日本共産党の市田忠義書記局長は9日に国会内で記者会見し、臨時国会閉会を受けて「平和、民主主義、暮らし―あらゆる分野で『数の暴走』を進める安倍政権と国民との矛盾が広がっている。この暴走の先に未来はない。必ず国民と歴史に裁かれざるをえない」と強調しました。
このなかで市田氏は、安倍内閣について「基盤は極めて脆(もろ)い」「暴走の具体化の一歩一歩が国民の間での矛盾を深め、早晩、政治の激動的局面が起こることは避けられない」とのべた臨時国会開会にあたっての志位和夫委員長のあいさつを引き、「指摘どおりの状況になっている」として、情勢の特徴として3点に言及しました。
第一は、秘密保護法強行が安倍政権の民主主義破壊の本性を自ら暴露し、墓穴を掘る第一歩になったことです。
市田氏は、第1次安倍政権(2006~07年)が数々の悪法を「数の暴力」で強行した結果、参院選で大敗し政権を投げ出したことにふれ、「その道を再びたどりつつある。この暴挙が安倍政権の『終わりの始まり』となるのは間違いない」と語りました。
第二は、国民の暮らしを押しつぶす暴走が、怒りとたたかいを広げていることです。
大企業のもうけのために至れりつくせりの仕掛けをつくる「産業競争力強化法」「国家戦略特区法」を成立させる一方で、消費税大増税や生活保護大改悪、社会保障を解体する「プログラム法」を強行する―。市田氏は「あらゆる分野で国民の怒りとたたかいが広がっている。ここでも安倍政権は自ら墓穴を掘りつつある」と語りました。
第三に、「アメリカいいなり」政治の暴走という点でも激しい矛盾を広げていることです。
市田氏は、自民党が自らの公約を投げ捨て暴走する環太平洋連携協定(TPP)交渉の即時撤退を主張しました。米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古「移設」問題にも言及し、仲井真弘多知事に対して公有水面埋め立てを拒否するよう求めました。
そのうえで市田氏は、党国会議員団が安倍政権と「対決」し、国民の立場にたった「対案」を掲げ、国民との「共同」を広げる役割を立派に果たしたと強調。「国会は終わったが、たたかいは続く。来年1月の党大会を各分野の国民運動の大きな高揚のなかで迎え、強く大きな党づくりに全力をあげたい」とのべました。