第203号 2016.12.6発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※豪華2本立て!「ゴーマニズム宣言」…◆天皇陛下の生前退位(譲位)について、政府の「有識者会議」による、16人の「学識経験者」に対するヒアリングが終わった。このヒアリングに登場した安倍晋三お抱えの言論人をはじめとする、自称保守派の者たちは口を揃えて、天皇陛下の譲位には論じるべき問題が非常に多く、大変な時間がかかると言っている。だがそれは、完全なウソである。複雑な議論など必要ない。論点はたった一つ。そしてその答えは、二つに一つである!
◆前回も書いたとおりTPPの恐ろしさは農業に留まらず、我々の生活のあらゆる分野に及ぶ。医療分野でも日本政府は全面譲歩しており、日本が誇る「国民皆保険制度」が崩壊する恐れがある。現在進められている「混合診療」の解禁も、実はTPPに向けた地ならしだった!
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること=“ポリティカル・コレクトネス”が日本でも拡がりつつある。しかしポリコレの発祥地・アメリカは、もっと凄まじいトンデモな状態になっていた!!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!どうしても禁煙できない自分に何かお言葉を!自分より下の世代に国防の役割を押しつけるのは不公平では?最近よく聴いている音楽は?SMAP解散阻止の署名はメンバーのためになるの?どんな時にジェネレーションギャップを感じる?カジノ法案は何のため?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第200回「我々は天皇陛下に従うのみである」
2. しゃべらせてクリ!・第161回「至福のひととき!ひざまくらぽみみかきぶぁ~い!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第20回「“ポリティカル・コレクトネス”が、ポリティカル・コレクトネスに反するらしい!?」
4. ゴーマニズム宣言・第201回「TPP協定の正体(2)」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第200回「我々は天皇陛下に従うのみである」 天皇陛下の生前退位(譲位)について、政府の「有識者会議」による、16人の「学識経験者」に対するヒアリングが終わった。
このヒアリングに登場した安倍晋三お抱えの言論人をはじめとする、自称保守派の者たちは口を揃えて、天皇陛下の譲位には論じるべき問題が非常に多く、大変な時間がかかると言っている。
だがそれは、完全なウソである。
複雑な議論など必要ない。
論点はたった一つ。そしてその答えは、二つに一つである。
天皇陛下のご意思に従うのか、刃向かうのか。これだけだ!
わしは断固として、天皇陛下に従う!
8月8日のお言葉で、天皇陛下のご意思はもう疑う余地はなくなった。
陛下は譲位を望まれており、摂政や臨時代行を完全に否定されている。
そして一代限りの特措法ではなく、皇室典範改正による制度の恒久化をお望みであり、それを平成30年には実現させたいと願っておられる。
わしはこのご意向に従う。
逆にこのご意思に従わないということは、たとえどんな理由をつけようとも、ただ天皇陛下に刃向かっているだけである。どんなにもっともらしいことを言おうとも、その者は単なる反逆者である。
例えば八木秀次は「有識者会議」のヒアリングで、天皇の自由意思による退位を容認すれば「皇位の安定性を一気に揺るがす」と強調し、一代限りの特措法すらも認めず、天皇の退位を完全に否定した。
天皇陛下のご意思に、真っ向から刃向かったのである!
そもそも八木は、自分がどれだけ不敬なことを言ったか、わかっているのだろうか?
八木は、天皇陛下のご意思どおりに譲位を認めたら「皇位の安定性を一気に揺るがす」と言ったのだ。
つまり八木は、天皇は「皇位の安定性を一気に揺るがす」間違った発言をしたと断言し、「皇位の安定性」については、天皇よりも自分の考えの方が正しいと言ってのけたのだ!
よくここまで思い上がることができるものだ。
なぜこんなことを平気で言えるのかというと、「皇位の安定性を一気に揺るがす」云々というのは、単なる建前に過ぎないからだ。一切本気ではない発言だから、それが何を意味することになるのか深く考えてもおらず、不敬だということにすら気づいていない。
八木が譲位に反対している本当の理由は別にある。他の自称保守派も様々な論点があるかのように言い募っているが、それらも同様に全部カムフラージュであり、真の理由はたった一つだ。
連中の本音は、「女性・女系天皇に道を開くことになるからイヤ!」という、これだけに尽きる。
コメント
コメントを書く>>210
それは失礼致しました。小林先生の事を「天才」と書いたのは他意あっての事では無いですし、私はそう思っています。その言葉にも日々どうしておられる等を説明しなければならないとのご指摘、有難う御座います。言葉足らずで申し訳ありませんでした。
今後とも、ご指摘宜しくお願い致します。
年末の多忙につきずっとゴー宣が読めず今やっと追いつきました。本当はコメント欄までじっくり読みたかったのですが最近コメ欄が盛り上がっていて斜め読みせざるを得ません。とりあえず大学無償化が直近の話題のようですのでそれについて一言。大学無償化するなら少数精鋭にして欲しい。訳の分からん馬鹿大学にまで私学助成金を出す必要はないと思います。奨学金は無金利じゃないと若いうちからの返済は厳しいだろうし、実績により一部減免等の措置も必要。私も昔10年かかって完済したクチですが、もし金利があったら進学そのものを断念していたかも。息子にはやりたい事もないのに無理して大学行く必要ないと言ってます。社会に出てみたら学歴なんて関係ない本人次第と強く実感しますので。
大学の無償化について、是非が問われているみたいなので、意見を述べてみます。
私は大学無償化は多いにアリだと思います。経済的な面で進学を諦めるのは非常に勿体無く感じます。世の中そうそう才能の有る人間ばかりじゃないのですから(だからこそ新自由主義の中、下流に落ちる人が出て来る)、選択肢を増やしなおかつ能力の底上げを図るべきです。私は能力の貧困が、経済的貧困に繋がると考えています。
ですが、無償化をやるにしても、現在の教育制度が未だに「右向け右」なのですから、ろくでもない人間が大学に入ってしまうという懸念も理解出来ます。
大学の無償化と同時に教育の意義についても議論する必要があるのではないでしょうか。
>>215
いえ、こちらこそ、言葉が過ぎまして申し訳ないです、
私も小林先生は天才だとは思ってはいますが、天才で片付けられてしまうと、
日々の積み重ね自体が否定されてしまうかもなあ〜と勝手ながら考えて居る次第です。
こちらこそ今後ともご教示お願い致します。
とりあえず大学無償について、賛成派=庶民感覚を大事にする優しい人で、反対派=苦しい人の気持ちがわからない冷たいエリート様みたいな図式は完全に間違ってると思います。
個人的意見をいうなら、やっぱり大学無償よりも、子供一人当たりの手当であったり、保育園増やしたり、シングルマザーが心中しないで済むようなシステム作りをしたりといった少子化対策を優先してほしいです。
大学無償といっても、そこには国民の税金が使われるわけですよね。なら、そもそも子作り自体できないくらい苦しい人にはデメリットしかなくなってしまいます。
まず子供の将来が不安っていう前に、子供作り自体が不安っていう人が多いから少子化になってるわけだから、大学無償になりましたと聞いて「やった!もう安心だ!子供作ろう!」ともなりにくい気がします。
ふーむ。大学無償化をやるならば少数精鋭にして
偏差値が高い大学限定にするのは良いと思いますな。増えすぎた大学の整理も必要ですし、大学に行かなくても専門技術を学べる環境も高校に導入する必要もありますね。
まあ、大学に行くのは官僚、政治家、学者を目指す人間。行かない人は専門技術を学び社会貢献しようという伝統に戻るべきだと思いますね。
盛り上がってまいりましたなあ。
正直個人的には子供が大学に行こうが行くまいが好きにしたらいいと思ってるんです。そもそも、自分が子供の頃と、今と、子供が社会に出る頃とではビジネスモデルがまるで違うので。「これやっとけば安心」は本当の意味ではあり得ないのは理解してるんです。
でも、生まれた時から、「うちはビンボーだから高校大学は行かせられないよ」ってのはちょっとむごいと思います。できれば子供にはそんな悲しい告白したくないんですよ。体壊しても夜寝なくても、なんとか工面してやりたいんですよ。それが大学だろうが留学だろうが海外のサッカーチームだろうが。
道場で松谷みよ子さんの話が出た時も言われてましたが、そういう話って、オッサンがニヤニヤ遠い目をして美しがってる場合じゃないんですよね。
教育の機会均等っていうのは、戦後の日本が大いに誇っていい部分だと思います。格差の固定によってこれが壊されるとしたら、保守は全力でこの日本の美点を守りにいくべきなんですよ。
昔の人はもっと辛かったんだ、自分でなんとかしろはもうアホタレですよ。
あ、そうだ、財源についてですが、いつまでタックスヘイブンほっとく気ですかね?あそこにある資産から法人税が取れれば都市部の保育園山ほど作れるのに。それこそ大学無償化だってできるだろうに。あるんですよね?国内にお金って。だってちょっと前まで内需中心でまかなえてたんだから。二極化しすぎて回ってこないだけなんじゃないかなあ
大学無償化と入学出来るかは別の話では?
少子化で定員割れしている現在では、大学も学生の確保の為、本来のレベルを落としてまで入学させるような事になっているのではと思います。そのような状況で、経済的な問題が学力のある人間の進学をあきらめさせてしまうのは、更に質の低下に繋がっていくでしょう。
大学無償化はそういった人材の確保、また一度社会に出た後に、別方面への転換や現在の仕事に関連した知識強化(資格取得)などを求める者も出てくるのではないでしょうか?そのような流れから、全体の受験者数が増えれば、自ずと質の向上と維持が出来るような気がします。
大学の質が保たれれば、結果、高卒は一般的に普通だと考えられるのは安易かな?(笑)
このコメントをもちまして、年末企画「2016年イズミー賞」の投票受付を〆切らせていただきます。
投票していただいたライジング読者の皆様、投票を呼び掛けてくださった方、コメント欄を貸してくださったよしりん企画の皆様、そして企画を許可しコメントを書いてくださる木蘭さん、感謝です!!