自民党の谷垣禎一幹事長は9日、党本部で経団連の榊原定征会長と会談しました。経団連が会員企業・団体に自発的な政治献金を呼び掛ける方針を決めたことを説明した榊原氏に、谷垣氏は謝意を表明しました。

 会談では、自民党執行部と経団連幹部による政策懇談会を継続していくことも申し合わせました。この後の記者会見で、谷垣氏は「議会制民主主義の健全な発展に必要なコストとして企業も責任を果たすということだと理解している。自発的な寄付の呼び掛けは大変ありがたい」と述べました。

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 谷垣氏の発言、経団連側の態度はいずれも、企業献金の本質と、民意に反した歴史的経緯を無視したもの。いかなる意味でも主権者ではなく、政治の主体となり得ないはずの営利企業が、その経済力にモノを言わせて政治献金を行い、自分に都合のいい政治を行うことは、国民主権の民主政治をゆがめます。

 自民党政治の下で金権腐敗政治への国民の批判が強まり、1990年代はじめに「カネのかからない選挙」の名目で小選挙区制が導入され、「企業献金の廃止」と引き換えに政党助成金制度が設けられました。しかし、政党助成金導入後も企業献金は廃止されず、自民党や民主党をはじめとして、助成金と企業献金の「二重取り」が続いてきました。

 経団連からの献金再開の申し出に「議会制民主主義の健全な発展に必要なコスト」として感謝する谷垣氏の態度は、古びた自民党政治の「復活」を象徴しています。財界からすれば、「世界で一番企業が活躍できる国」を目指すとして、原発輸出のトップセールスに力を入れ、労働者派遣への規制を全面緩和しようと動く安倍政権に対し、全面協力するためのコスト負担にほかなりません。

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 「歓迎」一色の自民党には、電力マネーに頭までつかって安全神話をばらまいた政治が、国民と国土に取り消しのつかない大被害をもたらしたことへの反省はありません。国民の生活を顧みることなく財界におもねり、おごり高ぶる自民党に、国民の厳しい審判は避けられません。