訪韓中の日本共産党の志位和夫委員長は26日、「韓国日報」など複数のメディアの取材を受けました。

 志位氏はその中で、「25日の日韓・韓日議員連盟の総会が採択した『共同声明』には重要なことが書かれているが、安倍政権の立場は矛盾するのでは」との質問を受け、次のように答えました。

 「『共同声明』に、元慰安婦の女性たちの名誉回復のための措置をとる、また『村山談話』『河野談話』にふさわしい行動をとるという二つの文言が入ったのは、歴史的な意義を持つものだと考えます。このことは、私たちが前日に朴槿恵(パク・クネ)大統領にお話しし、議員連盟の総会でも主張したことですが、両国の議員の努力で、そうした内容が『共同声明』に盛り込まれたことは、うれしいことです。

 安倍首相が、『河野談話』を継承すると言う一方で、『性奴隷というのはいわれなき中傷だ』と述べたり、菅官房長官も『強制連行はなかったと世界に発信する』と言っています。これは『河野談話』の事実上の否定であり不誠実です。

 そういう事態があるだけに、今回の議連総会が、被害者の名誉回復と『談話』継承にふさわしい行動をという2点をうたった『共同声明』を全会一致で採択したことは、重要な意義があることだと思います」

著名映画監督と志位さんが対談

 この日志位氏は、韓国の著名な映画監督・鄭胤澈(チョン・ユンチョル)氏とも対談。鄭氏は、国内で500万人動員の大ヒットとなった「マラソン」(2005年)など、数々の映画を発表してきた若手の文化人です。同氏は、2013年に志位氏の著書『日本共産党とはどんな党か』の韓国語版が出版されると書評を寄せ、「歴史を逆流させようとしている勢力とたたかう『日本の良心』になって」とエールを寄せました。

 2人の対談は、互いの生い立ちから両国の文化、政治まで幅広く、食事もともにして続きました。