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「日本の良心」になってほしい―韓国の著名映画監督 志位委員長の著書に書評
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「日本の良心」になってほしい―韓国の著名映画監督 志位委員長の著書に書評

2013-06-21 11:01

    不義に立ち向かってたたかう正義の侍、日本共産党

    志位和夫著 洪相鉉(ホンサンヒョン)訳 『いま、日本共産党』を読んで

    社団法人韓国映画監督組合共同副代表 鄭胤澈(チョンユンチョル)

     韓国の著名な映画監督で、韓国社会に大きな影響力をもつ鄭胤澈(チョンユンチョル)氏から、韓国語に翻訳・出版された日本共産党の志位和夫委員長の著書『日本共産党とはどんな党か』(韓国語版タイトル『いま、f36c7c2c48b9f73c8d5f9e83a12a1af60af6236e日本共産党』)の書評が寄せられました。「不義に立ち向かってたたかう正義の侍、日本共産党」と題し、「歴史を逆流させようとしている勢力とたたかう『日本の良心』になってほしい」と熱いエールを送っています。
                              ◇           ◇
     映画監督である私は黒澤明監督をはじめ、たくさんの日本映画監督が好きで、これらの素晴らしい作品を通じて日本の歴史と文化を経験することができた。しかし、政治や経済、そして現在の社会問題などは、ほとんど知らない。大部分の韓国人も同じだと思う。

     せいぜい日本が帝国主義時代、韓半島を植民地にしたり、太平洋戦争を起こしたり、依然として過去の歴史に消極的で、さらには独島を自国の領土だと主張することぐらいだろう。

    近くて遠い国にすぎなかった日本だが

     一方、日本という国が果たしてどのような勢力によって動いているのか、一般庶民の暮らしは本当にどうなのか、なぜ政府が過去の歴史にあれほどこだわるのか(きれいに歴史問題を清算せず)をまともに知っている人がほとんどいない。

     ソニーやキヤノン、パナソニック、アサヒビール、ホンダ、レクサス、村上春樹、ジブリのアニメなどはなじみでも自民党がなぜそこまで長期執権をしてきたのか、米軍基地がなぜそこまでたくさんあるのか、どのように共産党が今も健在しているかなど知らない。

     日本という国家はサッカー試合の永遠のライバル、または(個人関連のスキャンダルなどで)政治的な危機に陥った韓国大統領が独島へ行き、愛国パフォーマンスをする時だけ少し登場する、文字通り近くて遠い国にすぎなかったのだ。

    日本共産党は日本社会の真の良心であり、希望

     しかし、相手を正確に知らなければ、決して仲良くなることも真の批判を聞くこともできない。コミュニケーションをするには、相手の実体を知るべきで、日本共産党委員長の志位和夫氏の著書『いま、日本共産党』(洪相鉉・訳)は、こういう意味でまさに干天(かんてん)の慈雨のような本であろう。正直、朝鮮半島で北朝鮮を頭の上に乗せて住んでいる韓国という国で、共産主義とは最も触れてはいけない言葉になっている。さらに、社会主義圏の崩壊以降、共産主義とは過去の失敗した過去の遺物にすぎないと思っていたわれらにとって、日本の共産党はまるで江戸時代の侍のように時代錯誤的に感じられるほどであった。

     しかし、この本を読んで、今年でなんと結成91周年を迎える日本共産党は、その恐ろしい(?)名前とは異なり、日本社会の真の良心であり、希望であり、大きな祝福であることを悟ることになった。

     一生を日本社会の合理的な改革や市民の正当な権利を取り戻すために努力してきた志位和夫委員長はこの本で、日本社会の現状の問題点を大きく三つ挙げた。第一は、過去の侵略戦争の正当化、第二は対米従属政治、第三は極端的大企業中心主義だが、これはまた自民党が数十年間推進してきた一貫した政策でもある。事実上、この三つは一つにつながっている“米国中心の世界資本主義体制の構築”である。

     米国はソ連との競争のために、太平洋戦争を起こした日本の戦犯をほとんど放免し、復権させた。そして、このような軍国主義者の後裔(こうえい)などは自民党の中心となり、日本政治の主流となった。彼らは与えられた権力で平等な世を作るより、ただ自分たちの利益を極大化するために、公企業の民営化、派遣労働者制度、無分別な公的資金の支援など、大企業と資本が望む日本の経済構造を作るために努めてきた。その結果、日本は現在、韓国と中国をはじめとする周辺国と最悪の外交的状態となっており、米国への依存はさらにひどくなり、金持ちはますます金持ちになり、庶民や若者たちの希望はだんだん消えていっている。

    韓国人と一番親しい友達

     事実、日本の現在の姿は、最近次々右派政権が続いている韓国の暗鬱(あんうつ)な未来でもある。志位和夫委員長が指摘した日本の三つの異常は、まさに韓国でも最も大きな異常であるからだ。韓国は右派による歴史歪曲(わいきょく)と米国に対する政治経済的依存、大企業中心のルールなき資本主義で日本と同じ問題点をひどくさせている。

     しかし、それと同時に希望もある。31万8000人の党員、2万カ所以上の支部、そして党が発行している新聞「しんぶん赤旗」は130万人余りの読者を持っている日本共産党の存在だ。私は彼らが太平洋戦争当時、自国の軍国主義に抵抗した唯一の政党であり、スターリン主義と毛沢東主義のような変質された社会主義にも反対した良心的な歴史を持ち、昨年の総選挙で全国369万票を得て、活発な政治活動を行っていることを知り、新鮮な衝撃を受けた。

     もちろん、韓国にも軍事独裁政権とたたかってきた人々が作った進歩的な政党はあるが、不幸にも現在は古い姿を見せながら、分裂と混乱に陥り国民に大きな失望を与えている。そのため、企業や国家からの政党助成金を一銭ももらわず、独自的に運営している日本共産党の姿は、私をはじめ、多くの韓国人たちに「草の根の民主主義」の可能性についての大きな教訓と希望を与えてくれるだろう。真の友達とは最も厳しい時に、手を差し伸べてくれるものであろう。韓国人たちが一番大変だった過去の帝国主義の日本の植民地時代、ひたすら日本共産党だけがこれに反対し朝鮮の解放を主張したという事実は、すでに日本共産党が韓国人たちと一番親しい友達であり、強固な連帯勢力であることを改めて感じさせられた。

    あなたたちの勝利は、アジアの真の平和と幸福をもたらす

     今日、日本の主流政治勢力の目的は、ただひとつ。江戸時代のような幕府政治に回帰することであろう。大企業と政治家が新たな主君になって権力と富を世襲し、ほとんどの市民は下層民になり、一生主君のために忠誠しながら、搾取されなければならない21世紀の新型封建主義階級社会。これは韓国を含む全ての米国式世界資本主義の目標点でもある。

     ぜひ日本共産党が、このように歴史を逆流させようとしている勢力とたたかう「日本の良心」になってほしい。私が大好きな黒澤明監督の映画「七人の侍」で農民たちのために盗賊の群れに立ち向かってたたかう正義の侍たちのように。あなたたちの毅然(きぜん)とした勝利は日本だけではなく、アジアの真の平和と幸福をもたらすものであり、日本の政治が正しい姿で存在しているとき、韓国と日本も真の近い友邦国になれるだろう。くれぐれも、7月の選挙で同志たちのうれしいニュースが聞こえてくることを、心から祈っている。
     (中見出しは編集部) 

    チョン・ユンチョル 1971年生まれ。97年短編映画「記念撮影」でソウル短編映画祭最優秀作品賞を受賞。2005年に長編映画監督デビュー作である「マラソン」が観客動員500万人の記録を打ち立て、その後数々の作品を発表。06年に韓国政府が定める文化芸術の発展有功者に選ばれ、文化観光部長官賞を受賞。祥明大学校芸術大学教授、韓国映画監督組合共同副代表。

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