働く人たちのたたかいと日本共産党の努力とが響き合って、職場に新しい変化が生まれています。大手半導体メーカー・ルネサスエレクトロニクスと早稲田大学の場合は―。

ルネサス

指名解雇9月強行を回避

 三千数百人を目標に早期退職を迫る“面談”を繰り返してきたルネサスエレクトロニクスで、9月の事業上解雇(事実上の指名解雇)が回避されたことが、わかりました。

 ルネサスは9月11~18日に実施した早期退職の追加募集が目標に達しなかった場合に、「事業上解雇を実施する場合は、9月末までに別途(労働組合に)申し入れる予定」として、指名解雇を強行する構えをみせていました。電機・情報ユニオンによると、この追加募集でも目標の8割以下でしたが、会社側はルネサス労働組合(電機連合加盟)に事業上解雇を申し入れていません。

 ルネサスはこれまで、早期退職を募集。早期退職に応募するよう迫る退職強要の“面談”を8~11回も繰り返してきました。

 リストラに対して、電機・情報ユニオンは、組合員が神奈川労働局に申告したほか、各地の事業所で全労連と共同して門前宣伝を実施。各地の日本共産党は、リストラ反対の門前宣伝や知事への要請行動を展開し、山下芳生書記局長代行(参院議員)、田村智子参院議員が、ルネサスへの融資を予定する産業革新機構に、ルネサスでの違法な退職強要をやめさせるよう要請していました。

 たたかいを通じて、ルネサスでは退職強要の“面談”が止まっていました。今回の事業上解雇の回避は、これに続くものです。

早稲田大学

脱法行為はしないと約束

 早稲田大学では、首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉で、大学側が改定労働契約法に対する脱法行為は行わないと約束しています。

 改定労働契約法は、有期雇用を5年継続すると無期雇用へ転換できる、とする規定を導入。早大はこれを回避するため、非常勤講師を5年で雇い止めとする就業規則改定を強行しました。

 しかし、約4000人いる非常勤講師を失えば大学運営が成り立ちません。法学部では、非常勤講師を5年の間に順次、半年間休職させて契約期間をリセットして再雇用する「クーリング偽装」を計画するアンケートが配布されていました。

 組合側によると、7月22日の団交で、理事会側は「教務主任会を開催して、法学部の事例は不適切な取り扱いであると説明しています」と回答しました。

 8月22日の団交では、組合側が「クーリングは使わないということですね」と念押ししたことに対し、人事部長が「それは法的に違反なわけですよね。大学としてはやるつもりはありません」と答えています。

 組合側は、早大が「クーリング偽装」を違法だと認めて行わないとしたことは、他大学にも影響を与え、重要な意義がある、としています。

 日本共産党の田村智子参院議員は6月の質問で、谷川弥一文科副大臣から、「学校法人においても労働関係法に従う」という答弁を引き出しています。

 早大では、5年雇い止めの撤回を求めて、100人以上の非常勤講師が加入する早稲田ユニオン分会が21日に結成されています。