志位氏は、国会論戦で明らかになった戦争法案の問題点を「違憲性」「対米従属性」「歴史逆行性」の三つの角度から鋭く告発。党の「北東アジア平和協力構想」を紹介し、「これこそ戦争法案に対する、憲法9条を生かした真の平和的対案です」と強調しました。
志位氏は戦争法案廃案に向けた三つの展望を語りました。
第一は、「法案には『自然成立』はない」ということです。
志位氏は、一部メディアのなかに、「60日ルール」を強調し、「安保法案は成立へ」などと「成立」を当然視して報じる動きを批判。予算案や条約と異なり法案には「自然成立」がないこと、政府・与党が戦争法案を成立させるには参院での強行採決か、衆院で強行再議決しかないと指摘。強行採決を許さない国民世論が圧倒的多数となり、内閣支持率をさらに下落させる状況をつくれれば、安倍政権は立ち往生し、採決不能に追い込むことは可能だと力をこめました。
第二は、戦争法案反対の国民の運動が空前の広がりを見せているということです。
若者の行動、憲法学者、研究者、歴代元内閣法制局長官などの反対の声の画期的な広がりにふれた志位氏は、「いま広がりつつある国民運動は、その広さでも、深さでも、一人ひとりが創意性・自発性をもって参加しているという点でも、戦後70年の国民運動でも空前のものとなっています。9条を守るということとともに、民主主義、立憲主義を守り、独裁政治を拒否するという点でのエネルギーがきわめて大きいことを感じます」と強調しました。
第三は、安倍政権そのものが大きく行き詰まっていることです。
安倍首相がテレビ番組に出演し、戦争法案について、「模型」まで使って、「戦争」を「火事」にたとえて説明していることに言及。「『火事』なら火を消せば済むが、『戦争』では武力行使をすれば反撃される。こんな話しかできないということは、首相が戦争法案について説明する能力がないことを自ら告白しているようなものです」ときびしく批判しました。
さらにこの夏、安倍政権が、沖縄新基地問題、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)、歴史認識問題などあらゆる問題で、国民との矛盾を大きく広げざるをえないことを指摘し、「夏のたたかいはまさに正念場。国民とスクラムをくみ、党の総力をあげて、廃案のために全力をつくしたい」と決意を語りました。
志位氏は、講演後、参加者との懇親会に参加し、親しく懇談しました。