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厚生労働省は12日、企業が派遣労働者を受け入れる期間の上限をなくし、半永久的に使い続けられるようにする改悪案を労働政策審議会の部会に示しました。労働者委員は、派遣への置き換えが進むと批判しましたが、厚労省は年内のとりまとめに向けて押し切る姿勢を強めています。
現在、通訳など専門26業務をのぞいて派遣期間は「原則1年最長3年」とし、正規雇用の派遣への置き換えを規制しています。期間を超える場合、派遣先は直接雇用を申し込む義務があります。
改悪案は、この業務区分は「わかりにくい」として廃止。無期雇用の派遣は「雇用が安定」だといって無期限に派遣できるとし、有期雇用の派遣についても上限を3年に延長して、人を入れ替えれば半永久的に派遣を使い続けられるようにします。この場合、派遣先の労働組合などの意見を聞くだけでよく、派遣への置き換えに対する歯止めにならない内容です。
部会では、使用者側が「大変評価できる」(経団連)と賛同しました。一方、労働者委員は「無期雇用でもリーマン・ショックで9割以上が雇い止めされた。労組の意見聴取では実効性あるチェックにならない」(連合・新谷信幸総合労働局長)と批判。「派遣が例外にとどまらなくなり、使い捨てにされてしまう」(全建総連・清水謙一書記次長)と主張しました。