第255号 2018.1.23発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…前回は「Yahoo!ひとり勝ちの弊害」やネットの「アクセス数至上主義」の問題を取り上げた。ネットメディアは広告収入で運営しているから、アクセス数至上主義になり、ヤフー・ニュースなどでは、差別や排外主義、ヘイトスピーチの温床、助長につながるコメント欄も放置されている。今回は「アクセス数至上主義」に絡む広告代理店の問題について考察しよう!
※「ゴーマニズム宣言」…ウーマンラッシュアワーの村本なんてどうでもいいのだが、今なおそんなのを擁護している知識人がいて、むしろそっちの方が問題である。宮台真司(社会学者・首都大学東京教授)はなんと村本のことを「ソクラテスそのもの」とまで絶賛した。宮台はソクラテスの「無知の知」の意味を全然理解していないのだ!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!自分の考え方や生き方などを批判された時に怯んでしまうのはなぜ?もし娘が危険な職に就きたいと言ったらどうする?糖質制限をどう思う?安倍政権が外遊先で北朝鮮の脅威を煽る理由は?組織の中で有能な人物がパワハラをしていた場合はどうすべき?憲法改正よりも喫緊の最重要課題があるのでは?小室哲哉氏の引退会見を批判する人間がいるのはなぜ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第65回「フェイクニュース事件簿3~アクセス数至上主義と広告代理店」
2. ゴーマニズム宣言・第261回「宮台真司、『無知の知』の無知」
3. しゃべらせてクリ!・第213回「こども社長・ぽっくんにどーんとまかせんしゃい!の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第65回「フェイクニュース事件簿3~アクセス数至上主義と広告代理店」 前回は「Yahoo!ひとり勝ちの弊害」として、人々がネットに接続した際に最初に見る「ポータルサイト」が情報配信を握っていること、新聞社が記事制作の下請け状態になり、価値基準が崩壊していくことを書いた。
ネットメディアは広告収入で運営しているから、アクセス数至上主義になり、ヤフー・ニュースなどでは、差別や排外主義、ヘイトスピーチの温床、助長につながるコメント欄も放置されてきた。
■排外主義を迎え入れるアクセス数至上主義
ヤフー・ニュースは、月間12万件の記事を配信しており、月間150億PV(ページビュー)。そのうち、コメント欄のPVは、ヤフー・ニュース全体の13%を占めているという。
ヤフーがすべて悪いと言いたいわけではないが、やはりネットのなかで膨大な集客力、巨大な影響力を持つようになった以上は、一定の責任を負うべき状況になっていると考えるべきだろう。
ヤフー・ニュースのコメント欄に書き込まれる内容については、立教大学の木村正教授(ネットワーク社会論)とヤフー・ニュースが共同で分析を行っている。
2017年4月28日に発表されたレポートでは、コメント欄に頻出する言葉は、1位から順に「日本」「韓国」「中国」「日本人」「韓」「国民」「朝鮮」とつづく。韓国がらみのコメントが全体の20%を占め、中国関連と合わせると25%。書き込まれた内容も嫌韓、嫌中が色濃い。「慰安」「謝罪」「反日」「安倍」「在日」などもよく登場する。
この分析では、一週間で100回以上コメントを投稿した人が全体の1%おり、この1%の人のコメントが全体のコメント数の20%を占めていた。これを受けて、ようやくヤフーは、10年間放置しつづけてきたコメント欄に「複数アドレスで何度も投稿する行為を禁止」のルールを設けたが、頻繁に投稿しない人のなかにも、差別的な言葉をまき散らす人は多く、直接的な言葉が減っただけで「相変わらず」でしかない。
調査した木村教授は「少数派や弱者に対するいらだち」と述べ、「自分たちは多数派なのに、利益を享受していないという不満がある。ネットニュースへのコメントには、こうした社会心理が表れている」と分析している。
ケント・ギルバード、百田尚樹、小川榮太郎などのデタラメフェイク本がまかり通ってしまうのも、フェイクだろうと客観性がなかろうとおかまいなしの極右ニュースサイトが乱立して、それが実際に公共の路上へ飛び出していくのも、地続きの問題である。
■アクセス数至上主義と広告代理店
情報も思考も極端に偏って、排外主義に陥ってネットでヘイトスピーチをまき散らす人々。ネット上にはそのような人々を慰撫して快感を与えるヘイトやフェイクニュースのサイトが乱立している。多くは商売目的の業者によるものだ。
トンデモ見聞録・第52回「スマホとメディアとフェイクニュース」で紹介したが、2017年9月には、クラウドソーシングサービスで
「保守系のブログ記事作成依頼」が掲載されていることが話題になった。「共産党に投票する人は反日」「天皇制は男系であるべき」「石破茂は総理にふさわしくない」などの記事を1件864円で買い取るというものだ。同時に、フェイクブログを量産する業者の実態も紹介した。業者は『週刊SPA!』のインタビューにこう答えていた。
「右派ウケしそうなサイト、左派ウケしそうなサイト両方の運営をしていますが、右派系サイトのほうが儲かる。ネット右翼の人たちのほうが熱心だから(笑)」
このような業者が成立するのは、どんなむちゃくちゃなフェイクサイトでも、排外主義的なサイトでも、広告を設置してアクセス数をカネに変える仕組みがあるからだ。
コメント
コメントを書くQ&A。
地方の過疎の問題、そしてもちろん
少子化問題も、最重要課題だと思っています。
憲法改正に頭シフト完了しました(ウィーンガチャ)
『日本人なら知っておきたい天皇論』が見つからず、
なんと車の中で発見(^^;)トイレで読んでるのですが、
まだ半分。
しかし皆さんの商売がうまくてw、
買ってきました~~『新・堕落論』!!
明日仕事終わったら、読み始めちゃうZ!!
今号の感想です。
トンデモ見聞録 第65回「フェイクニュース事件簿3~アクセス数至上主義と広告代理店」
私は、正直ネットの仕組みがいかなるものか、よく分かりません。しかし、このやうなことがまかり通るとなると、自分のPCの中身も誰かにのぞかれてゐるのではないか、とすゑ恐ろしいものを感じさせられます。
あと、多くの人に覗かれてゐるサイトが、必ずしも人気のあるものなのでせうか。たまたまあるサイトに飛ぶのに、そのサイトが便利だから、利用してゐるといふこともあり得るのではないか、と思ひます。
検索機能とかがよく分からないと、さういふことになりがちだらうと、想像します。
いづれにしても、よく分からない、いつも見てしまふ広告、何とかならぬものでせうか。リクルート中の学生とか、志望会社の情報を得ようとして、銓衡から落ちて、その後もその会社の宣伝を見つづけるといふのは、ぢごくだらうとも想像します。
ビットコインなどもさうですが、インターネット全体を管理する組織は存在しないのでせうか。でも、さうするとそれが監視社会につながりさうではあるし、むづかしい話です。
「新墮落論」と内容がかぶりますが、私たちはインターネットで莫迦になってゐることの方が多いやうにも感じます。 なほ、私はスマートフォンもタブレットも所有してをりません。PCだけで十分ですし。あの長方形の板を見て、何か楽しいのでせうか?電話としても扱ひづらさうだし。大切なことは、場合によってはメモをとれば良いし。百科事典なら、電子辞書で良いし。
電子機器は、水をかぶったら、一貫の終はりです。このまへ、さういふ阿呆なことをしてしまったので、警告しておきます。
昔、諸星大二郎先生の漫画で、宇宙から来た病原菌のせゐで、生き物が静物・機械と合体して取り込まれてゆく、といふ恐怖作品をよみましたが、機械は利用こそすれ、のめりこんでしまってはならないのだらうといふ諷刺なんだらうと。
さう言ってゐる自分がそれをできてゐるのか否か、疑問なのですが。
やっぱり楽はしたいですし。楽しいことは時間を忘れて没頭してしまふし。そんなところです。
なほ、私の父も、親戚も老齡なので、訪問診断はひとことではないです。
ゴーマニズム宣言・第261回「宮台真司、『無知の知』の無知」
私も、宮台といふ人は阿呆だと感じました。それこそ、ピュアとイノセントの問題ではないのか、と。
ピュアであったとしても、トマス・ハーディの「テス」みたいな例もあります。主人公のテスは男の危険性を知らずに犯され、私生児を産んでしまひますが、母親に「なぜ男の人は危ない、と教へてくれなかったの!?」とやつあたりをして叫びます。(何だか詩織さん事件と重なってきましたが)だとしてもこの場合は、無知が得だったとは言へない、と思ひます。
勿論、テスを犯した、貴族の名をかたった野郎は、言語道断なんですが。
あと、前にあげた、星逢ひろさんの漫画の例は、ピュアなんだと思ひます。ここでエッチ漫画を取り上げるのは、よくないのかもしれないのですが(差別ではなく、さういふ場ではないのかもしれない、けれども良い例だとも思ふので)。
もっと言ふのならば、これも以前に申したことですが、何の準備もなしに、ただ好きな異性に気持ちを伝へるのはよいことなのか、それは確かに純粋な気持ちかも知れないのだけれども、相手のことをまるで考へてゐない、当って砕けろ、がそんなに良いのか、勇気を出して初めて告白するのが、必ずしも絶贊されることなのか、といふふうに疑念を覚えます。
ひょっとしたら、こんなことを投稿してゐるのも、その一種なのだらうとも。しかし。他人の立場を推し量ることはできても、他人その人にはなりきることはできない。だから、人とのコミュニケーションはむづかしいのだ、と思ひます。
あと、坂口安吾さんは、都市と田舎を比べて、田舎の方が純朴だなんてことはない、むしろ因習と、世渡りと脱税の世界だ、みたいにおっしゃられてゐます。至言だと思ひます。文化は田舎から生まれるのではなく、都市も含めた国全体から生まれるのだ、とも。
テスの話にもどってしまひますが、テスの母親も、その偽貴族に娘が見初められたら、得をするみたいな打算があったからこそ、注意を怠ったとも言へるわけです。
さう思ふと、一見叡智のやうに見えるこざかしさは安楽で、安直で、無駄なく合理的に行動しようとすると必ず選びがちなもので、どれだけ忙しくとも、心に餘裕のある時こそ、人間は創造的で独創的なことができるのではないか、とも思ひました。
「無知の知」とは、そんな人の心のありかたなのではないでせうか。
といふことで、だらだらとくだらないことばかり記しましたが、みなぽんさんの風邪と、笹さんの喘息がはやくよくなることを祈ります。
加へて、次号の配信を期待します。今度の道場が成功することも。
関西番組報告、今朝のすまたん。
しんぼうじろうは国会で話題はヤジぐらい。と、
「何人死んだんだ」なんてたいした問題じゃない、と
言うのかなと思ったら野党のヤジの批判。
与党のヤジの問題はとりあげず、
特に問題はない野党のヤジだけ取り上げる。
(与党が質問時間(1分)前に質問を終えたという野党のヤジ)
「野党は何をしたいのか」と言っていたが、
あんたが何をしたいんだ。
>>124
とりあえず読もう。知識を仕入れないとまともな議論ができない。まずは堕落とはなんぞや?を押さえよう。
今日も国会中継の希望の党と原口議員の部分だけ見てみようかなと思って見たんですが、NHKの国会中継が午前でなぜか終わりなのでネットで視聴。午後からNHKは特別番組でもあるのかな?と思ったら通常放送。午後から安倍首相が退席するのかな、と思ったらちゃんと座ってる。午後の柚木議員の質問が、山口敬之さんと詩織さんについての質問。今日の国会を詩織さんも傍聴しているとのこと。気のせいかもしれませんが、山口さんと詩織さんについての質問予定があったから放送取りやめてるんじゃないのか、と勘ぐってしまいます。
それにしても相撲のニュースばっかりで一体どうなってるんでしょうかね日本の地上波テレビは。
批判の必要性を説くのなら、まず批判する相手が何を言おうとしているのか理解するのが前提です。だから「新・堕落論」を読んで欲しいと言うわけです。
何より「批判は必要だ」と言う当の本人が、他人の意見や批判に聞く耳を持たないまま、自論を滔々と述べるだけというのは、荒唐無稽の極みだと思います。
小林よしのりと対等と思いたいなら(それ自体壮絶な勘違いですが)、相手の揚げ足取りや自論の正当性だけ訴えるのではなくて、相手の意見に理解を示す態度はあっても良さそうなものですが。
まあ平たく言えば、おとなしく部屋でマスかいていろオタク野郎、というところですかね。
NHKの国会中継予定を確認しました。昨日は午前午後が国会中継。明日も午前午後に国会中継。今日だけ午前で国会中継が終了。やっぱり午後に詩織さんについての質問があったから放送中止してるとしか思えませんね。これだからいくら野党が国会でがんばっても支持率下がらないわけですよ。
>>132
あなたと話すのはあまりにも実りがないし、どうせこちらの話など聞きもしないでしょうからこれで最後にいたしますね。
まず私があなたの主張に「反論」もしくは「批判」したと思われる箇所はどこですか。あなたの主張には触れていません。もちろん、日本の周辺国事態なのにアメリカならまだしも日本の集団的自衛権の適用範囲になるなどと思っていらっしゃるそのご都合主義の主張には辟易しますが、今回あなたと「議論」する気はありません。無益なので。
あなたが、わざわざ読者が感想を書き込む場所にやってきてまで、誰も聞いていない自説を延々述べ続け、ご自分の勝手な印象である「無批判状態」を非難するために、読んでもいない書名をわざわざ出して、あたかも小林よしのりもその読者も言行不一致だというその態度が非常識で失礼極まりなく、かつ傍目には度外れて滑稽だと指摘しただけです。
細かく説明させていただきましたのでもうお分かりかと思いますが、「発言者」としてのあなたの態度が信用ならないので、あなたの「発言」を聞きたくないと言っています。あなたと会話をしたくないと言っています。お読みになってご自身に思い当たる節がないと言うのであれば、もう返信も結構です。
念のためもう一度申し上げます。返信は無用です。