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第223号 2017.5.9発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…なぜ安倍政権の支持率が下がらないのか?もちろん北朝鮮や中国の軍事的脅威が、安倍政権を応援しているからである。さらに安倍政権を支持する理由のトップは常に「他の内閣よりよさそう」であり、ネトウヨはバカの一つ覚えで、安倍政権が何をやらかしても「民進党よりマシ」と言っている。だが、本当に安倍政権は他よりマシなのか?それを確かめるために今回は、第2次安倍政権が発足してから、政権及び自民党がやってきたことを徹底検証する!
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…メディアが弾道ミサイル発射警報「Jアラート」の音を流して恐怖を煽りまくるなか、ゴールデンウイークになり、森友学園の問題はすっかり矮小化されて報道もされなくなっていた。しかし、国民は、決して納得していない!そこに再燃の燃料を投下したのが、すべてを失った籠池氏本人だ。財務省が渋々提出した“黒塗り書類”からわかる新事実とは?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!今年のGWはどう過ごした?靖国神社に一度は行くべし?『おんな城主 直虎』は面白いのに視聴率が悪いのは何故?今楽しみにしていることは何?ブルゾンちえみは好き?歴史上の人物を描く際に、史実と脚色の基準で気をつけている点は?印象に残っている藤子不二雄作品は?何歳になっても自分のことを「女子」という女性をどう思う?EU支持派のマクロン氏が勝ったフランスは今後どうなる?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第224回「第2次安倍政権&自民党不祥事一覧」
2. しゃべらせてクリ!・第181回「見守るだけの人、シンパイダーマン参上ぶぁい!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第32回「財務省には“安倍晋三記念小学校”設置の書類がある」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記




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第224回「第2次安倍政権&自民党不祥事一覧」

 なぜ安倍政権の支持率が下がらないのか?
 もちろん北朝鮮や中国の軍事的脅威が、安倍政権を応援しているからである。国民は恐いのだ。恐いから、ナショナリズムの強い政治家に依存したいのであり、その実、アメリカのパパと仲良くしてくれる首相を望むのだ。国民の潜在意識はそういうものだろう。

 安倍政権を支持する理由のトップは常に「他の内閣よりよさそう」であり、ネトウヨはバカの一つ覚えで、安倍政権が何をやらかしても「民進党よりマシ」と言っている。
 だが、本当に安倍政権は他よりマシなのか?

 それを確かめるために今回は、第2次安倍政権が発足してから、政権及び自民党は何をやってきたかを列挙してみよう。
 肩書は全てその当時のものである。

平成24年(2012)
【12月】
 26日 第2次安倍晋三内閣発足。
 ただちに野田政権下で進められていた女性宮家創設を白紙に戻す。

平成25年(2013)
【1月】
 7日 安倍、読売新聞会長・渡辺恒雄と会食。
 以降、主要メディアのほとんどのトップと会食を繰り返し、癒着関係を作り上げる。

 10日 風岡典之宮内庁長官、定例会見で安倍に対して「皇室の実態、課題について現状の説明をしたい」と発言。
 その後、女性宮家創設や生前退位について、内々に天皇陛下のご意向は伝えられていたはずだが、安倍は全て無視し続けた。

 16日 アルジェリアで人質事件発生。 
 ところが安倍がアルジェリアのセラル首相に電話して人命優先の救出活動を求めたのは、18日になってから。その時にはアルジェリア軍による鎮圧作戦がほぼ終了しており、結果、日本人10人が犠牲に。

【2月】
 21日 安倍、日米首脳会談のため訪米。
 安倍は前年、オバマ大統領との友好関係を強調しようと首相就任前の訪米を無理に打診し、一蹴されていた。
 今回もオバマは首脳会談の開催に難色を示していたが、安倍は何としても韓国大統領に就任した朴槿恵より先にオバマと会談しようと、無理やり頼み込んで実現させた。

 22日 「竹島の日」、選挙公約だった政府式典を行わず、島根県の式典に政務官を派遣したのみ。
 前日に安倍が訪米したのは、その批判を避けるためだったともいわれる。

 23日(日本時間) 安倍、ホワイトハウスでオバマ大統領と首脳会談。
 選挙公約を反故にして、TPP交渉参加の方針を表明。
 無理やりの首脳会談のため、出迎えも夕食会もなし、会談はミーティング・ルームで軽いランチを含めてわずかに1時間30分程度。しかも首脳会談後に共同記者会見が行われないという、外交儀礼上ありえない冷遇を受けた。
 しかし国内にはこれを「外交上の大成果」と宣伝。

【4月】
 28日 沖縄では「屈辱の日」とされる、サンフランシスコ講和条約発効の日に「主権回復の日記念式典」を開催し、天皇皇后両陛下を出席させる。
 式典では「天皇陛下万歳」の声が上がり、陛下の表情が凍りつく。

【5月】
 3日 トルコでエルドアン首相と会談。
 原発建設をトップセールスして、三菱重工の受注が確定。なお、安倍の実兄は三菱商事役員。
 その後、トルコでは電力料金が非常に安いため原発は採算が合わないことが判明。このまま計画が頓挫すれば、三菱重工は巨額の損失を負う。

 同日 安倍、記者会見で憲法96条改正を参院選の公約にすると発言。
 憲法改正発議の要件を、衆参両院の賛成3分の2から2分の1に引き下げるというもので、実現すると憲法の安定性が失われ、立憲主義の破壊につながる。

【7月】
 29日 副総理・麻生太郎、憲法改正に関する講演で「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」と発言。

【8月】
 7日 安倍、8月15日の靖国参拝見送りを決定。
 しかもそれを発表前に中国に伝達。靖国参拝には中国の事前の「承認」が必要であるかのような状態となる。

 8日 内閣法制局長官に駐仏大使の小松一郎を任命。
 集団的自衛権の行使を違憲とする従来の政府解釈を変更するために、内閣法制局の参事官すら経験したことのない完全に外部の人間を、いきなり長官ポストに抜擢する驚愕人事。

 15日 文科相・下村博文の要請により、高円宮妃久子殿下が2020年五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席することが決定。
 露骨な皇室の政治利用であり、宮内庁・風岡長官は「両陛下も案じていらっしゃると感じた」と異例の発言。

【9月】
 7日 高円宮妃久子殿下、IOC総会でスピーチ。
 政治利用にならないよう注意を払い、「皆さまは、本日ここに私がいることを驚いていらっしゃるかと思います。実は、私自身も皆さまと同様に驚いております」と、暗に批判も交える。
 安倍、IOC総会でプレゼン。
 福島第一原発事故による汚染水について「状況はコントロールされている」「完全にブロックされている」と大嘘。日本の国際的信用を失墜させる。