佐倉視点
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 奇妙に息苦しかった。
 周囲は薄暗い。どこか、フローリングの上に転がされているようだ。そう間もなく、また誘拐されたのだ、と気づく。
 今度は手足が縛られていた。口にはガムテープか何かがはりつけられている。べったりと頬を覆う粘着面が気持ち悪かった。
 首を動かし、辺りを見渡す。
 広い部屋だ。高級マンションのリビングのような印象。ずいぶん散らかっているようだ。目の前に、ポテトチップスの空袋がある。
 部屋の真ん中あたりのソファに、男性が腰を下ろしていた。私の首を絞めたサングラスだろう。
 彼はこちらに背を向け、携帯電話に向かって、ぼやくように何か話していた。
「知らねぇよ、捕まったんじゃねぇか?」
「お蔭で、余計な荷物を背負い込むことになった」
「さぁな。成り行きだよ。なるようになるだろ。……ああ、メリー次第だ」
 メリー? なんだ、それ。羊しか思い浮かばない。
 ひどく疲れていた。できるなら眠ってしまいたかった。あのサングラスはまだ、私が意識を取り戻したことには気づいていないようだ。
 私は再び目を閉じる。泣きたかった。心が折れそうだ。これも取材、だとはさすがに思えない。
 ――助けて、久瀬くん。
 胸の中で、またそう唱える。彼は無事だろうか。
「じゃあな、八千代。そのうち温泉でも行こうぜ」
 明るい声でそう告げて、男は電話を切った。読者の反応

豆腐花 @tofumaturi 2014-07-25 22:21:09
キタキタキター


KURAMOTO Itaru @a33_amimi 2014-07-25 22:20:51
登場人物ふえたー!!w 


Cacis【俺】3D小説参加中! @cacis_hc_reido 2014-07-25 22:21:23
メリー≠八千代?





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