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  • 山田玲司のヤングサンデー 【第140号】「エヴァンゲリオン」ではいられない理由

    2017-06-19 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第140号 2017/6/19

    「エヴァンゲリオン」ではいられない理由

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    「自分を救ってくれた曲」ってのもあるけど、「自分を救ってくれたドラマ」ってのもある。


    今週話題にしていたアメリカの大ヒットドラマ「フレンズ」は、僕にとってそんな「自分を救ってくれたドラマ」の1つです。


    とはいえ、何しろ94年のドラマなものだから、今更そのドラマについて語るのは引けると思っていたけど、今回、我らが東村アキコが入院して居た時にこのドラマにハマっていたと聞いて、これは語れるチャンスだと思い、思いっきり「フレンズの回」がやれて幸せでした。



    1994年と言えば「エヴァンゲリオン」登場の前の年です。


    日本ではバブルが本格的に弾け、経済的大混乱の中、翌95年には「阪神大震災」と「オウム無差別テロ事件」が起こります。


    それまでの「なんとかなるんじゃない?」みたいな雰囲気は消し飛び、「何か」を忘れようとせんばかりに「巨大ディスコ」で半裸の女達が派手な扇子を振りながら踊り狂っていた時代です。


    表面的には浮かれている様に見えて、その実「大人も子供も」先の見えない時代に怯えていたのがこの時代です。


    そんな頃に発表された「エヴァンゲリオン」には、80年代の「華やかで楽観的な空気」は無く「得体の知れない不安と焦燥」と「行き場のないリビドー」が画面を支配していました。


    「エヴァンゲリオン」は、その時代の空気を見事に捉えたわけです。

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    エヴァンゲリオンを一言で言えば「孤立した人間達の孤独の叫び」でしょう。


    大きなテーマは「親の問題」です。


    若いキャラクター達は皆、「不完全な親」に、怒りと憎しみを抱えながら「愛を渇望」しています。

    そして彼らは、そんな苦しみを誰とも共有することが出来ずに「1人で苦しむ」しかないのです。


    当時も今も日本人の多くがこういう状況にいるので、この作品が大ヒットしたのも頷けます。


    「ダメ親ばかりの悲しい国」とも言えますけど、言い方を変えれば、この国はまだ「親に対しての期待が残っている」とも言えるのです。


    同時期のドラマ「フレンズ」でも、「どうしようもない親」は沢山出てくるし、娘を兄と比較して、否定しかしないモニカの母親は、今だと典型的な「毒親」と言われる母親でしょう。


    育児放棄や自殺した親など、エヴァンゲリオン同等のキツい親を持ったキャラクターも出てきます。


    しかし、エヴァンゲリオンと決定的に違うのは、フレンズのキャラクターは「孤立」していないのです。

     
  • 山田玲司のヤングサンデー 【第139号】「努力」「修行」は必要ない!?

    2017-06-12 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第139号 2017/6/12

    「努力」「修行」は必要ない!?

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    「山田君さ、真心ブラザーズに会ってみてくれない?」


    こんな話をもらったことがあります。

    もうかなり昔の話で、僕が真心ブラザーズと対談して(小学館の)ヤングサンデーの記事にするって話だったと思う。

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    これは大変だ、真心ブラザーズの曲をほとんど聴いてない!

    なんて、大慌てで彼らの曲を聴きながら漫画を描いて、自分なりの「真心ブラザーズ論」なんかを考えて準備して、その日を待っていました。


    ところが、真心ブラザーズのレコーディングが予定通り進まなくて、僕の対談企画も流れてしまい、それは「幻の対談」になってしまったわけです。


    まあ、こんな事はよくある事なんでいいんだけど、それより真心ブラザーズを聴きすぎた僕は個人的に彼らが気に入ってしまって、今でも時々聴いてます。


    彼らの曲はYO-KINGの「うるせーな!負けねーぞ!」というノリが好きなんだけど、いつも頭に浮かぶフレーズがあって、それは「サティスファクション」という曲の中のこれらのフレーズです。


    「俺は満足している。俺は大満足」


    「今持っているものに浸る。無い物ねだりで悩まない」


    「不満はダサい」


    「努力、修行も必要ない。今のままで幸せだから」


    ってね。


    これがやたらと頭をよぎるのです。昔から。


    まあ1言で言ったら「知足」って話です。足るを知る。満足を知るってことだけど、これをこんなにストレートに宣言されると頭に残る。


    「不満はダサい」ですからね。



    僕はと言えば、これとはかけ離れた人生です。

    「何かが足りない」だの「もっと先を目指して」だの「血を吐いてでも進め」だの、いつも言ってきました。


    でもね。

    おそらくこれを書いた「YO-KING」も、僕と同じ「野望の病」に苦しんでいた人なのだと思うのです。

     
  • 山田玲司のヤングサンデー 【第138号】「本当のバカ」とは?

    2017-06-05 07:001
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    山田玲司のヤングサンデー 第138号 2017/6/5

    「本当のバカ」とは?

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    最近、気がつくと「死んだ人の声」を探している。


    昔なら「そんなの無理な話」だったろうけれど、今はYouTubeなんかに「もう生きてない人の対談番組」とか「講演会」とか「インタビュー」が沢山上がっているのだ。


    テレビは「うわべの話」と「うわべの笑い」ばかりで観る気にはなれない。


    そんなこんなで、作画中にずっと「昔の人の声」を聞いています。


    今も生きている人でも何年か前の声を聞くと、それはもう別の人に聞こえたりします。


    そして、多くの人の会話は「生きている」のです。

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    そんなわけで、かなり昔の「細野晴臣、大滝詠一対談」を聴いていたら、素晴らしいくだりがありました。


    この2人は大学生からの友人関係です。

    ご存知「はっぴいえんど」で、一時代を築いた伝説の人です。


    そんな2人が、だらだらと、どうでも良い事を話している様で・・・その実「かなり深い話」をしているのです。



    2人は言います。


    「海の生き物はいいよねえ」

    「餌なんかさ、いくらでもあるじゃない、プランクトンとかさ」

    「自分自身も餌なんだけどね」

    「そうそう」

    「でも、それに気づいてないじゃない」

    「それがいいよね」

    「自分とは何ものだ?なんて考えないじゃない」

    「最高だよね」


    大体そんな感じで話しています。


    「なのに、わざわざ海を捨てて陸に上って来たのが、僕らの祖先じゃない」

    「バカだよねえ」

    「バカだよ」

    「だから、バカになってないとやってられないんだよね」

    「そもそもバカだからね」


    なんてね。


    もうずっと聴いていたい。



    陸に上がった魚の進化について、科学者なんかは、「その昔、海は恐ろしい肉食生物が増えて、弱い魚は川に逃げ込んだりして、岸辺の水草をかき分けるためにヒレが手足が進化して「陸」という「新天地」を手に入れたのだ」なんて言ってます。


    それもまた「本当のこと」なのかもしれないし、そういう話も好きなんだけど、「海はいいよねえ」なんて「絵本」みたいな世界観の話も好きです。



    ここで言う「バカ」ってのも興味深い。


    僕らのご先祖様は、生き延びるためにヒレを足に変えてまで(うきぶくろを肺に変えてまで)陸に上がった、「かっこいいバカ」でもあるわけです。



    1方で、

    「そこまでしなくてもいいじゃない」

    「餌になるのもいいじゃない」


    なんて言ってたのが、今も海にいる連中で、こっちの方がなんだか悟っている気がして悪くない。

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    ところで。


    「バカ」と言えば、近年やたらと「〇〇はバカ」「頭が悪い」「論破」「瞬殺」なんていうキャッチを目にする。