、外務省国際情報局長、駐イラン大使などを歴任した孫崎享)(81)が、新著『私とスパイの物語』(ワニブックス刊)を上梓した。帯にはこう記されている。<MI6CIA、モサド、KGB 日本で最もスパイと接触・交流した外交官の自伝的回想録>
 そう、日本ではあまり知られていない「スパイの世界」を、自身の実体験から詳(つまび)らかにした衝撃の書なのだ。出版を記念して、「中国ウォッチャー」の近藤大介と孫崎享氏が、約2時間にわたって「スパイ対談」を行った――
各国のスパイとの交流経験
近藤:このたびは、トランプ大統領という「物騒な大統領」が出現した矢先に、物騒な本を出されましたね。『私とスパイの物語』なんて、タイトルからして手に取るのを躊躇(ちゅうちょ)してしまう()
孫崎:ハハハ。私は1966(昭和41)年に外務省に入省し、2001年に駐イラン大使を最後に退官するまで、計35年にわたって外交官生活を