主張
第46回保育合研
平和な未来とよりよい保育を
第46回全国保育団体合同研究集会(保育合研=同実行委員会主催)が2日から3日間、福岡市内で開催されます。
1969年の第1回保育合研は、日米安保条約改定に反対する広範な国民のたたかいの中で、平和と民主主義、そして子どもの全面発達を願う父母や保育士、研究者が一堂に集い始まりました。
子どもの命脅かすな
保育合研が“産声”をあげた時代をほうふつさせるように、安倍晋三政権は、集団的自衛権行使を容認し「海外で戦争する国」づくりにまい進しています。「子どもたちに平和な未来をつくるのはおとなの責任です」「息子や保育園の子どもたちの将来を考えると、いてもたってもいられない」と、いま全国で保育士や幼い子をもつ父母が立ち上がっています。
「ハンドマイクデビュー」をする母親や、保育園の門前で保護者に「集団的自衛権の行使認める?認めない?」とシール投票を呼びかける保育士など、各地で取り組みが広がっています。
保育合研は、子どもたちの生きる力や、命の輝きを目の当たりにしてきた、戦争を直接知らない世代の父母や保育士たちが、「戦争する国」づくりを目指す安倍政権に「ノー」の声を大きく上げ、思いを結集する機会となるでしょう。
国民の暮らしを破壊する安倍政権の暴走のひとつに、公的保育を土台から掘り崩す「子ども・子育て支援新制度(『新制度』)」があります。来年4月からの施行を決めて、推し進めており、自治体では条例づくりの作業が進んでいます。住民や子育て世帯の要求にこたえる中身になるのか、保育や子育てに対する自治体の姿勢が鋭く問われています。
いま、それぞれの地方で「新制度」の問題点を明らかにし、現行の保育水準・基準を後退させるなという運動とともに、制度の内容を父母や保育士にもしっかり説明せよと自治体に働きかけ、説明会を開かせる取り組みがおこなわれています。説明会では新制度への疑問や不安が引き続き出され、よく知らされないまま制度を強行するなという声も起きています。
安倍政権が大企業・金持ち優遇の経済政策を進める一方で、雇用破壊や社会保障の切り捨てが行われ、子どもの貧困率は2013年調査(厚生労働省)で16・3%と、6人に1人の子どもが貧困状態に陥る過去最悪の事態となっています。一人親世帯でいえば54・6%です。母子世帯の84・8%が「生活が苦しい」と答えています。
このようななかで地域の子育てにとって保育所と保育士の役割がさらに重要になっています。公的責任で保育所を増設し、どの子も安心して保育を受けられる環境をつくっていくことが急務です。
新たな決意と発展を
保育士の専門性の発揮がますます求められています。国は保育士の処遇を改善し、正規で有資格の保育士の配置を保障すべきです。それを怠り、保育士不足を理由に安上がりな労働力として「子育て支援員」という保育士の専門性を否定するような制度の導入は許されません。
今年の保育合研が、全国で子どもたちの平和な未来と、よりよい保育を実現する大きな力になる研究集会として成功することが期待されています。