8/31 14:30 15:30 17:30
9/16 21:00 加筆修正
【認識図】
①対象から与えられる感覚 ⇄ ②観念・概念(材料と感情)と 注意力
(比較)
↓
③情報
①は人間であればおおよそ同じ閾値レベルで、意識無意識問わず、対象からもたらされるもの。
②は、①に対して先入観を与える事もあれば、気づく気づかないの注意力を介在して、感覚した信号を取捨選択、またその信号を既存の記憶、いわば観念や概念のフィルターを通した上で認識、理解。
③この比較結果を情報として得る。
前稿関連の例として触れておきたいことがあります。
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コメントを書く【関連過去記事】
第3回SBT bottle D@タケモト出題 正解発表
http://www.whiskylink.com/?p=20406
【正解ボトル】 グレンアルビン Glen Albyn 21yo 1963 (40%, G&M for Sestante) 75CL イタリア向け
【テイスターの皆様から頂いたコメント】 第3回SBT ボトルD評価
【出題者スコア】 93 pts
~出題者のテイスティングノート~
【ファースト】:琥珀 据えた香り(+) 上面発香勢いがある ややスミレ 杏 ブドウの皮 軽い酢酸 時間とともにカスタード シナモン オレンジピール
【ミドル】:ボディは丸みがあり、緩い 瑞々しい 干し柿 キャラメルプリン
【フィニッシュ】:返り優先 鼻抜けも心地いい 経年でオブラートされた(粘性の中の)スパイス感 辛み 余韻は焦げた麦+ブドウの種
第三回SBTにご参加いただいた皆様、また企画運営をしていただいたT.Matsukiさん本当にありがとうございます。
出題の目的といたしましては、自分が今現在最も好きなタイプのボトルをサンプルとして提出し、多くの熱心なテイスターの方々に感想を伺ってみたかったということに尽きます。
「ランシオ」という表現がウイスキーにもされますが、私が最初にこの言葉に触れて、日本語の意味として「貴熟香」と訳されていたことを知ったとき、イメージしたのは本ボトルのような香りでした。どちらかというと、貴熟香はオールド香とイコールか、または内包されるというイメージでした。
また自分にとってのオールドボトルの魅力、それは一体何なのか?できるかぎり余すところなく言葉にするならば、どう表現できるのか?これまであれこれ試しながらも長い間悩み続けた懸案事項でした。
今回みなさんのお力を借りることで、ひとつの答えが出ました。本当に感謝しています。
T.Matsukiさん:セクシーで素晴らしく陶酔感のある(強い)発香
くりりんさん:古いウェアハウスに連れて行かれたよう。少し埃っぽい古びた香りに、カラメルシロップ、艶のある甘さ、麦の香ばしさ、ナッツ、微かにレーズンの酸味
ガースーさん:爽やかな林檎、若いアルコール感、黒糖、麦感、ビター少し火薬
ピート由来か?軽く焦げ感も
goblinさん:非常に癖のある樹の匂い。ハーブ感も。奥に南国フルーツの香りも。
あだもさん:非常に素晴らしい高貴なシェリー感、非常にきれいにシェリー樽の良さがでている。鉄板で美味しいタイプ
りゅうたにさん:オールド感、スペイサイド系の花を感じるが、少しピート感がある。
2chの人さん:シェリー香、日本っぽい土
ledさん:香:タクアン、そばつゆ
kssiさん:上質のベリー感満載、「おっ!」と思わせるワクワク感がある。長熟のシェリー樽
naoskprsさん:いきなりのオールド感、嫌ではないヒネ香、ほししいたけ
ご参加いただいたみなさんのテイスティングコメント、そのすべてを融合すると、この古っぽいけど上品高貴な、ウイスキー独特の「貴熟」さ、オールドボトルの「魅力」が見事に説明されていると思います。
この点だけでも今回のSBT、個人的に大感謝です。
もうこれは自分一人では表現し尽くせない範疇までを、参加していただいたテイスターの方々の感想をまとめて、俯瞰することで、ようやく理解させてもらったという感じです。
自分一人では表現できないにも関わらず、複数人の感想を融合させてみたコメントを読んでみると、「あぁ そうだそうだ、その通り!」とそれぞれの要素について、すべからく納得できている自分がいるのです。
不思議です。
本当に面白いです。
これはやっぱり、ウイスキーは一人だけでは味わい尽くせない、理解できない、表現できないものなんだなと改めて思いました。
セクシーで、でも埃っぽく、癖があるけど果実的、オールドっぽく、スミレの花っぽく、土っぽく、ヒネてもいて、ピートを感じ、干し椎茸のようで、出汁的な要素もあって、タクアン的でもある、しかし「おっ!」とおもわせるワクワク感がある。
これが本ボトルの魅力、特にオールドボトルの普遍的魅力(の一部)を見事に表現したフレーズだと思います。
出題ボトルはグレンアルビンという、決して有名どころではない蒸留所でありますが、概してこういう香味、とくに香りの部分に関して、思いつくところでもマッカラン、リベット、タリスカー、リンクウッド、ストラスアイラなど往年の、特にG&Mの70-80年代詰めに共通して見られるもので、別にアルビンでなければ出ないというわけではないと思います。
(またスプリングバンクを含むケイデンヘッド系列にも、似ているようでちょっと違うという感じのニュアンスがあるように思っています。)
出題しておいてなんですが、私もハウススタイルのみでは蒸留所を当てる自信がありません。
でもテイスターの皆さんに、20年前後の熟成年数を指定されている方が多く、この点は驚きました。
多くのウイスキー好きの方に、加水ヴァッティングのノンメジャー蒸留所ではあっても、総合的な熟成年数のイメージが成立しているんだなと感銘を受けました。
今回はサンプル提供させていただいた私自身が、最も勉強させてもらいました。
ウイスキーは誰かから教わるようなものではなく、参加して一緒に楽しむことではじめて納得できるものだと思います。どうしてもそこに言葉は介在してしまいます。一つ一つの言葉は完璧に自己投影できるものではないかもしれません。でもそこに実体験があって、それらの言葉が組み合わされて、なおかつ複数人で表現し合えば、おのずと真価は見えてくるのではないかと。
各人がそれぞれに持つ感想は曖昧でも、集まればそれは普遍なものに昇華できる可能性がある。。。
複数人で、多角的に感想を共有することで、自分一人では認識し得ない境地に理解が及ぶ。。。素晴らしい試みだと思います。世界的に見てもスコアリングのみが集積されることはあっても、細かなニュアンスの共有を図っている団体を他に知りません。
この企画、イベント、WLは大切にしていかないといけません。
偉大なウイスキーの足跡を現代に残しましょう。参加できていることを光栄に思います。
本当にありがとうございました!