第369号 2020.8.26発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…ボリス・ジョンソン首相をロックダウン政策に転換させたニール・ファーガソン教授がもてはやされていたイギリスだったが、いま次々と「ロックダウンは失敗だ!」という報道が飛び出している。さらにスウェーデンの集団免疫成功を認め、ほめたたえる流れに入っているが、世界各地からも、続々と集団免疫の達成報道が相次いでいる。最新のグラフとともに紹介していこう。
※「ゴーマニズム宣言」…24日に行われた新型コロナの専門家分科会で、新コロが指定感染症の「2類相当」の扱いになっていることを見直す議論が起きたと、尾身茂会長が明かした。これを踏まえて政府は、現在の感染拡大防止対策を見直し、新たな方針を作成することになった。28日には安倍首相の記者会見が予定されているので、その内容はそこで発表されることになるだろう。果たして「2類相当」から外された場合、状況はどのように変わるのだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!可愛い娘も、息子と同じように厳しく育てるべき?罪を犯した者の作品は出荷停止・回収するべきなの?漫画業界や出版業界が、自分のデビュー時よりも進化したと思える点はある?「出ていたら見ちゃう」という女優はいる?女性から日傘の相合い傘をすすめられた場合、どうすれば良い?先生の暑さ対策は?「イソジンパニック」をどう思った?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第180回「世界各地で“集団免疫の達成”報じられてます」
2. ゴーマニズム宣言・第386回「2類相当から外すか?」
3. しゃべらせてクリ!・第326回「貧ぼっちゃまの白い眼!金持ちが肩身の狭い時代ぶぁい!の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第180回「世界各地で“集団免疫の達成”報じられてます」 ロックダウンに反対しているイギリス人男性が、自身のSNSに「ロックダウンしなかった日本は、スウェーデンのように集団免疫を達成している。論理的思考ができていたからだ! それに引き換え、うちのボリスは、最初は良かったのにメディアの圧力に屈したのが失敗だ……」とボヤいているので苦笑した。
いやいや。日本は「ロックダウン」という言葉を使わないだけで、自粛を強要して、自粛警察やマスク警察などの見事な相互監視体制をナチュラルに構築し、そして、終始まったく論理的でなく、ただただ感情的で八つ墓村的な村人根性に支配されて、思考放棄状態のままなんだけど、たまたま新型コロナには耐性があって、流行しはじめたように見えても、たちまちピークアウトしてしまうだけだ。
けれど、ロックダウンしたのに大した効果がなく、ボリス・ジョンソン首相に文句を言いたくてしょうがないイギリス人から見れば、日本がさも素晴らしい判断をしたかのように見えてしまうんだろう。海外の情報は、いろんな意味でねじ曲がって受け取られていくものなんだなと、しみじみ思った。
しかし、そんなイギリスでは、いま次々と「ロックダウンは失敗だ!」という報道が飛び出している。
●ロックダウン評価、ひっくり返りはじめてます
8月18日には、デイリー・メールの取材に応じた専門家が、「ロンドン、ニューヨーク、インドの一部地域は、集団免疫の達成に近づいている」と回答。集団免疫には、通常60~70%の感染が必要だと考えられてきたが、今となっては、10~43%の感染で達成可能だと確信されており、社会的にもっとも活動的な人々の間で免疫ができれば、活動量の少ない人々(高齢者や身体の弱い人など)のことを守ることができるという。
その通りだと思う。活動的な若い世代は、本来、集団免疫の形成に一役買っている存在であり、決して「高齢者を殺す、危険な存在」「社会に迷惑をかける、けしからん存在」ではないのだ。
8月24日には、英国政府の新型コロナ対策諮問委員会のメンバーで、ボリス・ジョンソン首相に助言を行っている感染症疫学者マーク・ウールハウス教授から、
「ロックダウンは、“世界規模での記念碑的なとてつもない過ち”と見なされることになるだろう。二度とあってはならない」
とかなり強力な発言が飛び出した。
「政府の諮問員会には、所得、雇用、生活への影響を評価できる学者、子どもたちへの影響を評価できる学者、若者や成人の精神不安のレベルを評価できる精神保健の専門家、劇場やサッカーの試合に行けないことによる影響を評価できる専門家など、広範な人々を参加させなければならない」
とも述べている。
●スウェーデンの評価ひっくり返る
ロックダウンに対する評価がひっくり返ると同時に、イギリスで起きているのは、スウェーデンに対する高評価だ。8月22日には、デイリー・メールにこんな見出しが躍った。
「ロックダウンなし、マスクなし、ヒステリーなし...“問題なし”:
スウェーデンは“コロナ昏睡”に陥っていなかった。そこには素晴らしく正常な暮らしがあった」
この記事を書いた記者は、もともとロックダウン賛成派で、「経済を守れ、大恐慌に陥るぞ」と警告する人々のことを「大袈裟だ。すぐ立ち直るだろう」と軽くあしらう記事を書いていた人だ。
ところが今回の記事では、経済大打撃の現実に直面したことで当時の自分を反省し、「あまりに楽観主義だった」と振り返っている。年末までに英国内の失業者が250万人に達するという予測さえも「楽観的すぎるかもしれない」とくぎを刺し、
「国を立て直す必要があるにもかかわらず、イギリスはまだ、ほぼ末期的な麻痺状態に陥ったままだ。街の中心部は閑散としており、通勤電車は空っぽ、営業しているオフィスにもほとんど人がいない。その結果、数え切れないほどの店、パブ、レストラン、カフェが再開できていない」
と報告した。
日本では「イギリス政府が飲食代を半分負担するキャンペーンを実施し、レストランが再開」と報じられていたが、やはりそれも部分的に人が集まっている場所だけらしい。
日本でも、すでに都市部の駅近や、地価の高い地区では空き物件がかなり増えている。倒産・移転もあるが、IT化の進んでいる若い会社などは、完全テレワーク制に切り替えて、オフィスを解約するというケースも出ている。その近辺で営業していた店舗にとっては、もはや解決ならない痛手が襲い掛かっているだろう。営業再開で「すべて解決」とはならないのだ。
コメント
コメントを書く今日のモーニングショーは石破が出演。何を話すのかと聞いていましたが、玉川のいつもの妄言「無症状者に検査拡大して経済を回す」に賛同したのにはげんなりしました。PCR検査のくだりは政府批判ありきで岡田晴恵が言っていることと変わらないと思いました。ロックダウンを肯定的に捉えていたり新コロのことを勉強してないですね。石破は終わったなという感想しか出ません。
モーニングショー。
石破氏出演。
玉川徹、嬉々としてコロナ問題に関して質問する。masaさんの指摘どうり、現状分析力がないことが露呈。総理の道はなくなったなと思いました。知識云々以前に、現状把握と根本に横たわる問題に関して、嗅覚が働かない「いい人」で終わる「器」なのだなと、少しばかりの残念感と共にひややかに番組を観ていました。
連投すいません。
倉持氏の著書、ポチっとさせて頂きました……が、予習の予習が必要な気がしてきた(笑)
前回の道場での資料はとても良かったので、今回は事前資料にもなるとのことなので、読み込んで(大丈夫かオレ?と思いつつ)参加したいとおもいまする。
道場ブログ、コロナ論から玉川徹の言動を観察すると、ある人物にそっくりだと思いました。
あの竹田恒泰です。
詭弁、狂言、妄言を吐き、ドグマに嵌り、無責任な部分がそっくりです。
玉川徹はちょいキモ殿下じゃなく、コロナ殿下です。
コロナの女王とコロナ殿下。
まさに極悪コンビです。
石破は新型コロナは勉強不足なのか?それとも今回はもう総裁選の勝ち目が無いので、とりあえず無駄な議論を避けて視聴者に好印象を残すことに徹したのかな?来年9月の総選挙時にはもうコロナなんて収束しているし、との判断かも?とは買いかぶりすぎか?
よしりん先生のブログを読んで、議論に定評のある石破茂もコロナに対しては不勉強で無難な発言しかできず、全身全霊を掛けて描き上げた『コロナ論』も、出版社が及び腰で部数も少なく、初版は即売り切れて全国の書店には中々出回らないとありました。影響力が出ているのか怪しいところではあります。日本全体が冷えた石頭なので、よしりん先生が苛立つのも無理はないと思います。
ただ、もの凄く偉そうなこと言ってしまいますけど、その石頭に『コロナ論』という炎を当てて、見た目は変わらなくても石の中に熱は残るはずです。なので、よしりん先生だけでなく、読者も協力して『コロナ論』の告知や紹介に努めたら良いのではないかな、と思います。
東京メトロの中吊り広告に「新しい日常」を支援するアプリだかの写真広告を見かけたのですが、気持ちソーシャルディスタンスだけど皆ノーマスクという代物。
電車のアナウンスも先月ほどマスクだ会話は控えろだと言わなくなったように思えます。
大手スーパーもあまりでかでかと感染予防のお願いポスターを貼ってないように見えます。
なんとなく賢くしれっとフェードアウトしようとしているような印象を受けるのは私だけでしょうか。
ぬか喜びでないといいのですが。
今回の安倍辞任について考えることがあるとしたら・・・・
「どうも素直に喜べない」
去年までならともかく、今現在のコロナ禍においては、安倍はコロナ脳というわけじゃなさそうだし、後任が心配。
万が一にも枝野が総理に就任なんてなったら最悪だ。彼は慢性的なコロナ脳なわけだし。去年の日韓関係といい、最近は「他に支持できそうな政党がいない」と消極的ながらも安倍自民党を支持する人の気持ちが理解できてしまう。
『コロナ論』シリーズが終了したら、改めて『韓国論』で野党に喝を入れたほうがいいかもしれません。
>>212 geng さん
>…野党に喝を入れたほうがいいかも…
次回道場に玉木、山尾御両名が招待された主旨の一つもそこにあると考えます。
「枝野が総理に就任」なんてことは「万が一」にもないと思いますが、
貴方御懸念の「コロナ脳」「日韓関係」の点では、
可能性は万が一以上はある石破の総理就任を心配された方が良さそうですね。
まさに、何という時代だ…、と嘆くしかありません。
先生があれだけ、コロナとの付き合いを論理的に説明し、日本にとって一番最善な道を教えてくれたのに、未だにコロナ洗脳を続けている奴らがいる。
悪びれる事なく、テレビに出演する奴らが信じられない。
すでにニュースの前文に「コロナウイルスの影響で~」とつ付け加えるのではなく、「私たちのコロナウイルスの洗脳の影響で~」の方が意味としては正しい。
いつまでも、コロナウイルスを凶悪ウイルスと潜在意識させたままの状態を続かせている。
そして、訂正しようとしない。
PM7時前に、テレビに赤ちゃんを出しているが、その未来のある子供たちにどれだけの負担させるのか自覚があるのだろうか。
何とも言えない感情が沸き起こり、すぐにチャンネルを変えてしまう。