面を、ネヴァーウィンターの真なる王その人と信じ切っている。その隣に、いま自分がいることがどのように人々の目に映ってしまうのか。そしてそれがあなた自身の立場をどう左右するのか。
     また、ネヴァーウィンターの血統に連なる者があなた一人と限ったわけではない。ネヴァーウィンター仮面が遠い血縁である可能性はあり、彼が義父の襲撃についてなにをか知っている、あるいは中心人物であることすらあり得る。
     にもかかわらず、この事態の主導権はあなたにはないのだ。

     熱狂の声は止まない。
     最後の荒廃クリーチャーを斬り捨て、ネヴァーウィンター仮面は剣を群衆に向けて掲げ、打ち振る。王を讃える声が最高潮に達した。その群衆の顔に黒い影が落ちる。一拍遅れて羽ばたきの風が掲げられた旗を打ち倒した。
     群衆の声が止む、息を呑む。視線は旋回する影を追っている。空の上だ。

    「まだだ、まだ敵は去っていない。ヤツがくる」
     ネヴァーウィンター仮面があなたの隣で呟いた。そして、轟音。
     港の望楼に、雷鳴と友に舞い降りた巨体があった。
     白い鱗に、青い火花が飛び散り、紋様のように荒廃の魔力が脈打っていた。
     白龍であった。
    「行くぞ、英雄達よ」
     彼は、そう言うと剣を構えなおす。
    「尋ねたいことは山ほどあるが、今この時は共に戦おう」
     あなたはそう答え、剣を構え直した。

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    ジェイドの決断まとめ
    初回:
     問い:成人の誓いはどの神に誓う?
     決断:“幸運の女王”タイモラに誓う。「身寄りのない自分が己の運命を切り開くのに必要」属性は善となる。

    二回目
     問い:衛兵に絡まれているヘプタとセイヴ、あなたはどのように振舞う?
     決断:「兵士は横暴だ。あの二人に言い分がある。力ずくで助ける」

    三回目
     問い:王権を証し立てるネヴァーウィンターの失われた王冠。これを前に、あなたはどうする?
     決断:「まだ正体を明かすべきではない」王冠は被らない。

    四回目その一
     問い:あなたは自分がネヴァーウィンター王家の血を引くことを仲間に、明かすか?
     決断:まだその時ではない。明かさない。

    四回目その二
     問い:あなたがネヴァレンバー卿の元に連れて行く、信頼できる仲間は誰か?
     決断:ネヴァーウィンターをよく知るヘプタ。ネヴァーデス墓地での事件の当事者であるミシュナ。
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