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石川 温の「スマホ業界新聞」

                   2013/07/06(vol.041)

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 今週はウィルコムの新製品発表会を特集。大手3社は似たようなスマホばかりでつまらないラインナップになる中、ウィルコムはかつての勢いを取り戻したかのように個性的な端末を用意してきた。

《目次》
1.新生ウィルコムが月額1980円のパケット定額制を投入
━━スマホ業界のLCCとしてソフトバンクと差別化できるのか
2.「この2年半で市場は変わった。学生からシニアにシフト」
━━ウィルコム・宮内謙社長の囲みにツッコミ
3.日本ではWindowsPhoneはもう登場しないのか
━━日本マイクロソフト幹部のコメントから読み取れる本音
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記

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1.新生ウィルコムが月額1980円のパケット定額制を投入
━━スマホ業界のLCCとしてソフトバンクと差別化できるのか
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 7月4日、ウィルコムが新製品、新サービスを発表した。経営難に陥って以降、ソフトバンクの支援よって再建が進んできたが、7月1日、晴れて更生手続きが終結し、ソフトバンクの連結子会社として生まれ変わった。今回の記者会見は、新生・ウィルコムにおける「新たな可能性への種まき」と言えるようなラインナップが揃ったと言える。
 宮内謙ウィルコム社長は「通信業界のLLCとして価値あるものを提供していきたい」と語る。高止まりしているスマホ向けのパケット定額制に対して、料金戦争を仕掛けるウィルコム。ソフトバンクモバイルとの競合も不安視されるが「セグメントが異なる」(宮内社長)として、初心者層や年配層を開拓していく狙いだ。
 今回、発表された新製品、新サービスはどういったものなのか。それぞれ突っ込んで行きたい。

■ウィルコムプランLite
 月々のパケット料金が月額2980円になるというプラン。ただし、月間の通信量は1GBに制限され、それ以上の利用には速度制限が適用される。
 注目しておきたいのは、キャンペーン適用によって、最初の6カ月間は1980円になる、という点だ。やはり2000円以下というインパクトは大きいだろう。
 記者会見では、通常価格の2980円を訴求してくるかと思いきや、全面的に1980円をアピールしてきた。さすがに一般消費者に対し、1980円を散々アピールしながら、半年後には2980円に値段が上がるというのでは、納得してもらえない可能性がある。
 もしかすると、ウィルコムが良くやる「キャンペーンと言いながら、ずーっと安い料金を適用し続ける」という可能性もありそうだ。まずはキャンペーンと言って様子を見る、というパターンだ。
 1980円が当たり前の料金設定になってくると、他社も指をくわえて見ているわけにはいかなくなるだけに、一気に料金戦争が起きるという可能性もありそうだ。