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記事 4件
  • 山田玲司のヤングサンデー【第21号】「イライラするなら大丈夫」という話

    2015-02-23 07:00  
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第21号 2015/2/23 「イライラするなら大丈夫」という話
    ─────────────────────────────────── 今回のニコ生では盟友の 東村アキコ 先生が出てくれて、予想以上の大活躍をしてくれてましたね。
    彼女は根っからの「エンターテイナー」で、 みんなが喜んでくれる事が1番大事なことだ と思っている人です。
    なので、今回僕の放送に来てくれると言ってくれた時点で「あ、もう大丈夫だな」と思っていたのですけど、本当に見事な活躍でしたね。
    ベテランの担当編集に言わせると 「売れる漫画家は話が面白い」 らしいです。
    僕の友人の漫画家も話が面白い人は確かに売れてます。
    これはつまり 「相手を楽しませたい」という思いがある人は「つまらない話」などして相手をがっかりさせたくない わけで、こういう思いが漫画に出るので人に求められる漫画が描けるのだと思います。
    この日は「僕も対談を観たい!」と言っていた 志磨遼平 も特別出演してくれて、初の 「泥酔放送」 へ突入。完璧でしたね。
    メジャーで活躍してる2人の持ってる 「楽しませる力」 がオーラとなって渦を巻いてたのを感じて「さすがだなあ」と思っていた山田玲司です。
    そんなわけで大成功の東村アキコ回でした。
    東村アキコ先生と志磨遼平と山田玲司には共通点がいくつかあるのですが、とにかくこの3人は 「生きている速度」が速い という点で共通しています。
    志磨遼平は「止まると俺死ぬから」という歌を歌っています。
    東村漫画はキャラクターがずっと走っています。
    そして僕もずっとあせって生きていました。
    いくつも「やりたいこと」や「なりたいもの」があるのに、自分はまだまだ何もできてない、と思って生きていて、今もそうなのです。
    つまり、この3人は、 ありあまるエネルギーを持て余してきた人間たち なのです。
    「あなたたちはやりたい事で成功しているからいいじゃないか」と言われれば、確かに今はある程度は夢が叶っています。
    でも、 何度も 「何も進まないままイライラしているだけの毎日」 を味わってきた人間でもある のです。
    自分は偉大な人間だと(根拠なく)思い込んで、誰かに憧れて、努力もしているのに何も報われない日々です。 夢に近づく事を「階段を上っていくこと」だとすれば、階段には「踊り場」があるといいます。
    「何をやってもうまくいかない時期」ってのは、あるものなのです。
    そういう時期は「なんとかなるさ」なんていいつつ、あせってイライラするものです。
    でも僕はこういう時の「イライラ」が心の中の内圧を高めると思うのです。
  • 山田玲司のヤングサンデー【第20号】巣を見る女とおっぱいを見る男

    2015-02-16 07:00  
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第20号 2015/2/16 巣を見る女とおっぱいを見る男
    ─────────────────────────────────── 前回は僕の好きな映画の話ばかりしてしまったので、今週は逆に おっくん の好きな映画を語ってみようと思って、観てみました。
    おっくんのベスト3に入っていた映画なのに観てなかった『 レボリューショナリーロード』 と『 君に読む物語』 の2本です。
    まあ、僕が無性に映画を漁ろう(主に名画と言われるやつ)とかしてる時は だいたい 「ネームから逃げている時」です。
    ストーリーの流れは出来てるものの 「何か違う気がする」 とか 「俺はもっと面白いものが描けるはずだ」 とか思ってのたうち回っているいる時なのです。
    なまじ、キャリアが長くなり、多くのモノを知ってしまうと 「これはアレに似ている」 とか 「これはあの人がやってた」 とか思ってしまって、ネームがとにかく進まない。
    自分の中の「評論家」を殴って眠らせてしまいたい。
    そんな時、映画とかを純粋にお客として楽しむ事ができれば「俺も頑張る」とか「俺ならもっと面白くできた」とか、 漫画家の自分が盛り上がる わけです。
    さて、あの おっくんが 「ここまでするか!?」 と、言っていた 『レボリューショナリーロード』 ですが、確かにかなり 辛い映画 でした。
    あの『タイタニック』で純愛を果たした2人(デカプリオとケイト)がもし生きていて、結婚してたらこんなだぜ、みたいな製作者側の「悪意」が匂う(気がする)映画でした。
    恋愛とかが終わって結婚が 「暮らし」 になると、それまで2人を繋いでいた 「夢」 みたいなものがどうなるか? みたいな恐ろしいことが主題の映画です。
    これは僕みたいな「夢がないと生きていけないタイプの人間」にとってはどうしようもなく「逃れようのない問題」です。
    恋という魔法は相手を「特別な存在だと思わせる魔法」をかけてしまう し、「自分の選んだ相手は特別であるはず」と思いたいものです。
    ところが2人が結ばれて「恋」が「生活」に埋もれていくと 「相手も自分も特別ではないただの凡人」 だという現実が露呈してくるという話です。
    いやー恐ろしい。
    これは『ブルーバレンタイン』でも描かれているテーマで、実にアメリカ文学的な題材だけど、まさに今の日本人が対面している問題でもありますよね。
    「私は特別だ」という思いは日本人の誰もが1度は心に抱く思いです。
    ドラクエにしろ、ポケモンにしろ、セーラームーンにしろ、 主人公は 「特別な存在」 として選ばれています。
    この映画は 「自分は特別だ」と思っている2人による平凡との戦い(脱出劇) と、その 絶望的な末路 が映し出されています。 そこには 「完璧な人生」を望んで、それ以外は不幸だと思ってしまう現代人の 「底なしの不幸」 が描かれています。 と、同時に、 「私は平凡で幸せ」 と思っている他の人達の現実も残酷に暴いていくのです。
    劇中、ある登場人物によって語られる 「本当は脱出する勇気がないんだろ?」 という恐ろしいセリフ。 これは 「凡人は凡人であることを本当は望んでいる」 という恐ろしい話です。 そしてもう1本 『君に読む物語』 です。
    この映画は恋愛における 果てしない理想の結末 が描かれています。
    「若い僕は君と出会い、死ぬまで愛しあった」という話なので、何かをツッコむのも野暮な映画です。
    この2本の映画は、それぞれ 恋愛の「過酷な現実面」と「甘い理想」の両面を描いている対極的な物語 なのだけど、面白いのはその中にもの凄く 「本質的なテーマ」 が語られていることです。
    それは 「巣作り」 です。
  • 山田玲司のヤングサンデー【第19号】愛なしで生きられるやつは「嘘つき」か「本物のバカ」か?

    2015-02-09 07:00  
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第19号 2015/2/9 愛なしで生きられるやつは「嘘つき」か「本物のバカ」か?
    ───────────────────────────────────
    2月4日の放送では 「恋と人生に効く映画って何だ?」 みたいなテーマでやってみました。
    この国では 恋愛離れ が進んでいて、それが「少子化」につながっていて問題だ、みたいな事はどうでもいいんですが、やっぱり僕は「人が恋に落ちて普通ではなってしまう」ことっていいな、と思うわけです。

    「好きになった相手を自分のものにしたいと思う」 とか 「誰かのものになりたい」 とか
    あけくに 「殺して欲しい」 なんて言い出すことすらある。
    そんなに激しい感情でなくても 「頭をなでて欲しい」 とか 「側で寝息を立ててる」 とかでも人は幸福を感じたり、何ならそんな些細な瞬間を支えに生きれていたりもするわけです。

    でもこの 「恋」 ってやつは 良いことばかりではない 。
    簡単に自分を犠牲にできるほど僕らは「美しい社会」に暮らしてはいないのだ。

    「資本主義だの合理主義の果て」に暮らしている僕らは、 恋の相手にまで点数を付ける 。

    自分が好きなだけの話なのに「みんなの評価」を気にしたりする。
    「ずっとお金を稼げるか?」 とか、 「自分を永遠に愛してくれるか?」 とか言い出す。

    「愛」が欲しいのか「ぬくもり」が欲しいのかわからなくなったり、出会う相手を片っ端から「審査」している人も多い。
    そして100%の相手が見つかるまでは、部分的に満足させてくれればいい、と「SEXだけ」とか「世間体だけ(結婚)」とか妥協してみては、割り切れなくて苦しんだりしている。

    じゃあ、そんな愚かな行為(誰かを好きになること)なんて止めたらいいと思うかと言えばその反対で、 僕はこういう人の営みが(迷いも邪心も含めて)とても愛おしく思う 。
    必ず勝つと決まっているスポーツが面白くないように「ままならない」からこそ恋愛は輝く。

    だけど、 心が傷つくのは嫌だから つい安全な道を選ぼうとしてしまう。
    本気で好きになった相手に「何こいつキモい」なんて言われたら気分は「世界の終わり」だ。
    大好きな彼女が連絡取れなくなったと思ったら、他の男と寝ていたとか、まったく恐ろしい。
    それなら1番安全なのは 「恋をしないこと」 だろう。

    「最近の若者は恋愛をしない」なんて言われているけど、 本当は恋人に愛されたいに決まっている 。
    ただ、安全で完璧な相手が現れて「私じゃダメ?」とか言ってキスしてきてくれないだけだ。

    そんな事起こるわけない?
    起こります。 漫画の中 では。 アニメの中 でも起こります。

    そんなこんなで 男たちは「完璧な美少女の告白」を待っている し、 女たちは「完璧な男からのプロポーズ」を待っている 。

    日本の漫画やアニメ(のほとんど)は 「起こるわけないこと」 を描いて、寂しい心を癒やすようにできているのです。
    それはそれで「文化」で「役割」もあると思うけど、 それで自分の「本当の気持ち」を誤魔化し続けるのはもったいないと思う 。



  • 山田玲司のヤングサンデー【第18号】「ガス抜き」は「年上」を使え!

    2015-02-04 07:00  
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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第18号 2015/2/4 「ガス抜き」は「年上」を使え!
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    どっちにしても人生ってのはご機嫌なことばかりじゃない。
    「ご機嫌」でいれば周囲の人間を無闇に不快にさせたりはしない し、 笑っていれば「最悪の心理状態」にはならずに済む ので、ろくでもない人生もなんとかやり過ごせる。
    とはいえ、人は自分の人生を誰かと比べて 「マイナス評価」 をしてしまう生き物だ。
    「相手と比べるなんてバカげてる」とか「比較しない」とか言われても、そんなの簡単にはできない。
    「隣の芝生が青く見える」のが人間 なのだと思う。

    僕も 「あいつのほうが売れてる」 なんていう下らない思いに未だに苦しむ。
    心の底から「比較は意味がない」とか「自分は自分」とか思っているのに、 誰かが爆発的に売れていたり、評価されたりすると「自分はこんなにさえないのに」と思ってしまう。
    そもそも、あのブッダですら80歳になっても迷っていたというのだから仕方のないことだとは思う。

    しかし、問題は、 そんな「人生がままならい時」「笑えないくらいストレスがたまっている時」にも人に会わなければならない時がある ということだ。

    【自分を不幸にするガス抜き法】
    イライラしている人が学校や会社に入ってくる。その瞬間、他の連中は 「関わらないようにしよう」と一斉に 心の距離 を取る 。
    「イライラ」をぶつけられるから だ。
    イライラしている人間が年上だったら最悪だ。 自分は悪くないのに、年下は何かと 「サンドバック」 にされる。理不尽極まりないが、 これが儒教(年上は絶対主義)で作られた日本人社会だから逃げようがない 。
    この国では「イライラしている年上」に年下は「ガス抜きの相手」にされる。
    そういう年上は 「俺もされた」 だの 「鍛えてやってる」 だの、さらにバカなのは 「お前のためにもなる」 とまで思っている。
    そして、 そんな彼らは例外なく年下から 「バカなやつ」 と思われている 。

    逆らえない立場の人間を「ガス抜き」の相手するのは最悪の選択だ 。
    イライラの解消に使われた相手は、その先「心」を開かない。場合によっては 「敵」 として成長していくだろう。
    「全然気にしてませんよ」と言っていたとしても、それを言わされるパワーバランスの中であれば問題回避のための演技かもしれない。
    自分も年上相手にそれをしているのに、年下に同じことをさせてしまうのは愚かな話だ 。

    【聞いて欲しい年上】
    では、「イライラ」はどう解消すればいいのか?