「日本でもっとも歴史ある政党のトップ。さまざまな社会の矛盾に声を上げ続けてきた、まさにミスター共産党」―。こんな紹介ナレーションで始まり、志位和夫委員長の素顔に迫る番組が11月30日に放送されました。BS朝日の「ザ・インタビュー」です。番組はジャーナリストの末延吉正氏が党本部を訪ね、志位委員長が本部内を案内する場面をはさみながら、対談形式で進行しました。

 少年期に安保闘争に参加した思い出、作曲家を夢見た高校時代、物理学者をめざし学生運動にも取り組んだ大学時代、そしてたどり着いた日本共産党―。「やっぱり父の影響が大きかった。父の姿を見て、社会で立場の弱い人、希望の持てない人に寄り添うように力を尽くすという生き方そのものですよね」と感慨深げに話します。投票日数日前の調査で「当選確率1%」とされながら、「地獄の底をみる思い」(志位委員長)で勝ち抜いた1993年の衆院初当選に思いをはせます。

 かすかに顔を赤らめ、夫人とのデートやプロポーズを振り返る場面では、「『書記局長をまかされてからは多忙を極め、かけてきた負担は計り知れない』と苦笑する」とのナレーションが入ります。

 党本部には、番組を見た人から「やさしい人柄が伝わってきた」(大阪・女性)などの感想がさっそく寄せられました。

 番組では“人間・志位和夫”に迫るだけでなく、共産党はどんな政党で、何を目指しているのかも語られます。

 党への「追い風」が吹いている原因を問われた志位委員長は、「自共対決」の構図とともに、「対案」を掲げ、国民との「共同」を打ち出したことをあげました。

 同時に、原発ゼロなど「一点共闘」の広がりを政治の心強い動きとして重視します。「一致点での共同にはどの問題でも共産党が参加しています。大義で一致できるなら、他の問題で違っても誰とでも組む」ときっぱり。

 「ずいぶん柔軟ですね…」と驚いた様子の末延氏に、志位委員長は「柔軟ですよ。思い切ったことを、今後も、可能性があればどんどんやっていく」と返します。

 末延氏は番組の終わりにこんな感想を語りました。「偏見予見を持たず虚心坦懐(たんかい)で話を聞くのが大事だと思った。共産党がみんなにどうやったら理解されるか、わかってもらう努力をしているなというのが印象的でした。いい意味での発見だった」

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 番組は今後、再放送が予定されています。