主張

認可保育所増やして

政治の真摯な回答待ったなし

 「保育所が決まらなければ仕事をやめなければならない」「こんな行動は初めて。勇気を振りしぼってきました」―。認可保育所に入れない保護者が各地で声を上げ行動に立ちあがっています。保育所に入れた人も入れなかった人も、保育者も保育運動の先輩たちも手を携えた行動が広がっています。

立ちあがり、訴える父母

 東京・杉並区では、若い母親たちが「認可保育所増やして」と、行政への異議申し立てを行いました。ツイッターで知らせ、区役所に相談に来た人たちにも声をかけ、子連れで参加した保護者は60通の異議申し立てを提出しています。

 これまでの自民・公明政権や民主党政権は認可保育所をつくらず、あふれる保育入所希望にたいして定員以上の「詰め込み」や基準の緩い認可外施設(認証保育所等)の活用などの対応ですませ、多くの待機児を放置してきました。住民のつよい要求で認可保育所建設をすすめてきた自治体でも必要な設置数には至っていません。

 今回訴えているのは、「認可保育所を増やして」というものです。日本共産党東京都議団は、4月からの入所を申し込んで入れなかった子どもが都内だけで2万2千人にのぼることを明らかにし、都市部でも国有地や公有地を活用すれば用地確保は可能だと増設を求めています。入所を希望する父母は数カ所の認可保育所を申し込み、さらに都独自の認証保育所や無認可の保育室に申し込むなどのさまざまな手を尽くしています。

 さまざまな施設を見た保護者は、施設の広さや職員層の厚さなど認可園と認可外施設の格差を実感し、「認可保育所に預けたい」と声をあげたのです。より良い保育の保障をと父母とともに頑張っている無認可保育所もあります。

 1950年代半ばの母親大会、働く婦人の中央集会で大議論になった保育所の要求は、60年代の公立保育所建設運動へと大きく発展していきました。いま保育をめぐる新しいたたかいが始まっています。子育てしながら働く女性が過半数を占め、保育所入所で苦労してきた女性やこれから子どもを産みたい女性にとって、切実で共通した願いとなっているのです。

 働きたいときにはどこでも身近に入所できる認可保育所がある、そんな社会的な条件整備を求めています。ところが民主、自民、公明3党で成立させた子ども・子育て支援法(「子ども・子育て新システム」)は、最低基準を下げ営利企業を参入させ、国と自治体の保育責任を後退させるものです。

 認可保育所基準の多くは戦後直後につくられ保育室の面積も職員配置の基準も、欧米諸国と比べて遅れています。この基準をさらに切り下げることは、子どもが健康に生き、発達する権利を政治がうばいとるものであり、絶対に許されません。

保育所増設充分な支援を

 政府や自治体が今やるべきことは認可保育所の大幅な増設へと保育政策を転換することです。待機児童数の実態にみあった保育所整備計画を立て、公立をふくむ認可保育所の建設費に対する補助金を復活し、実態にみあう拡充をすることです。また公立保育所つぶしは直ちに中止し、住民の要求にもとづく充実を図るべきです。「新システム」を撤回し、施行に向けた準備の中止を求めるものです。