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石川 温の「スマホ業界新聞」
2012/11/17(vol.010)
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《目次》
1.新生代ディスプレイ「IGZO」はシャープを救えるか
━━AQUOS Pad開発担当がこめた「3つの思い」
2.「他社も頑張っているので、我々も頑張る」
━━元祖LTE・ドコモXiに勝ち目はあるか
3.「Amazonになりたい」という加藤社長の真意とは
━━ドコモがショッピングに参入した理由
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.新生代ディスプレイ「IGZO」はシャープを救えるか
━━AQUOS Pad開発担当がこめた「3つの思い」
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今年、崖を転げ落ちるように急激に経営難に陥ったのがシャープだ。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業から出資を受けることが決まったものの、その後、株価が暴落したことで、交渉は停滞気味だ。ホンハイとの進展が見られないなか、シャープにはアップルやインテル、クアルコムなどから出資が集まりつつあるとの報道も出てきた。これによりホンハイとの提携が加速、あるいはホンハイを抜きにした経営再建というのもあり得るのかも知れない。
シャープに対し、出資したいと企業が集まるのは、やはり他にはない高度な技術力を持ち合わせているからだ。大型テレビ用の液晶パネルは世界的に需要が一気に落ち込んだこともあり苦戦を強いられているが、中小型液晶はスマートフォンやタブレットの普及に伴い、旺盛なニーズがあり、シャープの技術力に注目が集まっている。
そんななか、期待されているのが「IGZO」ディスプレイだ。IGZOとは「Indium(インジウム)、Gallium(ガリウム)、Zinc(亜鉛)、Oxygen(酸素)により構成され、今までの半導体にはできなかったことを可能にする画期的なテクノロジー」(シャープ)という。
インジウム、ガリウム、亜鉛で構成する酸化物をTFT(薄膜トランジスタ)に用いることで、従来の液晶に比べ消費電力を低減できるようになる。
今回、KDDI向けAndroidタブレット「AQUOS PAD SHT21」では7インチのIGZO液晶が搭載されている。初めてのIGZO液晶タブレットにシャープとしてはどんな思いをこめているのか。商品開発を担当したシャープ通信システム事業本部NB推進センター、植松丈夫商品企画部長、シャープ通信システム事業本部マーケティングセンタープロダクト企画部、和田山稔副参事に話を聞いた。
IGZOは、シャープが2002年から開発を進めてきた技術だ。現在、経営難に陥っているシャープにとって、IGZOはまさに社運のかかったプロダクトといえる。今回、KDDIからIGZO液晶を使ったタブレット「 AQUOS PAD SHT21」が発売となる。商品企画を担当した植松商品企画本部長は「単なるタブレットではない。大きなスマホとは一線を画した新しいモバイルツールにした」と胸を張る。
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