言論弾圧の発言が相次いだ自民党議員らの会合(25日)を批判する社説・論説や声明を掲載した地方紙・ブロック紙が、29日までに26紙に上ったことが、本紙の調査で明らかになりました。戦争法案の今国会成立を狙う安倍政権を包囲する世論の高まりを反映しています。

 攻撃の対象となった琉球新報、沖縄タイムスは26日に共同抗議声明を発表(28日付本紙既報)したほか、27日にそろって社説を掲載しています。

 山形新聞28日付は「言論封殺の暴挙 許すな」と題する寒河江浩二(さがえひろじ)主筆兼社長の「緊急声明」を掲載。「事は、沖縄の地方紙2紙だけの問題ではない。言論の自由、報道の自由、そして新聞の独立という民主主義の根幹にかかわる問題」と批判しています。

 西日本新聞27日付社説は、マスコミを「こらしめる」という自民党議員の発言は「隙あらばマスコミに圧力をかけ、権力への批判を封じ込めたいという本音が丸見えではないか」と喝破。「報道を圧力でコントロールしたいというのが自民党の底意だとすれば、安保法案(戦争法案)も断じて認めるわけにはいかない」と論じています。

日本新聞協会も声明

 日本新聞協会(会長=白石興二郎読売新聞グループ本社社長、130社)は29日、「自民党勉強会での発言に対する日本新聞協会編集委員会声明」を発表しました。

 声明は、「政権与党の所属議員でありながら、憲法21条で保障された表現の自由をないがしろにした発言は、報道の自由を否定しかねないもので到底看過できず、強く抗議する」としています。また「民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を弾圧するかのような動きに断固反対するとともに、多様な言論で『国民の知る権利』に応えていく」と強調しました。

 同協会の編集委員会は、新聞・通信・放送の編集・報道局長ら58社58人で構成しています。